キルギス共和国の道路担当者が日本の道路行政を学びました!

2013年3月7日

キルギス共和国の道路担当者が1月27日から2月9日までの2週間、日本の道路行政を学びました。

鉄筋の劣化を確認
(N2U-BRIDGE)

コンクリートの劣化について質問中
(N2U-BRIDGE)

工事中の現場を視察
(桑名保全・サービスセンター)

黄色いパトカーに興味津々!
(桑名保全・サービスセンター)

キルギス共和国は、中華人民共和国の西に位置する中央アジアの内陸国です。旧ソビエト連邦の共和国で、ロシア語を公用語としています。国土は日本の半分ほど、人口は約540万人(2011年:国連人口基金)で、兵庫県の人口とほぼ同じです。キルギス人の外見は日本人に似ており、通勤ラッシュの時間帯に乗車した地下鉄の車内で周囲に溶け込んでしまうほどです。キルギスには、「キルギス人と日本人は昔、兄弟で、肉が好きな者はキルギス人となり、魚が好きな者は日本人となった」という言い伝えがあるそうです。

キルギスには鉄道が整備されておらず、運輸、交通の95パーセントを道路に依存しています。道路はキルギスの経済成長と密接に関係する大変重要な役割を担っています。このため日本政府は、キルギスに対する援助において、道路セクターを重点分野に位置づけています。これまでにJICAは道路整備に対する無償資金協力や道路の維持管理能力向上のための人材育成を支援しました。現在は、技術協力プロジェクト「ビシュケク都市交通改善計画」(2011年7月から2013年6月)を現地で実施中です。本研修は、これらのプロジェクトで重要な役割を担う運輸通産省(以下、MOTC)と、上記プロジェクトを担当しているJICAキルギス事務所の現地スタッフ1名に対して道路維持管理能力の向上を目的としています。

研修期間中、中日本高速道路株式会社(以下、NEXCO中日本)のご協力のもと、道路関連施設を視察しました。午前は、名古屋大学とNEXCO中日本が共同で名古屋大学構内に設置している研究用施設「N2U-BRIDGE」(呼称:ニュー・ブリッジ)を視察しました。N2U-BRIDGEは、更新に伴い撤去された橋梁部材を全国から集めて再構築した研修用橋梁で、老朽化により生じる部材の損傷状況を視察することができます。コンクリートの劣化について学んだ1人の研修員は、「道路を建設して2、3年しか経っていないのにも関わらず、表面にひび割れが発生して不思議に思っていたが、コンクリートの骨材が原因だと分かった。今後の課題として国に持ち帰って対策を検討したい」と話していました。

また、東名阪高速道路内の桑名保全サービスセンターの視察では、実際に高速道路を走行しながら、高速道路の維持管理について学びました。研修員は、NEXCO中日本の徹底した道路維持管理を目の当たりにして感銘を受けていました。加えて、MOTCが管理する約19,000キロメートルの公道の内舗装率は依然として40パーセントだという現状も講師の方に話していました。整備された高速道路を走行しながら、JICAキルギス事務所のスタッフは「今まで道路建設に力を注いできたが、今後は道路の維持管理をいかに行うかが重要だと認識した。しかし、キルギス人は日本のように道路利用時に料金を支払うという概念がない。今後は、国民・行政官の理解を深めていくことが鍵となりそうだ」と語ってくれました。帰国後の研修員の活躍が期待されます。

・研修コース名:平成24年度 国別研修 キルギス「道路行政」
・研修期間:平成25年1月27日〜平成25年2月9日
・協力団体:国土交通省、中日本高速道路株式会社、名古屋大学、他
・参加者:3名(運輸通信省 3名)