【1月号】「途上国に伝えたい日本人のごみ処理」

【写真】和喜田 恵介さん 大阪府河内長野市出身、愛知県半田市在住特定非営利活動法人中部リサイクル運動市民の会
和喜田 恵介さん 大阪府河内長野市出身、愛知県半田市在住

■写真:和喜田 恵介さん(右)
ジャマイカで名古屋のごみ減量について話す

今回は特定非営利活動法人 中部リサイクル運動市民の会
副代表理事・事務局長 和喜田 恵介さんにお話を伺います。
(聞き手:JICA中部 市民参加協力課)

はじめに、自己紹介および現在の活動内容等について教えてください。

リユース&リサイクルステーション

名古屋市内にあるRe☆ショップの外観

もともとは大阪で生まれ育ったのですが、仕事として環境問題に携わりたいと思い、大学卒業の少し前に、名古屋を中心に活動している「中部リサイクル運動市民の会」のスタッフになりました。今は、まだ使える不用品をリユースしたり、資源ごみをリサイクルしたりするための仕組みの運営を中心に活動しています。現在、名古屋市周辺に「リユース&リサイクルステーション」(スーパーの駐車場等で定期的に不用品や資源ごみを回収する拠点)が40ヶ所、「Re☆ショップ」(まだ使える不用品を販売し、その収益を環境活動等に還元するチャリティーショップ)が4店舗あります。
私たちのリユースとリサイクルの仕組みの特徴は、行政、企業、市民ボランティアなど、地域のさまざまな立場の皆さんの協力を得て運営されていることです。それぞれがお互いの得意分野で協力し合うことで、少ない予算でも非常に大きな効果を生み出すことができています。

国際協力に関心を持ったきっかけ、またこれまでのご経験についてお聞かせください。

外国語系の大学に行っていたこともありますし、また、妻がNGO業界で働いていることもあり、国際協力には関心を持ち続けていました。3年ほど前から、私たちの団体はJICA中部が実施する研修員受入事業における廃棄物管理研修の運営業務を受託しており、その中で「ごみ非常事態宣言」を乗り越えた名古屋と途上国のごみ処理の違いの大きさに驚くことが多く、何か協力できることはないかと考えるようになりました。

和喜田さんがモットーとされている国際協力に対する考えや姿勢などがあれば教えてください。

日本と途上国では財政や自然環境等が異なるため、日本のごみ処理手法をそのまま途上国に当てはめることはできません。例えば、日本ではごみは焼却するのが当たり前ですが、多くの途上国では焼却炉を持っていませんし、焼却炉を買って運用するための財政的な余裕もありません。
そのため、私たちがコーディネートする研修では、日本のごみ処理の歴史と経験をそのまま持ち帰るのではなく、自国で応用できる部分、反面教師にする部分等を見つけていただき、それぞれの国に合ったごみ処理手法を創り上げていただくことを目標にしています。カリキュラムを組む上でも、日本のハイテク技術ばかりでなく途上国でも実践可能なローテク技術を紹介したり、産業廃棄物の不法投棄事件のような負の歴史も伝えるように心がけています。

市民の皆さんへのメッセージをお願いします。

Re☆ショップの店内

廃棄物管理研修に参加した研修生が口を揃えるのは、日本人の分別マナーや協力姿勢の素晴らしさです。皆さんが家庭でごみをきちんと分けることや、地域のごみステーションの管理や集団回収に協力することは、途上国に伝えるべき日本の文化なのかもしれませんね。