【JICAボランティア活動記】「カンボジアの子供たちの未来のために」

2017年5月30日

■写真:竹内寿次さん(左)意欲ある先生との出会い

竹内 寿次(たけうち としつぐ)さん
平成26年度1次隊
カンボジア・理科教育
静岡県浜松市在住

「意外なところにきっかけが」

カンボジアの中学校

ボランティアに応募したきっかけは、当時勤務していた学校の校長先生の紹介です。当時、教職10年を迎えて、一通り学校組織がどのようなものか、自分なりに分かりつつある時期でした。このまま教員の道を突き進んでも良いのですが、どことなく視野が狭いままで、安定を求めている自分にも気付いていました。そんな時、校長先生から急に静岡県とJICAが連携しての教員参加制度があることを聞いたのです。その当時一度も行ったことのない海外、どのようなことになるか全く想像できませんでした。しかし、「未知の世界に飛び込んで、自分がどれだけできるか挑戦してみたい」その気持ちが強く、その日のうちに、意思は固まりました。

「カンボジアに理科実験を」

実験の様子

1970年代にカンボジアを襲った悲劇。ポル・ポト政権による大虐殺、内戦により人口の3分の1が犠牲になったといわれています。多くの教員も犠牲になり、教育システムは崩壊しました。現在、復興目覚ましいカンボジアとはいえ、校舎自体が満足にない地域も残るなど教育の再建が急務となっています。その中で、私はバッタンバンという都市で中学校に理科実験を紹介する活動を行いました。といっても任地の学校においても理科室はおろか、実験道具も皆無です。仕方のないことですが教員の教科、実験に関する知識も不十分でした。この現状を目の当たりにし、「簡単なものでもいいから、先生、子供たちに実験を見せたい」「少しでも実験の魅力を伝えたい」という思いを強く持ちました。当初は現地語である、クメール語が難しく、現地の教員との意思疎通に四苦八苦しましたが、少しずつ互いの理解を深めることができ、紹介できる実験も増えていきました。活動を通して、授業に実験を取り入れようとする教員の真剣な眼差し、そして子供たちの目を輝かせて実験を行う姿に出会えたことは私にとって大きな財産です。

「人と人とのつながりに未来を託す」

先生たちとのワークショップ

実験の紹介は、まず教員に実験方法を説明して、それをもとに教員に実験授業を行ってもらう形式で行いました。そのため、多くの教員との関わり、信頼関係を構築できたことが活動の中での一番の思い出です。なかでも私の紹介した実験を熱心に取り入れてくれた先生の存在は私の活動のやりがいや励みになりました。今から思うと私の活動はカンボジア全体からみると些細なもので、何か現状を変化させることができたわけではありません。しかし、そんな些細な活動でも、私を受け入れてくれた多くの教員が存在したからこそできたのです。一人では何もできない、人と人とのつながりが国際協力に結びついたと思っています。