【7月号】水道分野における開発途上国支援のお話

【写真】中村 真樹夫(なかむら まきお)さん 三重県松阪市出身、愛知県名古屋市在住名古屋市上下水道局 職員研修所(経営企画課 兼務) 
中村 真樹夫(なかむら まきお)さん 三重県松阪市出身、愛知県名古屋市在住

今回は、名古屋市の水道事業と途上国の課題解決に向けた橋渡し役として活躍されている名古屋市上下水道局の中村真樹夫さんにお話を伺います。
(聞き手:JICA中部 市民参加協力課)

自己紹介と現在担当されている業務について教えてください。

みなさんこんにちは、名古屋市上下水道局で国際貢献・海外協力を担当しております中村と申します。私の主な業務は、JICAの制度を活用した技術協力プロジェクトの企画立案・実施運営です。平成25年4月から現在の担当となり、昨年度はメキシコの下水道プロジェクト、スリランカの水道プロジェクト、世界12か国13名の研修員を対象に「上水道無収水量管理対策」研修を実施いたしました。

中村さんが国際協力に携わったきっかけや、これまでのご経験についてお聞かせください。

学生時代の国際協力のボランティアに参加時の写真(2000年)

直接のきっかけ自体は現在のポストへの「人事異動」なのですが、それ以前に全く興味がなかったわけではありません。学生時代にAIESECという団体に属して、インドの貧困問題に関するスタディツアーに参加した経験等から、国際協力への関心は常に持ち続けてきました。とはいえAIESECでは専ら「国際交流」しかできませんでした。それが現在は「国際協力」にも携われることができ、本当に充実した時間を過ごさせていただいております。

これまでの研修事業で印象に残っていること、またエピソードを教えてください。

「上水道無収水量管理対策」コース研修員に休日に産業技術記念館を案内(2013年11月)

「上水道無収水量管理対策」研修コースは世界12か国からの研修員がそれぞれ国を代表して研修に参加しました。1か月半に及ぶ比較的長い研修でしたが、研修員たちは非常に熱心に受講し、議論も白熱しました。研修員たちの祖国の水道事業を良くしたいという熱意が伝わり、彼らのハングリー精神のようなものに感動しましたし、同じ水道事業を志す同志であり、本当に尊敬できる水道マンであると思いました。世界中の選りすぐりの水道マンと接する機会を頂き、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

中村さんが途上国の人々と接する時に大切にされている考えや姿勢を教えてください。

スリランカ配水管施工管理能力強化プロジェクトの本邦研修の一コマ(2013年10月)

さきほどの話とも関連しますが、研修では確かに教える側・教えられる側といった関係が存在しますが、そこに優劣はありません。むしろこれから大きな課題に取り組んでいく途上国の研修員たちは大きな使命感に燃えており、こちらが学ぶことも非常に多いです。彼らをがっかりさせないためにも、受け入れ担当としてしっかりと勉強して、彼らに恥ずかしくない見識を備えなければと身の引き締まる思いです。
また、途上国の人たちが日本を訪れるというのは本当に貴重な機会ですので、存分に日本を満喫してもらい、一人でも日本ファン、名古屋ファンになってもらうことも忘れてはならない自分の使命だと思っています。

最後に、市民の皆様へのメッセージをお願いします。

名古屋市の水道事業は今年100周年を迎え、漏水率も3%を切るほど高い技術水準に到達することができました。この歴史は我々の貴重な財産であり、未だに深刻な問題を抱える途上国の問題解決に少しでも貢献していきたいと思います。そしてその経験を名古屋の水道事業にもフィードバックしていきたいと思います。
また、JICA中部には途上国の問題を分かりやすく紹介している「なごや地球ひろば」や世界の料理を楽しむことのできるレストラン「カフェ クロスロード」があります。名古屋駅からのアクセスも非常に便利ですし、機会がありましたら、一度JICA中部に足を運んでみて、世界を感じてみてはいかがでしょうか。