【12月号】「国際協力における成果とプロセス−カンボジア幼児教育事業」

【写真】萩原 宏子さん 滋賀県草津市出身 カンボジア王国バッタンバン州バッタンバン市在住公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会
萩原 宏子さん 滋賀県草津市出身 カンボジア王国バッタンバン州バッタンバン市在住

■写真:萩原 宏子さん
(対象幼稚園関係者との事業実施合意書取り交わし:写真前列右から2人目)

今回は、公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会 萩原宏子さんにお話を伺います。
(聞き手:JICA中部 市民参加協力課)

はじめに、自己紹介および貴会の活動、担当されている事業について教えてください。

はじめまして。公益社団法人 シャンティ国際ボランティア協会の萩原宏子です。シャンティはアジアで教育・文化支援に取り組むNGOで、私自身はカンボジアで幼児教育事業を担当しています。

萩原さんご自身が国際協力に関心を持ったきっかけ、またこれまでのご経験についてお聞かせください。

幼稚園でのおはなし読み聞かせ

国際協力を将来の仕事にしようと決めたのは、大学時代にNGOのインターンとしてイラン国内のアフガン難民支援に関わったときです。当時の自分にできることは限られていて歯がゆい思いもしましたが、現地の人と近いところで、少しずつできることを積み重ねていく仕事がしたいと思いました。その後、民間企業勤務を経てシャンティに入職しました。

貴会で草の根技術協力事業として実施中の、カンボジアの公立幼稚園における幼児教育・保育の質の改善事業についてお聞かせください。

体に合わない机いすを使う子ども

公立幼稚園42か所で、おはなしの推進や教室環境の改善、幼児教育の重要性の啓発などを通じた幼児教育の質の改善を目指しています。実施に当たっては日本の保育士の方からアドバイスをいただいています。
カンボジアの幼稚園はほとんどが小学校の空き教室を使用したもので、高さの合わないいすに座った子どもたちが退屈そうに先生の話を聞いているのをよく見かけます。幼稚園の先生も不足しており、小学校の先生がどうしたらいいかわからないまま教えているケースも多々あります。こうした状況を少しでも改善できればと思っています。

活動中、印象に残ったこと等あればお聞かせください。

教室環境改善後の様子

特に印象に残っているのは「子どもたちは今の教室が大好きで、『なんで週末は幼稚園に行けないの?』って聞くのよ」と先生が話してくれたことです。この事業ではおはなしや教室環境作りの研修を行っているのですが、先生が学んだことをきちんと実践し、子どもにたちにとって幼稚園が「楽しい」場所になったのだとうれしく思いました。

萩原さんが大切にされている国際協力に対する考えや姿勢などがあれば教えてください。

成果を出すこととプロセスを大切にすることです。国際協力の文脈で成果とは、現地の人にとってのプラスの変化を生み出すことだと思うので、そこにつながるよう考え続け、良い事業をしたいです。また、適切なプロセスを踏まない事業は現地に残らないと思うので、一つずつ話し合い、合意して進めていく過程を大切にしたいと思っています。

最後に市民の皆様へメッセージをお願いします。

この仕事をしていると、自分がこれまで受けてきた教育や支援が当たり前のものではなく、いろいろな人の努力に支えられたものだということに気づかされます。自分を育ててくれた人や環境、制度。自分が直接知らない人も含め、自分を守って育ててくれた方、今もそうした仕事をされている方に「ありがとう」と言いたいです。