野球で国際協力!!

【画像】佐藤 雅史(春日井市出身)

ヨーロッパ野球支援団体「GLOVE」代表
佐藤 雅史(春日井市出身)

野球で国際協力!!

 私は3歳から野球を始め(ICHIRO選手と同じ?)、ずっと野球を続けてきたある日、TVでサッカーワールドカップを見て疑問に思ったことがありました。
「サッカーはあんなに世界中の人が一緒に楽しんでいるのに、野球は?」「野球をもっと世界中の人に広めたい」と。

 月日は流れ、大学生の時、またまたTVで「あすなろ白書」というテレビドラマの最終回でSMAPの木村拓哉さんが青年海外協力隊としてケニアに飛行機で海外へ飛び立つシーンを見て、「かっこいい〜!!!」「自分も海外で何かできることはないか?」と胸が高鳴りました。
そんな頃、偶然友人から青年海外協力隊の資料を手渡され、中を見ると【野球隊員】という職種があることを初めて知りました。「自分にもできることがある!」「今行くしかない!」とバットを振ったら一塁へ走るかのごとく、気が付いたら会社を辞めて試験を受けていました。こうして23年間ゆっくりと積み重なった想いが、国際協力の扉をゆっくりと開けることになりました。(23歳の春)

ハンガリーで出会った野球少年。

 青年海外協力隊として、私はハンガリーで野球普及活動をしていました。野球人口を増やそうと小学校を訪問して野球紹介をしました。「ヨーロッパの子ども達は野球が嫌いなのかな?」と不安でしたが、野球紹介が始まるとそんな不安は忘れていました。子ども達が目を輝かせ「マサ!野球ってどこでできるの?」と聞いてきました。
 
 そんな中、センテンドレというクラブチームを指導していた時、子供チームの練習を毎日見に来る6歳の少年がいました。当時子供チームに入れるのは8歳から。ある日、その子に「キャッチボールやってみる?」と声をかけると、喜んでグローブを取りました。その日以来、子供チームの練習前にその子とのキャッチボールが始まりました。キャッチボールをしていくうちにとても上手になり、特別に子供チームの練習に参加させました。そして、特別に試合にも参加させました。

 初試合。生まれて初めてのバッターボックス。顔が全部隠れるぐらいの大きなヘルメットをかぶり、重たそうなバットを構えて、ジッとピッチャーを見ています。自分のことではないのに、今までの野球人生で何故か一番緊張していたのを覚えています。

 ピッチャーが投げたボールをジャストミート。しかし力がないのでピッチャーの横を過ぎた後ゴロが失速します。全力で一塁へ走る…そして自然とヘッドスライディング。「セーフ!」審判の声が青空に響きわたった時、私やベンチにいたチームメイトが我を忘れて一塁ベース上にいる少年のところへ行き一緒に喜びました。(試合は一時中断…)

 2年の時が過ぎ、帰国前日その少年はどこから持ってきたのかプラスチックの白い玉に赤ペンで、自分で縫い目を書いた「世界で一つだけの野球ボール」をプレゼントしてくれました。そして最後のお別れの時、彼はこう言いました。「マサ!僕に野球を教えてくれてありがとう!」「マサと野球に出会えて僕は本当に幸せ!」「僕ずっと野球を続けるね!」。

 野球というスポーツで国際協力なんてできるのか?野球バカでも国際協力なんてできるのか?不安でいっぱいでしたが、この言葉を聞いて「ハンガリーに来た意味があったのかなぁ〜」と思いました。野球は娯楽ですが、人間が生きていく上で娯楽も必要である。娯楽の持つ力を改めて教えてくれました。

帰国後も野球を通して国際協力。

 自分は「野球が好き」という事ぐらいしか自信があるものがなかった。でも野球を通してでも「国際協力」や「思いやりの心」や「仲間作り」などいろいろなことができることが分かりました。
 そんな野球の持つ力に気づいた私は、日本に帰国後、「GLOVE」というNGOを立ち上げ、ヨーロッパ等野球の普及していない地域に野球道具を提供したりしています。国内では「三角ベースで多文化共生」「チャリティー試合」「野球道具送付」など各プロジェクトを行っています。私も野球が好き、ヨーロッパが好き、世界が平和になって欲しい、など同じ想いの人たちと一緒に自分達にできること、自分達にしかできないことを増やしていこうと活動しています。

 私は難病を治す薬を作る事も、学校や病院を建てることもできません。でも野球を通して笑顔の種を世界中にまくことができると気が付きました。まいた種が「思いやり」という芽を出し、「世界平和」という花を咲かせる日を本気で目指しています。そしていつか世界中が花いっぱいになり、種をまかなくても花であふれる世界になることを願っています。

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ハンガリーの子ども野球チーム

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GLOVEの活動:チャリティー野球

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GLOVEの活動:チャリティー三角ベース