子育て国際協力!!

【画像】江口 由希子

「外国人親子の子育てサロン」代表、元青年海外協力隊(トンガ・体育)、愛知県出身
江口 由希子

【コクサイキョウリョクと無縁の私が国際協力と出会うまで】

 大学卒業後就職した先で青年海外協力隊のOBと出会いました。以前から海外に興味があったものの、それが留学なのか旅行なのか自分でも分からなかったのですが、話を聞くうちに「自分の出来ることで相手が喜んでもらえるのなら」と思いました。
また、大学のゼミのテーマの一つであった『国民性とスポーツ観』の考察を確かめたく、協力隊に応募し、南太平洋の小さな島国、トンガへ赴任することになりました。それはわずか一年間の出来事でした。

 トンガでは小学校の体育の教員として、巡回指導を行う事が主な活動でした。初めての異文化の中での生活でしたので、いろいろ戸惑う事もありました。
おおらかでいい加減で、笑う事と食べる事が大好きなトンガ人と生活を共にしたことで、日本以外の国に大切な家族が出来ました。その事は日本に住む私と世界をつなげる大きな出来事でした。
ロサナは今日も元気かな、今年はフィネの島にサイクロンはきてないかな、シイはちゃんと食べたかな、等私の家族を想うのと同じように。

 協力隊事業は一つの国際協力だけど、そんなに堅いものでもなかったというのが正直な感想。
いかに、自分の中に世界との繋がりをもっているか、また自分の得意なものを見つけられるか、ということなのかなぁと。
得意なものを見つけられれば、それを手段に交流も出来るし協力もできるから。国際協力とは自分探しのようだ。そんな事を思い帰国しました。

【帰国後の葛藤】

 縁あってか、帰国後JICA中部で協力隊事業を行う仕事に就きました。その中で、この地域のいろいろな協力隊OBの個々のパワーとキャラクターの面白さに出会うたびに、この地域で彼らと何かをしてみたいと思うようになりました。
また、「世界にいる家族の為に、私は何が出来るか」といつも思っていました。しかし、なかなか形を見つけられずにいました。

【出産・子育てと交流 よしっ!】

 05年に長男を出産。その後は子育て中心の生活にガラリと変わりました。もともと家にじっとできない私が、なかなか思うように出掛けられなくなった事と、乳児の子育ては想像以上に大変で、イライラ・・・ストレスに加え、育児の不安や心配ばかり増えました。
そんな時に地域の子育てサロンに参加し、同じ境遇で悩みを共有できる母親達と出会い救われました。
でも、そういう場に外国人の姿が無いことに気がつきました。
街中では外国人を多く見かけるのに、保健所の健診や予防接種には外国人はいない、どうしているのかな?と思いました。同じ母親なら、悩みも同じはず。
加えて、私が体験したような異文化ストレスもあるはず。彼らは誰にサポートしてもらっているのだろうかと調べた所、そういう場も無かった事がわかりました。

 よし、子供と一緒にやろう。それが今の自分に出来る等身大のやり方で、目指していた地域に根ざした国際協力だと思い06年10月に『外国人親子の子育てサロン』をスタート。
以下の目的で活動を始めました。

(1)慣れない土地での子育ての不安や悩みを共有し、対話することで少しでも外国人親子のサポートになればいいな

(2)親子で参加することで、自然に国際理解教育を身近なものとすることができる。また家族で関わるきっかけになる

(3)子育て中の親子だけでなく、子育てが終わったシニア層や地域のボランティアや学生、一般市民など世代や国籍を超えた交流空間を作る

(4)青年海外協力隊OBの交流の場

(5)いつでも協力隊OBに会える場

 毎回テーマを決めそれにあった遊びや話をしています。でも基本は子供を遊ばせながらざっくばらんなフリートーク。
参加者主体の進行を心がけています。
参加者は平均10人前後で、今までに日本、ロシア、中国、韓国、フィリピン、ジャマイカ、南アフリカ、カナダ国籍の方が、また独身男性も学生さんも遊びにきてくれました。

 サロンには協力隊OBも出入りしているので、各国の生活事情はもちろん子育て事情も情報交換できます。
OB以外にもいろんな特技を隠し持った人がいて、カミングアウトを兼ねつつ交流の一役となっています。
こんなラフな楽な場が、結構温かかったりするものです。自然と同じ志の人が集ってくるものなのですね。
いろいろ課題はありますが、まずはこの場を守っていこうと思っています。

【画像】「子育て国際協力!!の写真」【画像】「子育て国際協力!!の写真」【画像】「子育て国際協力!!の写真」【画像】「子育て国際協力!!の写真」