日本の過疎高齢化問題と南北問題の根源は一緒!

【画像】大西 かおり さん

NPO法人大杉谷自然学校
大西 かおり さん

「ボランティアに参加した経験を、帰国後どう活かすか?」
これはボランティアの社会還元と呼ばれています。さまざまな経験者の方々が、それぞれの場所で、いろいろな取り組みをされています。今月は、地元地域を巻き込んで、過疎問題や教育問題への取り組みをされている、フィリピンOGの大西かおりさんをご紹介します。
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 私は平成7年12月から平成10年9月までフィリピンで青年海外協力隊の理数科教師として活動していました。帰国後は「自分の生まれ故郷に住み、社会に貢献しながら、食べていける仕事をする」ことを目指し、1年半くらい悩み続けた結果「地域で自然学校を作る」ことにしました。

 「自然学校」というものは地域により内容は多様ですが、主に自然や地域、環境などをテーマに環境教育プログラムや自然体験活動を提供しているところです。私が運営しているNPO法人大杉谷自然学校は、地域に残る自然や伝統文化や技術、自然と共生していた頃のライフスタイルを再評価し、地域を生かしたプログラムを提供しています。具体的には子どもたちのキャンプや地域への民泊体験、大人向けのエコツアーや生態系・地域等の調査研究活動です。

 この活動を通じて、今、ぜひ皆さんに知っていただきたいことがあります。それは日本の地域は激変期を迎えているということです。この地域で活動した9年間で大杉谷地域の高齢化率は65.6%、周りは70代80代の方ばかりになってしまいました。日本各地で多くの地域が限界集落に達しています。恐らくあと10数年で消滅してしまう場所が続出しているのです。

 私がフィリピンで活動していた10年前はフィリピンにはお金より大切なものがたくさんありました。例えば家族の絆や地域の助け合い、自然から恵みを得る生活などです。そこには貧しいけれど笑顔が輝く人々の姿があり、懐かしい気持ちがしたものです。そして、帰国し、自分の故郷に戻ったとき、田舎には同じものが残されているなと感じました。地域社会には今の都市にはない素晴らしいものがたくさん残されているのです。

 お金より大切な、自然から恵みを得ていた世代の心を引き継いでいる人々、地域に残る神様に自然に手を合わせてしまう人々、そんな“ネイティブ・ジャパニーズ”とも言える、すごい日本人たちが地域にはまだ住んでいます。ぜひ、今のうちにこの方たちから直接、様々なことを学ぶため日本の地域社会を訪ねてみてください。

 最後に、開発途上国には足りないものばかりがクローズアップされてきたような気がしています。でも、支援が必要な国々には日本の社会が失ってしまったものがたくさん残されています。ぜひ、そんな素晴らしい人との絆や地域社会のありかた、ライフスタイルなどを新JICA中部なごや地球ひろばでクローズアップして、日本より素晴らしいところも見せてください。

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