私に出来る国際協力

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市民参加協力調整員
西尾治美さん

青年海外協力隊へ

 国際ボランティアを知る雑誌『クロスロード』を見つけて、毎月読むうちにだんだんと青年海外協力隊にあこがれるようになりました。そのころ、大学の研究室でひたすら研究を続ける毎日のなかで、「視野を広げたい。自分の知識、技術を海外で活かしたい!」と思い、名古屋・栄ガスビルで開催されたJICAボランティア募集説明会に参加しました。そこで社会人経験のなかった自分と同じ境遇で協力隊に参加した経験者の体験談を聞いたとき、「自分も活動したい!」という気持ちが強くなり、協力隊の応募を決意しました。

ガーナで深まった国際協力への想い

 青年海外協力隊でアフリカのガーナで理数科教師として2年間活動していた私は、小さい村の高校で化学の先生をしていました。明るく元気でとても素直な生徒たち。いつも「お腹空いたー」と私のお昼ご飯を目当てに集まってきます。ある日、私はお金を自宅に忘れ、お昼ごはんも買えず授業をしていたので、午後になりお腹も空き、外は暑いし体力も尽きて疲れ果て、机にもたれて休んでいました。そこへいつもの生徒たちが集まってきて「病気なの?」と聞くので、「お金を忘れてご飯を食べてないの」と答えました。それを聞くなり生徒たちはどこかへ行ったと思ったら、しばらくしてバナナ1本持ってくると、「これを食べて!」と差し出してくれました。「お金もないのに、このバナナはどうしたの?」と尋ねると、「みんなでお金を集めて買ったの。先生が病気だと私たちは勉強ができないから」と話してくれました。生徒たちは当たり前のことだと言うけれど、私は感動し涙が止まりませんでした。自分たちの食べるものがなくても、私にバナナを買ってくれた生徒たち。私にできることは、この子たちのために勉強を教えること。改めて強く感じた出来事でした。そして帰国しても日本で自分にできることはないかと考え、協力隊の経験を地域社会に還元したいと思うようになりました。

国内での国際協力へ

 そうしたガーナでの経験やそこから感じた想いもあり、帰国後は国際協力推進員として、愛知県でのJICA窓口の役割を務めてきました。多くのみなさんの国際協力への理解・参加をすすめるために地域との連携はとても大切であると、国際協力推進員として活動する中で強く感じました。特に、この地域の連携がすすめられている大きなきっかけとなっているのが、『国際理解教育セミナーinなごや』の開催です。このセミナーは、 愛知県における開発教育・国際理解教育の推進に携わる団体((財)愛知県国際交流協会、(財)名古屋国際センター、(特活)名古屋NGOセンター、(特活)NIED・国際理解教育センター、JICA中部)が実行委員会を結成して毎年開催しているもので、“地域の開発教育・国際理解教育の裾野を広げ、担い手を育てる”という同じ目的を持ちながら、企画から運営まで、それぞれの団体の持つリソースを活用しながら協働で実施しています。セミナーを実施することが目的ではありますが、毎月1回開催される実行委員会に参加する担当者間の情報・意見交換は、関係団体間の信頼関係を築き上げる重要な場となり、実行委員会を活発にすすめることが、まさに良き連携づくりだと強く感じました。そしてこのセミナーの連携からは、地域最大規模の国際交流・協力イベント『ワールド・コラボ・フェスタ』の開催など、新たな連携事業が生まれています。“組織を越えてひとつのものを作り上げる”ことは、地域とJICAを結ぶ国際協力推進員としての重要な役割のひとつだと考えています。

 今後は、市民参加協力調整員として、主に開発教育・国際理解教育支援事業を担当します。青年海外協力隊そして国際協力推進員として活動する中で、世界と日本のつながりや国際協力の大切さをより多くの人々に伝えたいと強く感じました。“世界の様々な状況や人々の暮らしを知ることで、自らの生き方を振り返り、世界とのつながりや共に生きることについて考えるようになる”これは自分自身の経験から得たことです。しかしこのような“気づき” は、海外に行かなければ得られないものではありません。『ひとりひとりが地球の抱える課題について理解し、共に生きることのできる社会づくりに参加する』ために、地域との連携をより一層すすめながら、開発教育・国際理解教育の推進を通して、多くのみなさんの国際協力活動への理解・参加をすすめていきたいと思っています。

関連リンク
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ガーナでの協力隊活動風景(1):化学実験の授業後に、生徒のノートチェック

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ガーナでの協力隊活動風景(2):いつも笑顔で元気な生徒たち

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地域の国際交流・国際協力団体が連携して「ワールド・コラボ・フェスタ2007」を開催しました