【JICAボランティア活動記】「ブータンの思い出」

2012年11月30日

王妃誕生日企画のプロデュース−民間ラジオ局にて

(公社)青年海外協力協会 JICA中部ボランティア事業担当
神谷桂二郎(かみや けいじろう)さん
派遣国:ドミニカ共和国/ベリーズ/ブータン、職種:音楽

三度目の海外赴任

留学を除くと、私の海外での生活はブータンが三度目で、いずれも音楽教師としての赴任でした。最初はカリブ海の島国ドミニカ共和国、二度目は中米のベリーズです。ドミニカ共和国では国立音楽院の初等科で、ベリーズではコミュニティー・カレッジの芸術科で活動していました。
ドミニカ共和国での活動では著名なアーティストらと身近に接することができ、私にとってはとても刺激的なものでした。その後、英連邦王国の一国たるベリーズの総督からの要請に基づき、同国に音楽教育を根づかせるべく音楽教師として再赴任しました。これら2ヵ国での経験を元にみたび、音楽教師としてブータンへ赴任することになりました。

ブータンでの音楽活動

国王夫妻ご成婚奉祝曲を披露−教育省の講堂にて

ブータンでは首都ティンプーの音楽学校で、ピアノや作曲の個人レッスン、音楽理論や合唱のグループレッスン、教員教育、学校カリキュラムの策定や保護者会の実施、発表会等のイベント、テレビ・ラジオでの企画など、幅広く活動しました。
そして私が先に赴任した2ヵ国での活動を事前に調べ、私の赴任を心待ちにしてくれていたブータンの人たちからは、私が着任するなり国王夫妻ご成婚の奉祝曲を依頼されるなど、大きな期待を寄せられました。その後、ブータン国王夫妻が来日し、日本とブータンの友好がかつてないほど高まったこと、その友好の発展に自分が少しでも貢献できたことは今でも私の誇りです。

日ブ友好

王妃誕生日企画のプロデュース−国営放送にて

そのような日々が過ぎ、任期終了が近づいたある日“日ブ友好に功績があった”ということで新しく建てられたお寺の建立式に招かれ、国王と同格とされるブータン仏教の転生仏テンジン・ラブゲの客人として祝福を受け、温かいもてなしを受けたことは生涯忘れられない思い出です。
またブータンの国会の開会式に来賓として招致され、国王夫妻をはじめ、王族や閣僚が勢ぞろいする懇談会の中で王妃から頂いたお言葉は「日本のことが大好きです。またすぐに日本へ行きたいと思っています。その時はまた仲良くしてくださいね」というとてもありがたいものでした。

旅立ち

ブータンの仲間たちとー新寺建立式にて

ブータンの国会議員をはじめ、映画監督・俳優など、ブータンの芸能関係者が何度もお別れ会を開いてくれました。その時に「みんなケイジロウと仲良くなりたいと思っていたんだ。でも、ケイジロウはいつも忙しそうだったから…」と、自分がとっつきにくい雰囲気を醸し出していたことに反省しつつも、ブータンの人たちに愛されていたことを実感しました。思い返せば、ブータンの人たちは私の些細な仕草や表情の変化を読み取り、いつも私の体調や悩みを気遣ってくれていました。そして私が常にハッピーであることを望み「幸せとは何か」ということを考えるきっかけを作ってくれたブータンの仲間にとても感謝しています。