切手になった日中協力:中国最果てから芽吹く日中友好

プロジェクト名:雲南省人材育成事業
2001年度承諾 プロジェクト総額:7,520百万円、うち円借款利用限度額:4,540百万円

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雲南農業大学校舎の完成式の様子

経済・社会の発展状況という切り口から中国を考察した場合、目覚しい発展を遂げている「沿海地域」と、将来の発展に向けて様々な課題に直面している「内陸地域」に分けられる。1970年代末に改革開放路線が導入されたあと、北京、上海、広州、大連、青島などの沿海地域は急激な発展を遂げたが、内陸地域との経済格差は拡大する一方だ。

そんな中国国内の地域間格差の是正、内陸地域の将来を担う人材を育成するため、日中両国政府が協力し、内陸地域にある200大学を対象とした円借款人材育成事業が実施されている。このプロジェクトの実施を通じ、日中大学間の交流が飛躍的に進むとともに、日中友好の将来を担う人材が更に増えることが期待されている。

プロジェクト実施の背景

黄砂・砂漠化、酸性雨、大気汚染、市場ルール(知財権)、貧富格差・・・・・
中国ではさまざまな開発課題が山積しており、それらの課題は日本を含む東アジア全体のグローバルイシューともなっている。特に発展途上の中国内陸地域では、これらの課題に対応する資金が不足していること加え、「人材」の育成も必要だ。

そのような背景を踏まえ、中国政府から日本政府に対して人材育成分野での協力が要請され、両国政府協力の下、特に支援が必要とされている中国内陸地域を中心とした「22省・市・自治区の200大学」を対象に人材育成プロジェクトが開始される事となった。

このプロジェクトでは、中国の内陸地域にある200大学を対象に、ハード面の改善(校舎・図書館等の建設や研究機材の購入)、ソフト面の強化(大学教職員の日本への留学・研修等)が実施されている。このプロジェクトで用いられている資金は「円借款」であり、長期・低利の優遇された条件ではあるが使用した資金は将来に亘り利子をつけた形で全額日本に返済される。
2008年6月末時点で既に約3,400名の教職員が日本への留学、日本での研修を経験しており、人材の育成と共に、日中の大学間交流、ひいては日本の大学の国際化が更に促進されることが期待されている。

雲南省人材育成事業

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雲南省人材育成事業 記念切手
提供:雲南省人民政府教育庁

雲南省で実施されている「雲南省人材育成事業」では、雲南大学を含む雲南省の主要11大学を対象に2002年から実施されている。プロジェクトは順調に進んでおり、校舎、図書館などの施設はほぼ建設を終了している。

施設の完成が間近となった2007年9月、本プロジェクトを記念して「雲南省円借款人材育成事業記念切手」が発行された。この記念切手には、日本政府による円借款を活用して建設・整備された図書館、校舎、実験室などの写真が、16枚の切手1枚1枚に印刷されている。

− 先日、この記念切手を作成した雲南省人民政府教育庁の担当者と話す機会を得た。

担当者: 「雲南省は中国内陸地域に位置し発展が遅れている地域だが、今回の日本政府による円借款のおかげで、地域発展に貢献する人材を育成するための基盤を整備することができた。また、中国で最も奥地という地理的原因もあり、雲南省の大学と日本の大学の交流は必ずしも盛んに行われていなかった。しかし、このプロジェクトの実施により、プロジェクト対象大学の教職員約450名が日本での留学・共同研究などを行なうことが可能となり、中日大学教職員の交流が飛躍的に進んだと感じている。今回の記念切手の発行は、このような中日友好のシンボルとなる本プロジェクトを記念するため、また、後世に語り継ぎたいと思い作成した。」

− この記念切手シートには以下の一文が添えられている。
「中日両国人民友誼長存」
・・・・中日両国人民の友好が末長く続くように

中国西南の最果て雲南省。
いまこの地から日中友好の種が芽吹こうとしている。