【8月号】JICA研修員とともに

【写真】鈴木 勝久(すずき かつひさ)さん 愛知県日進市在住IFの会 会長
鈴木 勝久(すずき かつひさ)さん 愛知県日進市在住

【画像】今回は、30年以上にわたりこの地域の国際交流、国際理解を促進するための先導的な役割を果たされ、開発途上国からJICA中部へ学びに来ている研修員との心温まる交流を続けてこられたIFの会(アイエフの会:International Family)について、鈴木勝久会長にお話を伺います。
(聞き手:JICA中部 市民参加協力課 増井恵)

はじめに、IFの会の活動について教えていただけますか。

雛祭りでは研修員が日本舞踊を披露

「IFの会」は、JICA中部が途上国から受け入れる研修員のサポート役として、また市民レベルの国際交流や国際理解を深めるお手伝い役として1982年6月に発足しました。経験豊かな会員が、茶道や華道など伝統文化を紹介する日本文化体験教室、盆踊りや雛祭りといった季節の催し物の開催、会員宅でのホームステイなど献身的な活動を通して、研修員に日本の素晴らしさを伝えています。70人ほどの会員の中には、日本滞在中の交流にとどまらず、研修員の帰国後も手紙やメールのやりとりをしたり、互いに行き来したりとより親密で家庭的な関係を築いている方もおります。日本の技術や行政制度を学ぶため来日した研修員が、日本の文化や生活に触れ日本人の友人を得ることで、その多くが日本の良き理解者となって帰国していき、開発途上国と日本を繋ぐ真の架け橋となっています。

日本文化体験教室や盆踊りなど、異文化に触れたときの研修員の様子はいかがですか。

日本文化体験教室(折り紙)の模様

茶道や華道、書道の教室では、慣れない正座に戸惑いを覚えつつも、その道の精神を耳にすると研修員の皆さんの背筋がピンと伸びます。まなざしは真剣そのもので、貴重な異文化体験となっているようです。折り紙教室では、一人が一人を丁寧に指導しますが、基本の折鶴を時間内に覚えてしまう習得力には感服します。お土産用にとたくさん作っていく研修員も少なくありません。
また毎年の恒例行事のひとつに盆踊り大会があり、今年も8月9日(金)に開催されます。浴衣に身を包んだ研修員が見よう見まねで盆踊りに挑戦する姿は微笑ましく、彼らにとっても研修を離れ、よいリフレッシュの時間となっているようです。こちらは一般の方にも参加していただけますので、皆さん一緒に輪になって踊りましょう!(詳しくは、下記関連リンクをご参照ください)

国づくりを担う研修員のみなさんへのエール、また会としての今後の展望をお聞かせいただけますか。

昨年の盆踊り大会の様子

Let’s Bon-dance!

現在、地球上では十億人を超える人々が飢えに苦しみ、その生命の維持にさえ窮しているといわれています。そのほとんどが新興国や途上国の国民です。私はJICA中部へ勉強に来る研修員には、各自の専門分野を通して、祖国の切実な課題解決に積極的に立ち向かってくれるものと期待しています。資源の乏しい日本が第二次世界大戦後に遂げた復興と経済発展、国民生活の向上は、家庭・学校・企業といった社会全体による教育の普及徹底と、その水準向上の取組みにあると私は確信しています。研修員の皆さんには、戦後日本がなぜこのように発展し、国民の生活水準を高めることができたのかを学習し、祖国民の生活水準の向上に貢献してもらいたいと切に願います。
IFの会としては、研修員に日本のありのままの姿を観てもらい、平和と戦争に対する考え方、職業に対する考え方、日本人が伝承してきた技術や文化といった独自の世界観を少しでも理解してもらうため、会員の知識と経験、人的ネットワークを生かして活動を続けてまいります。これからもこの会が、地域の若い人たちの応援を得て、ますます研修員との交流が深まるよう努めていく所存です。

ありがとうございました。今後もJICA研修員が日本に親しむ機会をご提供いただけるよう、ご協力をお願いいたします。

*「研修員受入事業とは?」
研修員受入事業は、日本国内を国際協力の現場とする人材育成事業です。JICAでは開発途上国の国づくりの中核となる人材を育成する目的で、毎年およそ150ヵ国から1万人を超える技術者や行政官などを「研修員」として受入れています。研修員は、国づくりに必要な技術や知識を習得し、また、日本で生活することを通して、日本の伝統・文化に対する理解を深めて帰国し、それぞれの国の発展に貢献することが期待されています。
JICA中部では、年間約80コースの研修を実施し、500名ほどの研修員を受け入れています。