メキシコ研修員33名が日本語研修を修了!−日墨・日本語研修のご報告−

2017年5月17日

2017年3月から5月までの約1ヵ月半、メキシコからの研修員が日本語を学びました。

【画像】1971年、メキシコ(墨国)・日本、両国間の相互理解と友好親善を増進することを目的として「日墨交流計画」がスタートし、2010年以降は「日墨戦略的グローバル・パートナーシップ研修計画」として、両国のニーズを反映させた研修(長期コース:約1年、短期コース:約2週間)を実施しています。
JICA中部では、第45回となる今年度の長期コースで33名の研修員を受け入れました。本コースは来日前にメキシコで約1ヵ月半、日本で約1ヵ月半の日本語研修を行い、修了後は専門分野ごとに分かれて、各地で技術研修を行います。日本語研修はもちろん、様々なことに積極的に取り組んだ研修員の約1ヵ月半の様子をご報告いたします。

日本語クラスでの取り組み

桜・松・竹・梅の4クラスに分かれて日本語を学びました。どのクラスもチームワークは抜群で、研修員同士で助け合いながら、熱心に授業に取り組みました。また、JICAスタッフに会うといつも笑顔で挨拶したり、日本語で積極的に話しかける研修員も多く、日本語の授業だけでなく、実際に日本人と交流することで生きた日本語を学ぼうとする姿が印象的でした。

(1)料理実習

メキシカンスタイルでおもてなし

ゲームで大盛り上がり!

4月中旬には、日本語研修の一環として毎年恒例の料理実習を行いました。もちろん材料も自分たちで買って、しかも領収証もちゃんともらうことが出来ました。日本語を使って調理の仕方や自国の食文化を説明するスキルを身につけ交流することを目的としており、招待されたのは、私たちJICAスタッフ。事前に手書きの招待状や招待メールが届き、研修員が一生懸命準備をしてくれていることが伝わってきました。


当日、会場には色鮮やかな飾り付けがされ、料理のレシピが丁寧な日本語で書かれており、「こんにちは、ようこそ!」と研修員が笑顔で迎えてくれました。研修員自らが調理してくれたメキシコ料理を食べながら、料理の紹介はもちろん、お互いへの質問など日本語での会話を楽しみました。また、歌・ダンス・ゲームなど様々な「おもてなし」を考えてくれ、研修員、JICAスタッフみんなが笑顔で楽しい料理実習となりました。

(2)課外授業

有松の魅力を詰め込んだ有松ガイド

課外授業として、週に一度、企業等を訪問しました。
名古屋市港防災センターでは、施設の方から説明を受けた後、実際に地震や火事の際にどのように避難すればいいのかを体験することができました。体験では、最初に説明された適切な初期行動を忠実に守る姿が印象的でした。体験後には「外で地震にあったらどうすればいいですか?」等、日本語で質問する研修員もいました。これから数ヵ月の間、日本各地で生活する研修員たちですが、今回、実際に体験ができたことで、より身近な問題として感じることができたようです。
有松地域(名古屋市緑区)では、地元の方々にお話を伺いながら探索し、各所の歴史や伝統を学ぶとともに、生活の様子も感じることができたようです。課外授業の後には、有松で見聞きしたことを紹介する有松ガイドをクラスごとに作成しました。手書きの地図や丁寧に書かれた日本語、写真や絵も添えて、有松で感じた魅力を伝えたい!という気持ちが伝わってくるものとなりました。
課外授業では、日本の技術や知識を学ぶとともに、文化や歴史に触れることができ、とても貴重な経験となったようです。

(3)広島平和研修

安芸の宮島にて

4月6日から2泊3日で「広島平和研修」に参加しました。世界で初めて原子爆弾が投下された広島市を訪れ、原爆の悲惨さ、広島市の再生の歴史、について学びました。また、広島名物の「広島風お好み焼き」を知る機会があり、日本の食文化について理解できました。世界遺産である安芸の宮島では、ボランティアの方々から詳細に説明を受けることが出来、有意義な時間を過ごすことが出来ました。研修員からは「素晴らしい経験が出来た」と高い評価を得ました。

(4)日本語スピーチ発表会

緊張しながらも一生懸命発表してくれました

「相撲」についてスピーチ。助手はお相撲さん!

日本語研修の最終日には、研修員一人一人が自由なテーマを決めて、日本語で原稿を作成し発表する「日本語スピーチ発表会」を行いました。これまでの日本語学習の集大成となるこの日のために、研修員は熱心に練習を繰り返していました。
発表会当日、研修員は直前まで各自練習するなど緊張した様子もありましたが、仲間の発表を見守り、応援する様子から、研修員全員のチームワークの良さを改めて感じました。これまでしっかりと学んできた研修員は「伝統と最新」「友達・家族」「相撲」「温泉」「ラジオ体操」等、様々なテーマで自身の思いを立派に発表してくれました。来日して感じた日本とメキシコの共通点や違いを示した上で、両方の良さを発表した研修員も多く、実際に日本で過ごしたことで日本の良さを知り、より好きになってくれたことを嬉しく感じました。「来日して一緒に過ごすうちに、この33人が家族になれたと思います」とのスピーチには、会場全体が温かく感動的な空気に包まれました。
今後は技術研修コースごとに分かれて、専門分野の研修が始まりますが、これからも日本語の勉強を続けて、より多くの日本人と交流して、もっと日本を好きになってほしいと思います。

その他の活動(大学生との交流)

愛知淑徳大学の学生のみなさんに名古屋の名所案内や交流会を実施していただきました。基本的には日本語で、時には英語も交えながら、色々なことについて話をしました。交流会ではゲームをしたりして、有意義な時間を過ごすことができたようです。日本語で頑張って話しかける研修員と、研修員に分かりやすいような日本語を選びながら話してくれる学生のみなさん、それぞれが分かり合おうと努力する様子はなんとも微笑ましく、とても温かい交流会となりました。

33名の新たなスタート −ご協力いただいた皆様、ありがとうございました−

料理実習では素敵な歌声を披露してくれました

お昼休みにはみんなで楽しくラジオ体操

閉講式にて、研修員からの挨拶

最後にみんなで記念撮影!

日本語研修を修了した研修員は、夫々のグループに分かれて専門知識・技術を習得するために以下の専門分野・研修実施先のもとで研修を今後約5ヵ月から7ヵ月間にわたる開始しています。
彼らがこれからの研修でより多くのことを学び、経験してくれること、そしてそこから得たものを日本とメキシコの相互の発展・理解へと役立ててくれることを期待しております。

中部地域
「全社的品質管理・生産性向上」12名 ・・・中部産業連盟
「電子回路・計測制御」1名・・・豊橋技術科学大学

北陸地域
「コンピューター」5名・・・金沢工業大学
「予防医学」2名・・・金沢大学

関西地域
「日本のデザインと伝統技術」5名・・・京都工芸繊維大学
「知的財産権」2名・・・大阪工業大学
「情報科学・エンジニアリング」3名・・・立命館大学(草津)

中国地域
「産学官連携推進によるイノベーション創出システムの構築」3名・・・広島大学


※「日墨戦略的グローバル・パートナーシップ研修計画」について
国際社会の平和及び安全、経済問題、気候変動、核軍縮・不拡散、経済成長の推進等の地球規模の課題に対処するための「戦略的グローバル・パートナーシップ」強化に向けた若手人材育成を目的に、日本・メキシコ双方の学生・技術者を対象に研修・研究を積む機会を提供するものとして、1971年から開始された両国の交流プログラム「日墨交流計画」を課題解決のために発展させたもの。第46回の本研修プログラムにおける日本語研修は、2018年3月6日から5月2日を予定しています。