【8月号】「 20年間でNGO活動がここまで広がった!」

【写真】後藤 順久さん 兵庫県神戸市出身 愛知県半田市在住特定非営利活動法人イカオ・アコ 理事長
後藤 順久さん 兵庫県神戸市出身 愛知県半田市在住

■後藤 順久さん(マングローブ祭りで優秀なグループを表彰:右から3人目)

今回は特定非営利活動法人イカオ・アコ理事長の後藤順久さんにお話を伺います。
(聞き手:JICA中部 市民参加協力課)

はじめに、自己紹介および現在の活動内容等について教えてください。

ここ10年間の活動領域

大学院を修了後、シンクタンクにて環境問題に関わる調査研究を行ってきました。その後、日本福祉大学教員として赴任し、環境に貢献する人材の輩出に腐心しています。
現在はイカオ・アコの理事長として、団体の運営、企画、折衝などを行っています。その功績が称えられ、フィリピン・バラリン村で外国人初の名誉村民に選出されました。
ここ10年の活動を見ると、フィリピンにおいてマングローブの植林だけでなく、山地での植林、水源地保全、環境教育、エコツーリズム、フェアトレード、養豚や有機農業、ごみの減量化、Cafeミドリと研修センターの運営など、環境保全を軸としながら住民の生計向上支援、青少年育成など活動の幅が広がってきています。

国際協力に関心を持ったきっかけ、またこれまでのご経験についてお聞かせください。

住民たちとマングローブの植林

戦後フィリピンに取り残された残留日本人の支援と戦友の慰霊碑の建設を行っていた、元陸軍将校の方が、地元のフィリピン人のためにもなる活動がしたいと私に声をかけ、日本人・フィリピン人の両方に利益のある環境活動(主にマングローブの植林)を始めることになりました。植林活動を通して、日本人とフィリピン人の友好を深め、友情と共に苗木を育てていくというのがイカオ・アコのモットーです。
1997年、西ネグロス州シライ市で始めたマングローブの植林活動は、ネグロス島の各地やボホール島に広がりを見せています。現在までに、累計130万本の植林を行いました。当初はマングローブ植林ツアーを企画・実施することが中心的な活動でしたが、2007年にJICA草の根技術協力事業を始めたことで活動の幅が広がってきました。

日本水大賞を受賞されましたが、どのような賞か教えてください。

2010年バリグワン地区の状況

2017年バリグワン地区の様子

日本水大賞は、国土交通省と日本水大賞委員会が主催する年1回の顕彰イベントになります。今回は第19回目となります。地球全体を視野に入れて、水循環の健全化を目指し、美しい水が紡ぎ出す自然の豊かさを持つ社会の実現に寄与することを目的としています。イカオ・アコはお陰様で日本水大賞の国際貢献賞を受賞しました。活動の範囲や効果が国際的であり、人・文化・技術の日本との交流を実現できたことが受賞ポイントと判断しています。
JICA草の根技術協力事業の3年間とその後の3年間、イカオ・アコが植林活動を行ってきたパタグ村バリグワン地区は、700mの高地に位置し、白菜や大根などの高原野菜を栽培する農業に適した土地ですが、灌漑設備がないため野菜の栽培を行うことができませんでした。村民は保全地域の森を違法に伐採し、炭焼きで生計を立てていました。電力・燃料を使わないで、川の水流を動力とするランポンプを採用し、水入手が困難である、高低差80mの地区まで灌漑用水、生活用水を揚水できるシステムを建設しました。これにより有機農業を行い、住民の生計を向上することができます。また水源を守る植林の継続により、森林を保全することも可能となります。

市民の方へのメッセージをお願いします。

海外におけるイカオ・アコの地域振興の体験が、長野県辰野町川島地区の村おこしに役立っています。役場、コミュニティとともにアイデアを取りまとめ、地域整備ビジョンの取りまとめ、花街道整備の実践、13名の児童の小学校の活動支援、移住定住構想の支援などを行っています。フィリピンで実践していた技術を日本に還流できることに喜びを感じています。
情報発信ツール(ホームページ、ブログ、メールマガジン、Facebookページ )を持っており、市民により親しみやすい内容を盛り込みますので、今後ともご支援をお願いします。