地球のステージ主宰
桑山紀彦さん
岐阜県出身で、現在山形県で勤務医をしている桑山紀彦さんは、昔から放浪の旅を繰り返し、学生時代から沢山の国を訪問しました。その頃はさまざまなことにコンプレックスを抱いて過ごしたという桑山さん。何かを求めて海外をバックパッカーとなって回る中、訪れたフィリピンで、崩れた堤防の穴の中に住むロエナスという少女と出会います。彼女を通じたフィリピンの人々とのふれあいの中で、ボランティアの本当の意味に目覚めた桑山さんは、医者になったあとも、NGOなどで途上国を現場とした医療支援に取り組みます。
そして、多くの海外の現場に足を踏み入れ、たくさんの出会いを重ねながら、「世界の現状を日本の人々に伝えたい!」との思いが募っていったという桑山さん。音楽が好きで、「とりためた映像を使って、コンサートのような報告会をやろう!」。これが後に「地球のステージ」の原型となりました。
こうして地球のステージは、1996年1月に始まりました。1989年よりタイ−カンボジア国境の難民キャンプを皮切りに、湾岸戦争後のイラク、ソマリア、旧ユーゴスラビア、カンボジア、東ティモールなど56カ国を巡りそのいくつかで医療支援活動を続けてきた桑山さんが、世界の紛争・災害地で出会った様々な人々や出来事を「オリジナルの音楽と映像」で歌い伝えます。プロの音響技術者や映像担当が秒単位のシンクロを形作ってきたクオリティの高いその演出は、口コミで広がり続け、今や公演回数は年間260回を超え、通算2,000回に迫るまでとなっています。
現在は、医師をしながら、NGO活動で途上国医療支援を行い、全国を飛び回ってステージをこなしながら、家庭に戻れば二児のパパ。こんなスーパーマンのような超人の素顔はとっても柔らかい気さくなお兄さん風。そのギャップがたまりません。
「地球のステージ」とJICA中部とのコラボレーションは、3年前、岐阜県出身の桑山さんと、JICA中部連携促進チーム(当時、現在は市民参加協力課)が「中部地域で国際協力への理解を広めたい!」という熱い気持ちを共有した頃から始まりました。そして昨年、共同制作した「地球のステージJICA版」は、名古屋・栄での公演を皮切りに全国で展開し、大好評でした。そして今年は、TICADIV(第4回アフリカ開発会議)で大きな注目を集めているアフリカにおける国際協力の現場を伝えるべく、JICA中部はこの「地球のステージJICAアフリカ版」をプロデュースしました。JICA版で登場したガーナのJICAボランティアに加え、JICAアフリカ版ではケニア、ルワンダで活躍する専門家やJICA職員も登場します。普段はなかなか見ることのできない、アフリカの国際協力の現場で活動する人々の姿を、感動的な音楽と共にお伝えするこのステージ、ぜひお見逃しなく!!
今年はケニア、ルワンダに入り、そこで生の国際協力現場に触れ、一緒に活動しながら得られた知見とともに「JICAアフリカ版」を制作しました。JICAの行っている国際協力に触れるにつけ、「国際協力は文化だ」と思います。「見て見ぬふりしない気持ち」それが、国際協力の基本だと思うからです。JICAを中心に、この文化としての「国際協力マインド」が、日本や世界へ拡がったら、それは素敵なことだと思います。JICAアフリカ版はアフリカへの想いがつまった、そして国際協力の現場をリアルに伝える作品になっていますので、是非ご覧下さい! では、ステージで待っています。
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桑山さんの最新作『地球のステージ JICAアフリカ版』は、10月4日(土)に東京で行われた「グローバル・フェスタJAPAN2008」で初演されました。ここ中部地域では、10月25日(土)18時より名古屋市栄・オアシス21で行われる「ワールド・コラボ・フェスタ2008」にて上演されます!ステージ終了後は、ステージ中に登場する隊員をゲストに、桑山さんを交えたトークショーも企画しています。
オアシス21が地球のステージになる秋の夜長をお楽しみください!(入場料無料)
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JICA本部のプレビュー会場にて
プレビュー後のJICA職員との対談
「中部の元気を世界に!」桑山さんとJICA中部友成課長