【5月号】「若者よスマホを捨て荒野を目指せ」

【写真】吉松 隆夫(よしまつ たかお)教授 福岡県出身 三重県津市在住三重大学大学院・生物資源学研究科
吉松 隆夫(よしまつ たかお)教授 福岡県出身 三重県津市在住

■写真:
吉松隆夫教授(左)JICAの草の根支援事業で
フィジーの南太平洋大学のジョエリ先生と

今回は三重大学大学院・生物資源学研究科の吉松教授にお話を伺います。
(聞き手:JICA中部 市民参加協力課)

はじめに、自己紹介と現在研究なさっている分野等について教えてください。

私の専門は水産増養殖、特に養殖用の飼料や海産魚介類の種苗生産に用られる初期餌料生物(プランクトンです)の培養と利用に関する研究ですが、最近は海洋生物でも大きな問題になっている気候変動の問題などについても研究を行っています。

国際協力に関心を持ったきっかけ、またこれまでのご経験についてお聞かせください。

JICA草の根技術協力事業の関係者と

昔の話になりますが、大学卒業後に青年海外協力隊に参加し数年間を西アフリカのリベリアで過ごしました。大学の時ワンダーフォーゲル部に所属していた影響で野外での放浪生活にあこがれ、ただひたすらアフリカ、アフリカとうわ言のように言っていた時期があったので、必然的に協力隊の道を選んだという感じです。今は大学で働いていま
すが、昔取った杵柄で国際協力や海外の研究者との交流にも積極的に取り組んでいます。昨年の夏までJICAの草の根技術協力事業として南太平洋のフィジーの離島を舞台に、農林水産資源を活用して伝統的な生活を持続的に発展させる取り組みを住民の方たちとともに行ってきました。

吉松教授がモットーとされている国際協力に対する考えや姿勢などがあれば教えてください。

フィリピンパナイ島エスタンシア市の魚市場の楽しい魚売り

私自身はもっと皮膚感覚的な個人的な思い入れで動いている部分が大きいんですが、少し打算的ですが、日本のことわざに「情けは人の為ならず」というのがありますよね。自分が困ったときに、まわりまわっていずれは自分も助けられるという意味と思います
が、それに近い感覚がありますよね。とにかくこんな取るに足らない自分の助けでも必要としている人がいれば、目先のことを考えずに駆けつければいいんじゃないでしょうか?孫かひ孫ぐらいがそれで逆に助けてもらえるかも知れませんよね。

市民の皆さんへのメッセージをお願いします。

インドネシアのインターンシップ生たちと三重大学の練習船勢水丸の前で

私は大学の教員をしているので市民の皆さんというより、若い大学の学生さんへのメッセージとしたいと思います。最近の学生さんはさまざまな面で満たされているので日本での生活に満足して、逆に外国に対する興味や関心が薄れている傾向が強いと思います。私の教えている大学でも海外からの留学生数は順調に増えていますが、海外に留学
しようとする日本人の学生数は伸び悩んでおり、頭を抱えているところです。若い時期に海外で生活することの意義や重要さは、私自身が嫌というほど身をもって体験したところですので、さまざまな機会を使って学生さんにそのような話をしています。若いうちの体験というのは、分別が付いてからの物とは次元の違う別物で、後でその重要さが徐々にわかってくるものと思います。今は昔と違ってさまざまな留学やインターンシップの制度が充実しているのでそれらを活用してどんどん海外に出て行っていろいろな事を体験して学び、スマートフォンやSNSの繋がらない所に行ってさまざまな物の価値を再発見して欲しいですね。