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都市廃棄物循環利用推進プロジェクトを開始しました

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合意文書に署名しプロジェクトを開始しました

10月15日、JICAと中国国家発展改革委員会は「都市廃棄物循環利用推進プロジェクト」の実施に関する合意文書に署名し、4年3ヶ月間にわたる技術協力プロジェクトを開始しました。

中国では、急速な工業化・都市化により廃棄物が急増する一方、そのリサイクルや適正な処理システムの整備が遅れています。その結果、汚染物質の流出や、廃棄物の不適正な再利用がなされるなど、市民の健康や環境に対するリスクが増しています。持続可能な発展のためにも、資源利用の減少化、リサイクルの推進等、中国の状況に適した廃棄物の循環利用制度の構築が課題となっています。

本プロジェクトではこの課題に対応するため、都市廃棄物のうち、レストランなどからの食品ゴミ、ペットボトル・缶などの包装ゴミ、廃タイヤを対象として、その循環利用政策・法律の整備に向けた支援をしていきます。具体的には、国レベルの政策研究、地方都市※でのパイロットプロジェクトの実施・計画策定に関する技術協力を行うことになっています。(※対象都市は浙江省嘉興市、山東省青島市、貴州省貴陽市、青海省西寧市の4都市)

10月31日からは最初の活動として国・地方・研究機関の関係者12名を対象とした本邦研修を実施し、金沢、名古屋、東京での現場視察、有識者との意見交換などを実施しました。プロジェクトでは今後も専門家派遣やセミナー開催など、順次協力活動を進めていきます。

(所員 坂元芳匡)

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節水リーダー活動開始!
−節水型社会構築モデルプロジェクト−

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積極的に質問をする子供たち

当プロジェクトでは、節水宣伝教育の担当者が小学校等に直接出向き、児童等との相互交流により水の大切さや節水の必要性を伝えることのできる人材(節水リーダー)の育成に取り組んできました。そのため、これまでに、節水リーダーが授業で使うことのできる紙芝居の開発や、日本水フォーラムの節水リーダーである橋本淳司専門家による節水リーダー研修を通して、中国の節水宣伝教育の担当者の能力開発を行ってきました。

これら一連の取り組みの成果として、10月14日、河南省鄭州市の節水リーダーが、記念すべき第1回目の授業を市内の学校にて行いました。授業では、節水リーダーが紙芝居によってわかりやすいストーリーを組み立て、地球儀やバケツ等を利用しつつ世界の水資源の問題を説明し、また、小学生にミネラルウォーターの入っているリュックサックを担がせて水の重さを体験してみる等の工夫がなされており、子供たちが興味津々に授業を聞いている姿が印象的でした。

鄭州市での活動は、JICAのプレスツアーとあわせて行なわれ、取材を行った「人民日報」、「人民網」、「中国網」での記事掲載の他、多くの中国メディアでもこれらの記事を引用して紹介されました。

10月25日には、山東省ジ博市でも節水リーダーが初めての活動を展開しました。この活動の際には、NHKの取材とあわせて小学校で授業が行われました。鄭州市と同様、子供たちが一生懸命に手を挙げ、積極的に授業に参加していました。(写真)

節水リーダーの活動の様子は、10月29日、NHK WORLDの英語版で放送されました。その中では、中国の厳しい水資源の現状を踏まえ、JICAの協力内容である節水リーダーの取り組みが紹介されました。ジ博市の節水リーダーは、インタビューに答え、中国の厳しい水資源の現状を子供の時からの理解させることの重要性を力説しています。

鄭州市、ジ博市の関係者は、節水リーダーの活動を、それぞれ河南省内、山東省内の他の都市に広めていきたいという考えも持っています。今後、中国各地に節水リーダーの活動が広まり、中国の学生・住民の節水意識の更なる向上に役立つことを願っています。

(長期専門家 泉博隆)

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環境教育で人々の心をつなぎました!
−天津環境管理能力向上プロジェクトでセミナー開催−

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子供達とゴミを使って工作する専門家

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子供たちに手品を披露する専門家

10月20日、天津市において環境教育に関するセミナーを開催しました。本セミナーは行政、企業、市民の連携を通じ社会全体としての環境管理能力を高めることを目的とした『天津環境管理能力向上プロジェクト』の活動の一環として実施され、天津市の環境教育に携わる行政、企業、学校、NGO関係者など約100人の参加者に対し、日本におけるアクター間の連携及び環境教育の手法の紹介を行いました。環境教育の手法では、JICA専門家の実演を通じ、自分で経験し考えてもらうことの重要性を天津市関係者に体験してもらいました。参加者からは、「今日はいろいろなものを見て、触って、考えた。机の上で学ぶことと、実際に経験し感じることは全く異なる。今後は子供たちにもっと体験を通じ、自分たちで考えさせる取り組みも行っていきたい」との声が聞かれました。

また21日には、天津市のコミュニティ、幼稚園、小学校を訪問し、実際に子供たちに対し環境教育の授業を行いました。天津市の子供達は専門家の実演授業に笑顔を見せ、楽しみながら学ぶことができたようです。特に、ゴミを風呂敷に入れると、みるみるゴミがリサイクル品に変身する手品を見て子供たちは笑い声をあげて喜んでいました。そのやり方を見ていた教師達は、日本の教育手法はこれまでのやり方と異なり大変参考になったと述べていました。

一方、北九州市より派遣されたJICA専門家は、天津市で行われている環境教育の取り組みを日本に持ち帰り、北九州市民や子供たちに紹介する予定です。こうした双方向の取り組みを通じて、日本と中国が学びあう姿勢がいっそう強まっていくことを期待しています。

(企画調査員 木下真人)

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青年研修・青年指導者幹部視察研修の実施

今年の青年研修には合計164名の中国青年が参加しました。青年達は日本で18日間にわたり、各自の専門分野に関する日本の経験、実情について研修を受けました。また、11月1日〜11月10日には、孫慶聚中国共産党中央党校副校長を団長とする89名の青年指導者が中国青年指導者幹部視察研修に参加しました。中国の青年及び青年幹部達は、日本滞在中に、日本の政府機関、学校、企業関係者、一般市民等、各界各層の方々と幅広い交流をしました。彼らは訪日を通じて、どのようなことを感じたのでしょうか。

前回の青年研修参加者がJICAに寄せた感想文を紹介します。

すばらしい制度をしっかりと実行すること
−訪日研修の体験記−

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アクションプランの成果を発表している王朝陽

下降する飛行機の窓から見た日本の第1印象は、大地の上にパッチワークのように広がる豊かな緑でした。私は、何てきれいな国だろう、どんな力がこの国をこんなにきれいにしたのだろうと思いました。

研修の重要な内容の一つに、日本における道路設備がありました。日本の道路は計画段階から建設と運営、メンテナンスにいたるまでしっかりと考えられて、なんと耐用年数100年を目指しているそうです。

中国、特に西部地区では、既存の道路の耐用年数をいかに全うさせるかという問題があります。中国西部地区は資源が豊富で、車両による輸送が盛んに行われています。運送業者は往々にして料金等の支出を避けるため、遠回りして積載制限が少ない無料の道路を通行するので、農村の道路は傷みがひどく、いつも修理・再建中となってしまうのです。

日本ではこのような問題をどう解決しているのか、と私が興奮気味に質問すると、日本の講演者はやや困ったような表情で、「道路法」の規定で通行が許可されない車両は一般的に通行することがないため、特別なことは何もしていない、と言うのでした。私はこの回答を一度は不満に感じましたが、後でよくよく思い返してみると、なんとなくですがわかったような気がしました。その後10日間余りにわたる学習を経て、私はこの簡単な回答の意味するところは、「すばらしい制度と、それをしっかりと実行する力」だと理解したのです。

日本に対するこの印象は、岐阜県郡上市でさらに裏付けられました。郡上市の池や村を流れる渓流には、色とりどりの鯉が飼われており、観光客がエサをやっていました。魚のエサは池のそばの机の上に置いてあり、1袋50円で、隣にお金を入れる箱が置かれていました。監視する人はいませんでしたが、観光客はエサを取るときに自主的にお金を払っていました。私は初め、「ここは観光客が多いし、人の目があるからお金を払わないのは恥ずかしい。このようなやり方はここだけのものだろう」と思いました。しかしその夕方、私たちが村の中を散歩した際、私は同様のやり方をしている場所をたくさん見つけました。私は考えました。すばらしい制度があり、その制度を皆がしっかりと実行しているから、労働力を節約することができ、節約した労働力を他の生産活動に投入できるのだ。このように労働力を活用することで、日本経済は絶えず向上しているのだ、と。

研修の報告が終わった後の座談会で私たちは、日本の印象についてもう一度聞かれました。私は次のようにまとめました。「青い空、緑の大地、澄み切った水、真面目で誠実な人々」。初めの3つは日本のすばらしい生態環境を指し、後の1つは日本の経済・社会の発展における様々な一面を表しています。

帰国後、友人や同僚に日本の印象を聞かれると、私はよく渓流をさかのぼる魚の話をします。その魚の姿には、民族の性格、国の素質、そして、国をきれいにする力が現れているのです。

(帰国研修員 中国社会科学院財政・貿易経済研究所 王朝陽)

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