インターン生によるアフガニスタンからの留学生インタビュー

2017年10月3日

インタビュー前に一緒にランチ

今回は名古屋大学大学院環境学研究科で研修中の アンワリさん (アフガニスタン出身)にインタビューを行いました。アンワリさんはJICAの事業である「未来への架け橋・中核人材育成プロジェクト(PEACE)※脚注1」で来日しています。担当したのは、名古屋大学法学部3年の那須章成さんと名古屋市立大学人文社会学部3年の塩脇亜理沙さんです。

日本で学んでいること

アンワリさんはアフガニスタン出身で、2016年に来日されました。名古屋大学の工学研究科に所属しており、交通工学について学んでいます。JICAの事業「未来への架け橋・中核人材育成プロジェクト」に参加しており、およそ2年間日本で研究をするそうです。

アフガニスタンの課題

一生懸命伝えてくれるアンワリさん

アフガニスタンの首都カブールにある自宅から職場まで、徒歩で行くと15分で到着するところを車で行くと交通渋滞が原因で1時間、2時間遅れることもあるそうです。大きな都市でさえも信号がなく、インフラの整備や、主要道路における交通量の改善が課題とおっしゃっていました。また、遅延の問題以外にも、過度な交通渋滞により、自動車から多くのガスが排出されることで大気汚染の問題も引き起こしていることを懸念していました。

日本を選んだ理由

そこで、アフガニスタンにある上記の課題を解決するために、アンワリさんは日本に来ることを決めました。研究場所として日本を選んだ理由は、日本が先進国であり、交通工学の分野が進んでいること、またJICAのプログラムの支援が大きいことだそうです。
名古屋大学を選んだ理由としては、交通工学に精通している専門家がいること、設備が整っている環境で研究ができることを挙げられていました。

研究内容と帰国後の計画

交通工学の研究では、まず、データを集めてビデオを見ます。そして、そのビデオから問題となるものを発見して分析し、実際にシミュレーションを行います。そこで、よりよい解決策があれば修正する、というように研究を進めているそうです。
帰国後は、政府関係機関の関係者になり、日本で学んだことを生かして交通に関する政策をつくり、自分の住んでいる地域に共有し、広めていきたいそうです。

日本とアフガニスタンの相違点

日本では熱心に働く人が多く、彼らによって日本の経済成長は支えられてきたとおっしゃっていました。一方でアフガニスタンの人々は日本人に比べて仕事に対する意欲がそこまで高くはないそうです。
また、日本では外で働く女性が増えてきましたが、アフガニスタンでは、女性は外に仕事に行くのではなく、家で料理や掃除を行っていることが多いそうです。

アフガニスタンの魅力

アフガニスタンの旗を持ってピース

一年のうちに一か月しか行くことができないという、秘境の地「Pamir」をはじめとして多くの自然があることを魅力であるとおっしゃっていました。また、現代の日本では日常生活が仕事中心になってしまい、人とのつながりが希薄になっているのに対し、アフガニスタンでは家族や友達と過ごす時間をとても大切にしていることが魅力であり、対照的であるとおっしゃっていました。

インタビューを終えた感想

名古屋大学法学部3年那須章成:
インタビューをする前は、アフガニスタンは紛争地域の一部であるという印象が強く、そのような問題が特に大きいというイメージがありましたが、アンワリさんのお話を伺い、他にも「交通渋滞」の問題があるということがわかりました。実際、首都カブールの渋滞している写真を拝見させていただいたところ、アフガニスタンの交通にとっては大きな問題であると痛感しました。しかし、一方でアフガニスタンには美しい自然が多くあることを強調していて、嬉しく思いました。初めての体験でしたが、インタビューを通じて新たな知見を得ることができました。

名古屋市立大学人文社会学部3年 塩脇亜理沙:
アンワリさんは自分の生活の中から、交通状態に問題意識をもち、研究を行っており、そのため研究に対して熱い思いをもって臨んでおり、自分の大学生活においても学ぶべき姿であると感じました。プロジェクトの名前の通り、日本とアフガニスタンの架け橋となるような、帰国後の計画をお聞きし、自分が気づいていないところで日本と世界の国々がつながっていることを実感しました。普段かかわる留学生とは、年齢・経歴・出身地など大きく異なる方であり、ここでしかできない貴重な経験をさせていただきました。

(注)アフガニスタン未来への架け橋・中核人材育成プロジェクト(PEACE)概要:
アフガニスタンの今後の「国造り」を担う中核人材を養成するべく、行政官、研究員等を5年間で500人、日本の大学院等で受け入れるプロジェクト。詳しくは下記関連リンクをご参照ください。