岐阜県国際交流センター 局長補佐
塚原 雅巳(つかはら まさみ)さん
岐阜県国際交流センター(GIC)職員としてご活躍されています塚原さんにお話をお伺いします。
岐阜県では、平成23年3月末の外国人登録者数が48,747人と県人口の2.3%を占めています。県内外国人登録者数は平成20年11月の57,656人をピークに減少しておりますが、在住外国人の多くは、地域社会の構成員として共に生きていく定住化の傾向が見られます。
GICでは、こうした状況を踏まえ、「国際交流」「国際協力」「多文化共生」を事業の3本柱としつつ、地域で中心的な役割を果たす市町村国際交流協会やNPO等と連携、協働を図りながら、県内在住外国人を、地域社会を構成する「外国籍の県民」として認識し、県民が互いの文化や考え方を尊重するとともに、安心して快適に暮らすことができる地域社会の実現を目指し「多文化共生事業」を重点的に展開しています。
具体的には県内在住外国人登録者数の上位3位を網羅し、中国、ブラジル、フィリピン国籍の相談員をセンターに配置して行政通訳サービスの実施をしています。また、日本語学習の支援を行い、指導ボランティア養成のためのスキルアップ研修等で日本語教室間のネットワークづくりを行っています。その他、外国人の児童生徒の進学や就職支援のため、外国人登録者の割合が高い地域で、NPO法人と連携し、進学・就職ガイダンスや指導者養成も目的としたプレスクールを実施しています。
「ハローギフ・ハローワールド」は、今回で23回目となる歴史のあるイベントです。県内の国際交流・協力団体が取り組む活動を広く県民に紹介し、また、各国文化を様々なパフォーマンス、体験等を通じて紹介し、日本人と外国人の交流を深めるイベントとして開催しています。今年は世界遺産マチュピチュ発見100周年を記念し、ペルーの民族舞踊ラテンフォルクローレの披露もありました。
このイベントにはJICA岐阜県デスクの方にもご協力いただき、JICAブースを出展いただき、クリスマスカードの制作とともにJICA事業を広く県民に紹介してもらいました。
4月から11月までの間、事務所移転と公益財団法人への移行に向けた業務が主となり、多文化共生などの事業にあまり深く関わることができていないのが実情です。私が関わった事業の中で感じていることを申し上げますと、外国人への支援に関して、直接支援した外国人の方にとどまらず、その回りの関係者の方も喜んでいただき、支援開始当初ではなかった、GICの活動への理解、協力、あるいは建設的な意見やアイデアを提案いただけるようになった際に、やりがいを感じました。また、連携・協働のためには、GICの活動を十分に知っていただくことが一番の近道のような気がしました。逆に、難しいと思うことは、どこまで支援を行うか、例えば、かなり私的な面があるような相談について、どこまで踏み込んで行うか、迷う場面が多いです。そうした場合、あれこれ難しいことは考えずに、可能な限り、対応するようには心がけてはいます。
私は岐阜県からの派遣職員です。公務員も限られた人員や財政状況下で、一方、多様化する県民ニーズに応えるため、型にはまった仕事でなく、費用対効果の意識や柔軟な対応が求められており、仕事に取り組む姿勢、方向性はほとんど同じだと思っています。県、市町村、民間団体の方に相談などをする際に、知っている方であると話はしやすいですね。
10月末に岐阜県庁の近くの岐阜県県民ふれあい会館から、岐阜市柳ケ瀬の岐阜中日ビルの2階に移転しました。柳ケ瀬は、JR岐阜駅から徒歩10分の市中心部にあり、美川憲一さんのヒット曲「柳ケ瀬ブルース」でも知られています。今までの事務所は、岐阜市の比較的郊外に位置していましたが、市街地に移転することにより、より広く一般の方々にも利用していただけるように公共交通機関による来訪者の利便性の向上を図るとともに、在住外国人、一般県民、国際関連団体との交流の輪を広げたいと思っています。
公益財団法人の移行については、岐阜県から認可をいただくことが前提ですが、今年4月1日からスタートが切れればと思っています。公益財団法人への移行は、今まで以上に自主、自立的な法人運営が求められています。そのためには、まずは、GICが県民のニーズに応えた取り組みをしていかなければなりません。また、公益性、費用対効果、コスト削減の観点や主体性、独自性、ノウハウの蓄積・向上も一層、重要となってきます。
事務所移転及び公益財団法人への移行は、GICにとって大きな節目だと思っています。職員一同、GICの再スタートとして、多文化共生、国際交流、国際協力の事業に取り組んでいきたいと思います。
ハローギフ・ハローワールド
プレスクール指導者養成講座
医療通訳サポーター研修
日本語教室ネットワーク会議