【6月号】「メキシコと日本を結ぶ研修」

【写真】カルロス・ヒルさん メキシコ合衆国出身JICA中部国際センター研修員
カルロス・ヒルさん メキシコ合衆国出身

今回は、日墨(墨:メキシコ合衆国)戦略的グローバル・パートナーシップ研修計画において実施中の「全社的品質・生産性向上コース」に参加している、カルロス・ヒルさんにお話を伺います。
この日墨戦略的グローバル・パートナーシップ研修計画は、1971年に日墨青年技術者養成・親日及び親墨青年育成を目的として始まり、今年で43年目です。歴史のある研修ですが、実は、カルロスさんの現在の職場の上司2名も、12年前、同じ研修に参加した経験があります。3人の研修を担当した、JICA中部研修業務課の後藤悟朗職員が、インタビュー形式でカルロスさんからお話を伺います。

後藤悟朗職員(以下、後藤):今回、カルロスさんからお話を伺う中で、以前の本研修に参加したイヴァンさんやハビエルさんがカルロスさんの上司であると知り大変驚きました。今回のこの研修への応募にも彼らの助言があったのですか?

12年前の写真を見ながら

カルロス・ヒルさん(以下、カルロス):私自身、品質管理などのコンサルティング業務に従事し約2年が経ちますが、コンサルティング業務に携わる中で、自身のスキルアップについて模索していました。そんな中、上司である2名から本研修について紹介され、まさに私が補完したいスキルを習得できる研修内容と思い、応募しました。実は、ハビエルさんは私の大学時代の講師でもあり、当時、彼は日本について良く話してくれ、いつか日本で研修を受けることができればと思っており、最適なタイミングでした。

後藤:確かハビエルさんが本研修を受講したときは、彼自身にとって2回目の日本滞在であり、日本に関する情報を事前に有していたとはいえ、大変熱心に研修に参加していたのを覚えています。
今回、カルロスさんは、自身のスキルアップを目指していたとのことですが、この研修に参加する前は、何をしていましたか?

カルロス:大学卒業後、製薬会社に勤務したり家業の手伝いを行った後、メキシコ国内の民間企業に勤務し、製品やサービスの品質向上に向けたコンサルティング業務に携わっていました。現在は6名という小規模な会社ではありますが、一社員として、自動車部品製造や電子部品の製造に携わる企業に対して各製品の品質を高めるためのアドバイスや研修を行っていました。

後藤:今回の研修では、どんなことを学んでいますか?

カルロス:品質管理改善に関して方法論を学んだり、コンサルタントから改善に関する考え方などを学んでいます。どの講義も自身の業務にとって大変重要なものであるため、学んだ手法を帰国後のコンサルティング業務に活かすことができるようにしたいです。

研修について真剣に話し合う2人

後藤:確かに今回は本当に多くの手法を学んでいますよね。ただ、コンサルタントにとって手法を得ることも重要ですが、一コンサルタントとして、より大切なことは、顧客には多様な人々がいるので、学んだ手法を顧客のニーズに合わせ柔軟に対応できる力を養うことだと思います。方法論を学ぶことと同時に、それを様々なタイプのクライアントに対してどのように応用していくか、ぜひ研修期間中に学んでください。

カルロス:はい。今回、研修を受講していて、自身が携わる事業分野も含めて改善の余地があると感じているので、帰国後も良い形で還元していきたいです。

後藤:本研修は、研修に参加される皆さんに日本文化にも触れていただく交流の機会も含まれていますが、これまでどこを訪問しましたか?

カルロス:これまで東京や九州を訪問する機会がありました。名古屋を含めてどの地域を訪問しても、日本人は本当に親切な方が多いという印象を実感しました。

後藤:まだまだ研修は続きますので、ぜひさまざまな日本人の方と交流し、また多くの事を学びとって、帰国後日本の事を伝えてください。

素敵なこの出会いを記念して

後藤職員からのメッセージ
本研修は、43年間実施していますが、毎回、研修委託先も研修員に伝えたいことが増えており、その時々で最善の内容を伝えるよう工夫を重ねてきました。研修業務の醍醐味は、多くの人に出会えること。それは、海外からの研修員のみならず、地域で各分野の第一線で活躍する日本の方々も含みます。中部地域の様々な事業に関わる方々と出会い、研修を実施することは自身の経験にもなりますし、研修員にとってもこうした人たちと接することは貴重だと考えています。
今回、帰国研修員が日本で学んだ技術を自国で実践するために種々取り組んでいること、また、その部下に当たる方がJICA研修で新たな技術を学ぶために参加されたことは、本当に喜ばしいです。