小さな力が集まり、大きな力へ

愛知国際放送RADIO-iパーソナリティ
須藤理弓さんインタビュー

 4月より愛知国際放送(RADIO-i)週末番組「ウィークエンド・アイ(Weekend-i)」にて放送中のJICAワールド・ネットワーク。毎週さわやかな声でこの番組を届けてくださるパーソナリティーの須藤理弓さんにお話を聞きました。

【番組で協力隊の経験談を聞いて】

●4月から始まったJICAワールド・ネットワークですが、これまで青年海外協力隊員のさまざまな経験談を聞いて、どのような感想を持たれましたか。春の募集説明会にも飛び入りで参加していただきましたが。

「JICAについては以前から知っていましたが、協力隊についてはよく知らず、とっても大変な活動をしにいく、という印象でした。自分の命を投げ出す覚悟がないといけないものだと。実際に参加された方は、『このままでいいのかな』というもやもやっとした気持ちがあって、何となく応募した、とか、すごくリアルなお話がきけるんですよね。国際協力というと、有名人が途上国に行く様子をよくテレビで見ますが、自分たちと変わらない普通の人達がそういう活動をするまでの話って、すごく面白いし、なかなか聞く機会がないですよね。リスナーの方からも『JICAの番組はすごく勉強になります』とか『楽しみにしています』という声が寄せられています。ボランティアなんですが、生活費もちゃんともらえるんですよね。私はインターンシップ等と同じで、逆にお金がかかると思っていたんです。こんな経験がただでできるの、とむしろ驚きでした(笑)。番組を通して国際協力のリアリティや意義を伝えていけたら、と思います」

●須藤さんは番組で英語を使われたりしていますが、海外とのつながりを教えていただけますか。

「語学留学で合計3年ほど、オーストラリアとカナダに行っていました。最初の留学先オーストラリアでは、ブリスベンのすごく田舎の町で、ホームステイをしながら語学学校に通ってとてもいい経験でした。それまでは外国の方とすれ違っただけで、緊張していたんですが(笑)。世界中の人とコミュニケーションができる語学学校では、タイや中国など様々な国の方と、片言でも英語をならべて会話したりして。とても楽しかったですね」

●「国際協力」というと、どんなことを思い浮かべますか?

「小さい頃ガールスカウトに入っていたので、国際協力のための募金をやったことがあります。そこで学んだのは『人類みな兄弟』という考え方ですね。日本人と差別なく外国人と接すること、国境を越えて仲良くしていこう、という。募金も一人一人の小さな努力が集まって、大きくなるんですね。困っていたら助けるのは当然のことだから、恥ずかしくても伝えていくのが大事だということを学びました。万博(2005年の愛・地球博)の時、私はコモン5のステージでアフリカ大陸からやってきたアーティストのパフォーマンスショーやフィナーレのMCをさせて頂きました。その時に南アフリカ、ベナンなどの国の人達と一緒に仕事をしたんですね。それぞれのお国柄があって、みんな同じ感覚じゃないんだなあ、と世界の広さを感じました。ステージの時間に遅れたりするっていう、時間の感覚が違ったりするんですけど(笑)、みんなで仲良くなり、楽しい経験でした」

【日常的に実践できるエコのアイディア】

●最近、環境問題への意識が高まっていますよね。7月には北海道・洞爺湖でサミットも開かれ、環境問題が議題の一つとなっています。須藤さんは日常生活で、環境にやさしいことをされていますか?

「環境については…そんな大それたことは言えませんが、最近、私もエコの番組をやっているんですよ。そこで日常に取り入れられる簡単なエコのアイディアを紹介しています。例えば家のシャワーヘッドを(節水用のものに)代えたり、お弁当のおかずをアルミホイルに入れる代わりに、小さいプラスチック容器をいくつか入れるとか。それでごみを減らせるんです。あと、ティッシュの節約法もあります。箱ティッシュの中身を全部出して二等分に切るんです。それを箱に戻して、上部にふたつ穴をあけて二箇所から取り出して使うんですよ(笑)」

●それはかなりの節約ですね(笑)!

「ちょっとした努力ですね。あとは買物時にエコバッグを使うようにしています。エコバッグといっても、そのために買ったものではなく、服や靴を買ったときにもらえる、割としっかりとした袋とかを使うんですけど」

【来年度オープンするJICA中部の新センターに期待すること】

●来年春、JICA中部がささしまに移転し、新センターがオープンします。そこでは途上国の抱える課題や、地球規模の問題がわかる展示スペースや、エスニック料理が食べられるレストラン、途上国のグッズが揃った買い物ゾーン、市民のみなさんが気軽に参加できるイベントなど盛りだくさんの企画を用意しています。

「おもしろい施設になりそうですね。イベントとか、みんな興味があるんじゃないでしょうか。万博でも赤十字のパビリオンとか、すごく人気がありましたし。JICA中部も、みんなにそういう施設がささしまにできる、ということを知ってもらうことが大切ですよね。万博でもどのパビリオンがいいか、という情報は口コミでひろがっていきましたから」

●須藤さんは新JICA中部に何を期待しますか?

「映画上映会とか、いいですね。普段あまり見る機会のないドキュメンタリーの上映とか。厳しい現実を突きつける内容でも、目をつぶらずに現実を見つめてみんなで考えることが大事だと思います。「リセットできない現実」というものがある、ということを理解するというか。特にゲーム世代の子どもはそれを知る必要があるんじゃないかな」

●そうですね。厳しい現実を知って考えることで、自分たちに何ができるか考えるきっかけにもなりますしね。

「そうですね。私も万博の赤十字のパビリオンに入場するのに1時間半くらいかかったんですが、長時間待ってでも何度でも足を運びたいパビリオンでした。日によっては数時間の待ち時間があったそうで、かなり人気でしたよ。みんな関心があるんですね。パビリオンの中では、ミスター・チルドレンの曲『タガタメ』にあわせて戦争によって被害を受けた子どもたちの映像などが流れて、それを見ていると何だか涙があふれてくるんですよ。見終わると出口のところの壁にメッセージを書けるスペースがあるんですけど、そこで結構感動的なメッセージを小学生が書いていたりして。最近は凶悪な犯罪が起こったりもするけど、まだまだ優しい気持ちをもっている人がたくさんいるんだということを実感したというか。そういう気持ちを大切にしたいですね。私も将来的には世界に出て(人の役に立つような)何かできたらなぁ、と思っています。まだ何ができるかわからないけど」

●それでは最後に一言お願いします。

「日本にいると、現実の生活でつらかったり、投げ出したくなったりすることは私もあります。気持ちや視点が内向きになってしまうことがありますが、海外に行くと視野が広がるんですよね。逆に、私は海外に出たおかげで日本の良さを理解できたんです。外国へ出て行くと、みんな自分の国にちゃんと誇りを持っている。当時、私はそんなことを思ってもみなかったので、彼らに『日本のいいところは何?』と聞かれて答えられずにとても恥ずかしい思いをしました。それで自分の国のことをもっと知ろうと思い、勉強し始めたんです。オーストラリアでは日本に興味を持っている人が沢山いるんです。ちゃんこなべの早食い競争とか(笑)、日本の文化に関するイベントを自分たちでやっていて。それを見て自分の国にはいいところが沢山あるんだ、と気付いたんですよ。海外へ出てみて、初めて分かることってたくさんあるんですよね。(JICAワールド・ネットワークで出演した)協力隊のOBさんが国際協力について、『こちらが「助けてあげる」というつもりで行ってはいけない』と言っていたのが印象的でした。国際協力とは困っている人を助けるのではなく、みんなで試行錯誤しながら力を合わせて問題を解決していくという活動、というか。『協力』というよりも、むしろ自分のためにやる、という意味合いもある気がするんです。(JICAのパンフレットを見て)『世界が変わる、私が変わる』っていうのはほんとにそうだと思います」

●どうもありがとうございました。

【画像】

須藤理弓さん