インターン生によるガンビアからの留学生インタビュー

2017年9月26日

今回は名古屋大学大学院環境学研究科で研修中の フェリシアさん (ガンビア出身)にインタビューを行いました。フェリシアさんはJICAの事業である「アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(ABEイニシアティブ)※脚注1」で来日しています。担当したのは、愛知淑徳大学交流文化学部3年の大山紗於里さんと愛知県立大学外国語学部3年の藤岡友里さんです。

ガンビアという国について

ガンビアはアフリカの西方に位置しており、人口が約1700万人の小さな国です。フレンドリーかつストレスフリーな国民性で、常に笑顔があふれているそうです。日本のように高層建築物は多くなく、泥土で出来た伝統的な住居が今も残っています。きれいなビーチが多くあり、日曜日には家族でよく訪れていたようです。このように母国では穏やかな日々を過ごしていたため、初めて来日した際には、時間の流れ方の違いに驚き、生活に慣れるまではストレスを感じていたとも語っていました。

母国での学びについて

和やかな雰囲気でインタビュースタート

フェリシアさんは専門大学を卒業後、6年間高速道路に関する調査員として働きました。その後、総合大学に入学し、建築デザインを専門的に学びました。同じ学部の学生の中で女性一人という状況のなか、首席で卒業しました。大学を出た後、前職から昇格して、環境問題専門家となり、さらなる研究のため、JICAのABEイニシアティブプログラムに応募し、9か月に及ぶ選考の末、2016年10月に奨学生として受け入れられ、来日しました。その試験勉強には大変苦労したようで、専門外の数学を中心に必死だったと当時の状況を振り返っていました。
日本を留学先として選んだ理由は、大学時代に教授から日本の天然資源についてよく話を聞いており、資源を輸入に頼って借金が膨大となっている母国の状況を変えたいという願いをもったからだそうです。

日本の大学での研究内容

フェリシアさんは現在、名古屋大学大学院環境学研究科に在籍しています。そこでは主に資材分析を行い、ガンビアの経済状況を考慮しながら、各資材の輸入に対し、どれだけ国の予算がかけられるのかということに関して研究を行っています。財政的にこれ以上輸入を続けることが厳しい母国がいかにして状況を改善できるか日々考えているそうです。また、各資材の環境への影響についても研究しています。これらの研究に至ったのは、母国で環境問題専門家として働いていた時期に、様々な現場で地球温暖化や人的要因による環境変化の事例を耳にしたことがきっかけだったようです。

生活に関する苦労

既述の通り、母国との時間の流れ方の違いや、食文化の違いに慣れるのには時間がかかったとのこと。またフェリシアさんは6歳の男の子を持つ母親であるため、大学院へ行っていて面倒をみることができないときは、お子さんをトワイライトスクールへ預けるなどして育児と勉学の両立を図っているようです。日本人の気質について伺ったところ、はっきりものを言えなく、他人と話す事を恥ずかしがる文化に困惑することも少なくないと話していました。しかし、大学院では、英語で教授とコミュニケーションがとれ、フレンドリーで英会話に長けた学生にも多く助けられていると穏やかな表情で話していました。

帰国後のビジョン

帰国後、日本で学んだ知識を母国に還元したいそうです。具体的には、環境に関する技術者団体に所属し、環境問題が課題となっているあらゆる現場に対して、その状況の評価や、解決に向けた適切な助言をすることに貢献したいと語っていました。そのような個々の事例への対処に影響を与えることが国全体の環境状況の改善につながると考えているそうです。

母国に対して望むこと

ガンビアでは今年1月に新大統領就任に関する政治問題があり、リーダーシップが不安定であるため、その点の改善を望まれていました。また、フェリシアさんは、JICAの職員から戦後の東京の復興の写真を見せられた際に、大きく感銘を受けたようで、その成功の理由を、日本の集団で物事を成し遂げるという伝統的な文化に認めており、ガンビアもこれを取り入れた国の発展を目指したいと話していました。
そして、ガンビアでは貧富の差が著しいため、国民全体が平等な社会になってほしいという願いも語っていました。

インタビューを終えた感想

記念撮影

愛知淑徳大学交流文化学部交流文化学科3年 大山紗於里
フェリシアさんのお話を聞き、ガンビアという国を初めて知りました。ガンビアは、アフリカの西方にあるそうですが、イメージしていた国の姿ではありませんでした。アフリカといえば、貧困や干ばつなどに苦しんでいるイメージが多かったのですが、国民はいつも笑顔でストレスがないそうです。こんなにも便利な暮らしをしている私たちですが、たくさんのストレスを抱えていることを考慮すると考え深いものがありました。また、国のために言葉もわからない日本に来て、学ぶ姿勢には熱意を感じました。今回のインタビューで自分たちの生活を見直さなければならないと痛感しました。

愛知県立大学外国語学部英米学科3年 藤岡友理
今回のインタビューは、私にとってアフリカの方とお話した初めての機会でした。日本がガンビアという国に対して、学術で支援に貢献し得ることを知り嬉しく思いました。また、子育てをしながらも学び続け、国のために貢献するという意志を持っていらっしゃることに、尊敬の念を抱きました。同じ女性として、社会的な障害を突破し、精力的に学び働くという生き方は素晴らしいと感じました。今後ますますのご活躍をお祈りします。


(注)アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(ABEイニシアティブ)概要:
アフリカの民間セクターや公的部門における人材育成、アフリカ各国が日本の優れた技術や日本企業への認識の深化、5年間で1000人のアフリカの若者に対し、日本の大学や大学院での教育に加え、日本企業でのインターンシップの機会を提供するもの。詳しくは下記関連リンクをご参照ください。