【8月号】「ケニアと日本をつなぐビジネス大使に」

【写真】Kataka Joseph(ジョー)さん ケニア国出身、愛知県名古屋市在住JICA長期研修員
Kataka Joseph(ジョー)さん ケニア国出身、愛知県名古屋市在住

■写真:ジョーさん(左)
おとうふ工房いしかわでのサマーインターンシップにて

今回はJICAの長期研修員として、名古屋大学大学院国際開発研究科の修士課程に留学中のKataka Josephさんにお話を伺います。
(聞き手:JICA中部 市民参加協力課)

まずは自己紹介と、ジョーさんの出身国ケニアについて教えてください。

明治村へのゼミ旅行

私はケニアからの留学生です。ABEイニシアティブ*というプログラムの下、2014年9月から名古屋大学の修士課程(国際開発専攻)で、経済開発政策と管理について学んでいます。この留学を決めたのは、日本政府がアフリカの若者のビジネススキルアップを支援したいと表明したということ自体に、さらにはこのプログラムでは企業へのインターンが予定されており、ケニアへのビジネス進出を考えている日本の企業と繋がる機会となるということ、その2点に惹かれたからです。このプログラムが特にユニークなのは、アフリカでのビジネスに関心があっても情報がなくてためらっている企業に対して、ケニア経済環境を知ってもらう第一歩となりうる点だと思います。

ケニアは、54か国からなるアフリカの東に位置し、東部・中部アフリカへの投資の玄関口となる立地条件にあります。経済は順調に成長していて、年間6〜7%の成長率が予想されています。また大陸の中でも優秀な人材を有する国の一つですので、経済の多様な分野における投資先としての魅力を有しています。


*ABEイニシアティブ:「アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(African Business Education Initiative for the Youth)」。2013年6月に開催された第5回アフリカ開発会議(TICAD V)で、官民一体となってアフリカにおける強固で持続可能な経済成長を支援する政策の一つ。このプログラムでは、アフリカ諸国にて産業開発を担う優秀な若手人材を外国人留学生として5年間で1000人、日本へ受入れ、日本の大学や大学院での修士課程教育と、日本企業へのインターンシップの機会を提供する。プログラムを通じて、アフリカにおける産業開発に資する日本とアフリカの間での人脈が形成され、日本企業がアフリカにおいて経済活動を進める際の水先案内人として活躍することが期待される。

大学院での研究のテーマと、ケニアに帰国後の展望を聞かせてください。

東京で開催されたABEイニシアティブ研修員のワークショップにて(右)

日本では、国際開発について勉強しています。ラテンアメリカ、アフリカ、ヨーロッパ、アジアといった世界各地からの留学生と一緒に学ぶことで得るものがたくさんありますし、優秀な講師陣による指導も素晴らしいです。世界的な開発に関する潮流や他の国の経験などを知ることで、同じような課題に向かっているアフリカ大陸、さらにはケニアの展望が見えてきます。
大学院での勉強を修了したら、日本の地元企業でのインターンシップを希望しています。トヨタ自動車の海外進出成功例に代表される、世界から賞賛される日本式ビジネスについて理解を深めたいと思っています。インターンシップを通じて獲得した実用的なスキルや企業とのネットワークによって、日本とケニアのビジネス界を繋ぐ大使的な役割を果たせるようになることを期待しています。

来日されてもうすぐ2年ですね。日本と日本人の印象はどうですか?

長野県駒ヶ根で餅つき体験

正直に告白します。日本語を話せるようになる、という自分の目標はまだ達成できていません。学業で多忙ではありますが、でもまだ諦めてはいません。
外国人として日本を見た時に最初に気づくのは、日本人の時間に対する意識の高さです。ビジネスの場、交通システム、親しい友人・同僚との集まりなど生活のあらゆる場面で重視される文化的な価値のようです。私も次第にこの時間感覚に馴染んで尊重するようになってきましたが、たまに窮屈さを感じることもあります。特に社会的な集まりではケニアではもっとリラックスした雰囲気なので。
また、日本人の、お互いに尊重し合う関係が非常に興味深いです。お互いへの、特に年長者に対するおもいやりと敬意というのは、敬語を有する日本語を使用していることにも関係しているのかもしれませんね。ビジネスネットワークがうまくいくのにも、この相手に敬意を持って相対するという文化が背景にあるのだと感じています。

最後になりますが、日本の人たちへのメッセージをお願いします。

愛知ヤクルト工場にて

まず留学の機会を与えてくれた日本政府と日本の国民に感謝を伝えたいです。そして、日本の全てのビジネスマン、ビジネスウーマンがケニアに訪れることを歓迎します。特に首都ナイロビで第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)が開催される8月末に是非お越しください。日本の企業に、私の国ケニア、そしてアフリカ全体の経済成長とパートナーシップの展望をお見せできるはずです。
より気軽には、機会があればどんどん海外旅行に出るように日本人のみなさんにお勧めしたいです。文化体験が視野を広げてくれますし、また日本独自の文化・美味しい日本食を他の国々に(特にケニアに)紹介する機会にもなると思います。ですのでこう申し上げます、Karibu Kenya(ケニアにようこそ)!