【9月号】「アジアの国々から『ごみ山』をなくす」

【写真】奥村雄介(おくむら ゆうすけ)さん 愛知県春日井市出身、愛知県長久手市在住興亜商事株式会社 代表取締役
奥村雄介(おくむら ゆうすけ)さん 愛知県春日井市出身、愛知県長久手市在住

■写真:奥村 雄介さん(右から2番目)
スバイリエン市長、副市長らと一緒に

今回は興亜商事株式会社 代表取締役の奥村 雄介さんにお話を伺います。
(聞き手:JICA中部 市民参加協力課)

はじめに、自己紹介をお願いします。

今から約10年前、代表の父親の病気がきっかけで、大学卒業後入社した名古屋の大手会計事務所を退職し、興亜商事へ入社しました。当時、大泣きしながら辞めることを相談する私を見て、大好きな鬼上司も涙を流しながらくれたアドバイスは今でも大切にしています。興亜商事は主に再生資源や廃棄物の回収および中間処理を愛知県内でしています。現在日本法人2社、カンボジア法人1社の代表を務めています。

海外進出の動機や国際協力に関心を持ったきっかけについてお聞かせください。

スバイリエン市のごみ山とウェストピッカー
※ウェストピッカー:廃棄物の処分場などで有価物を収集する人々のこと

海外での視察で初めて「ごみ山」とそこで働く人々、特に子供たちの惨状を目にした際、再生資源および廃棄物に関わる事業者として「是が非でもごみ山問題を解決しなければならない」という使命感に似た気持ちが生まれました。ただ当社は「微力」です。困っているすべての国を解決できるわけではないので、当社が持つ再資源化技術と処理の仕組みを定着させられる国はどこなのか?微力な当社が最初に協力できる国はどこなのか?その国を探すためにアジア各国を飛び回りました。そこで出会ったのがカンボジアのベトナム国境沿いのスバイリエン市でした。
当社はJICAの「中小企業連携促進基礎調査」という制度に「廃棄物中間処理技術の普及及び再資源化に向けた調査事業」を提案し、2015年6月に採択して頂き、現在間もなく調査を終えようとしています。初めてカンボジアに訪れてから約2年半という時間が過ぎました。

奥村様がモットーとされている国際協力に対する考えや姿勢などがあれば教えてください。

最終処分業者スタッフへの環境教育

歩き始めたのは最初一人でした。廃棄物業界は日本でも古い慣習があり、難しい業界と言われています。海外も一緒です。そのため、私を心配してくれる多くの先輩から「カンボジアでは無理だ」「やめとけ」というアドバイスを頂きました。実際に現地ならではの苦労も相当あります。ただ、前に進む以外に道はないので、目的に向かって進めていくと、不思議なことに一人、二人と理解者が増えてきて、周りも変わりだしました。そして、今、私たちの夢の一部が実現しはじめています。微力な私たちでも「社会のために世界を変えることができる。微力だけど無力ではない」ということが実感できております。この変化は私たちの支えになっています。もちろんこれからですが。

市民の皆さんへのメッセージをお願いします。

カンボジアの環境大臣との協議

恥ずかしながら私は経営者として自分の実力が足りないために、これまで多くの人が去り、失敗も積み重ねてきました。今でも自分が原因で物事が上手くいかないことが多くあり、日々研鑽を積んでおります。そんな中、ある先輩経営者から頂いたアドバイスが私を救ってくれました。それは「自分がどうしたいかより、縁があって出会った人に導かれることを優先すること。その人たちのために全力で実践すること」でした。この価値観を持ち始めてから物事が少しずつ上手くいくようになっていきました。
引き続き、「アジアの国々からごみ山を無くす」という私たちの夢の実現に向けて、まずは大好きなカンボジアのごみ山を無くすため、全力で実践していきたいと考えております。