【8月号】「 子どもたちを世界へはばたく人財へ」

【写真】近藤 勝士さん津島市立東小学校 教員
近藤 勝士さん

■写真:近藤 勝士さん

7月、8月の2ヶ月間、「小中学校社会体験型教員研修」としてJICA中部に津島市立東小学校教員の近藤先生が来られています。近藤先生は教師海外研修や開発教育指導者研修を受講されており、学校・地域ぐるみで国際理解教育に取り組んでくださっている、中部地域における国際理解教育の牽引者の一人です。
今回は、近藤先生に開発教育に興味を持ったきっかけなどについてお話を伺います。
(聞き手:JICA中部 連携推進課)

はじめに自己紹介をお願いします。

エチオピアのコーヒーセレモニーの様子

はじめまして!津島市立東小学校の教員の近藤勝士と申します。3年前の教師海外研修で東アフリカのエチオピアに行かせていただきました。そこで得た経験や開発教育指導者研修で学んだことをもとに、現在まで、毎年学校現場で実践をさせていただいています。今回は、私が研修に参加したきっかけや動機、その後実践した内容などを紹介したいと思います。よろしくお願いします!

開発教育・国際理解教育に興味をもったきっかけを教えてください

2016年2月の開発教育・国際理解教育 実践報告フォーラムに参加させていただきました。教師海外研修でラオスに渡航された職場の先輩からの誘いをうけての参加でした。当時、中学校に勤務していた私は、担当していた数学の授業を通して、とにかく子どもたちに高い学力・思考力を身に付けてもらいたい!そのために、どう教えるべきか?何を投げかけると、知的好奇心を喚起していけるか?ということばかりを追求していました。フォーラムに参加したのも、そのためのヒントを得たい!と思っていたくらいでした。しかし、フォーラム参加後、徐々に違う思いが湧いてきました。そして、次年度に開発教育指導者研修・教師海外研修に参加させていただき、研修のファシリテーターであるNIEDの伊沢令子さん(れいちぇる)や参加者の先生方と接するうちに、開発教育・国際理解教育の大きな可能性と魅力に気づき始めました。

実際に教師海外研修に参加してみて、いかがでしたか?

エチオピアの道路の風景

エチオピアの主食インジェラ

エチオピアへ行き、途上国の様子を実際に見たことは、本当に大きな経験(財産)となりました。途上国である一方で、高度経済成長期の日本のようなエネルギーを感じるエチオピア。現地の専門家や協力隊の方々に話を聞いたり、現地の人々と交流したりする中で、日本との類似点や相違点に気づきました。また、エチオピアの主食であるインジェラ(テフ粉を水で溶かして発酵させたものをクレープ状にしたもの)をどうしても進んで食べることができず、文化の違いを感じたという実体験もしました。そして何より、一緒にエチオピアに行った仲間とつながり、様々な視点や考え方に触れ、刺激を受けたことが大きかったです。ここで見たこと経験したことを題材に子どもたちに授業をしたい!と強く思いました。

教育の現場でどのように実践されていますか?

日本との似てるとこは?違いは?

当時、担当していた中学校2年生に総合的な学習の時間を通して、『肯定的に出会う⇒同一性を見つける⇒多様性を認める⇒課題を見つける⇒原因を探る⇒何ができるかを考える』という流れを意識した、授業を実践しました。『肯定的に出会う』では、エチオピアクイズを通して、楽しく異国のことを知ってもらい、『原因をさぐる』では、派生図を使った参加型のワークショップを使って考えてもらうなど、研修での学びを生かして実践していきました。その後も、世界幸福度調査を題材に、数学の授業を通して、参加型の授業を行ったり、小学校転勤後もSDGsを知ってもらい、クイズを通して異国と出会ってもらう授業を行ったりするなど、開発教育・国際理解教育に継続して取り組むようにしています。また、市内の教員に向けての報告会や、地区内で若手教員向けに紹介をさせてもらうことで、開発教育・国際理解教育の広がりを感じています。前任校でも現任校でも、同じように実践する仲間に恵まれているのも心強いです。

これから教師海外研修への参加を考える方々へメッセージをお願いします。

かけがえのない仲間たち

海外旅行の経験は1回しかなく、英語も全く喋ることができない私でも、仲間とともに苦楽を共にし、中身の濃い研修となりました。もちろん、JICA職員の方々含め、周りに支えてくれる方々がいたからです。この研修のすごいところは、1年で終わらず、その後へとつながっていけるところです。開発教育・国際理解教育は、これからの時代を生きていく子どもたちにとって必要な力を育んでいくのに必要不可欠な教育です。教育を通して、今の世界を少しでもよりよい方向へ動かしていくために、ともに子どもたちに投げかけていきましょう。