メキシコ研修員29名が日本語研修を修了!-日墨・日本語研修のご報告-

2018年5月16日

2018年3月から5月までの約1ヵ月半、メキシコからの研修員が日本語を学びました。

料理実習でJICAスタッフと交流

1971年、メキシコ(墨国)・日本、両国間の相互理解と友好親善を増進することを目的として「日墨交流計画」がスタートし、2010年以降は「日墨戦略的グローバル・パートナーシップ研修計画」として、両国のニーズを反映させた研修(長期コース:約1年、短期コース:約2週間)を実施しています。
JICA中部では、第46回となる今年度の長期コースで29名の研修員を受け入れました。本コースは来日前にメキシコで約1ヵ月半、日本で約1ヵ月半の日本語研修を行い、修了後は専門分野ごとに分かれて、各地で技術研修を行います。日本語研修だけでなく、日本文化や日本人との交流に意欲的に過ごした様子をご報告いたします。

日本語クラスでの取り組み

桜・松・竹・梅の4クラスに分かれて日本語を学びました。どのクラスもチームワークがよく、個性豊か!日本語の授業が終わってからも自主的に集まって宿題や練習を行うほど真面目に取り組み、いつも研修員同士で助け合いながら、一生懸命に日本語を勉強する姿が印象的でした。
さらに、実践的な練習として、電話やメールでJICAスタッフとやりとりをしたり、作文発表を行ったクラスもありました。電話では、顔が見えない相手と話すことの難しさを感じながらもきちんと要件を伝えられ、メールでは漢字や敬語を調べて活用する研修員もいました。作文発表では、事前に用意した作文を上手に読めただけでなく、JICAスタッフからの質問にも答えられるほど上達していて、研修員の努力と成長を感じることができました。

1.料理実習 -メキシコ料理でおもてなし-

おいしい料理に会話も弾みます

料理について詳しく説明

4月中旬には、日本語研修の一環として毎年恒例の料理実習を行いました。この実習では、日本語で料理の作り方や自国の文化を説明すること、日本人と交流することで自然な会話のスキルを身につけることを目的としており、JICAスタッフがゲストとして招待されました。手書きの可愛らしい招待状や、漢字や敬語を使った招待メールが届き、研修員が一生懸命準備をしてくれている姿を想像すると、JICAスタッフも嬉しく、待ち遠しい気持ちになりました。


当日、会場へ行くと、「こんにちは、ようこそ!」と研修員が笑顔で迎えてくれました。メキシコならではのカラフルな飾り付け、上手なイラストと丁寧な日本語で書かれた料理のレシピ、ダンスやゲーム等、クラス毎に様々な「おもてなし」を考えてくれていました。

研修員手作りのメキシコ料理を食べながら、料理の紹介はもちろん、お互いへの質問など日本語での会話が弾みました。日本人以上の「おもてなし」に、JICAスタッフは大感激!みんなが笑顔で楽しい時間を過ごすことができました。

2.課外授業 —名古屋市鳴海工場・有松地域—

鳴海工場にて、真剣に説明を聞く研修員

課外授業として、週に一度、地域や施設を訪れました。
名古屋市緑区にある鳴海工場(一般ゴミ焼却施設)では、ご担当の方からのご説明、紹介DVD鑑賞の後、施設内を案内していただきました。研修員は説明に熱心に聞き入り、写真や動画も撮影しながら、日本の技術に感心してる様子でした。見学用の通路はとてもキレイで、匂いも全くしないことにも驚いていました。見学中には、ゴミ処理の技術・システムへの質問はもちろん、維持管理運営の方法について等、多く質問が寄せられ、研修員の関心の高さが伺えました。メキシコでも問題となっているゴミ処理について、日本との違いを学ぶことができ、とても有益な見学となったようでした。
有松地域(名古屋市緑区)では、地元の方々にお話を伺いながら探索し、各所の歴史や伝統、生活の様子を感じることができたようです。この課外授業の後には、有松を紹介する有松ガイドをクラスごとに作成しました。丁寧に書かれた日本語、手書きの地図やイラスト、写真も添えて、有松の魅力が存分に伝わるものとなりました。
課外授業では、日本の技術や知識、文化や歴史に触れることができ、とても貴重な経験となったようです。

3.広島平和研修

安芸の宮島にて

4月上旬には、広島平和研修として広島を訪れました。
広島平和記念資料館・広島平和記念公園では、原爆の悲惨さや広島市の再生の歴史について学びました。「日本の、日本人のパワーを感じた、心に響く訪問になった」との意見があり、各々が平和や戦争について深く考え、感じることができたようでした。また、広島風お好み焼き、熊野筆、安芸の宮島等、広島ならではの文化を体験することもでき、有意義な時間を過ごせたようです。研修員からは「素晴らしい経験が出来た」と大好評でした。

4.日本語スピーチ発表会 —緊張の最終日—

緊張しながらも一生懸命発表

笑顔でスピーチ

日本語研修の最終日には、これまでの日本語学習の集大成として、研修員一人一人が自由なテーマで発表する「日本語スピーチ発表会」を行いました。事前に決めたテーマについて日本語で原稿を作成し、発表へ向けて練習を繰り返していました。
発表会当日、緊張した様子もありましたが、これまでしっかりと学んできた研修員は、見事なスピーチを披露してくれました。テーマは、メキシコの街・結婚式のダンス・建築・祭りについてや、相撲・刀などの日本文化について、日本に来た理由、来てみて感じたこと、日本とメキシコの違いなど様々。伝統的な歌(マリアッチ)についてスピーチした研修員は音楽も流してくれたり、「メキシコは危なくないし、料理もおいしく、メキシコ人は楽しくて賑やか、だからメキシコに来てください!」とメキシコ紹介をしてくれた研修員もいて、勉強した日本語を発表するだけでなく、最後まで周りを楽しませようとしてくれる姿勢に嬉しくなりました。この姿勢と、彼らのいつも絶えない輝く笑顔は、これからの日本での生活の助けになってくれると強く感じました。今後、各技術研修コースに分かれても、より多くの日本人と交流し、日本語の勉強を続けてほしいと思います。

29名の新たなスタート -ご協力いただいた皆様、ありがとうございました-

料理実習でメキシコの伝統的な衣装を紹介

広島で「ふであーと体験」に挑戦!

最後にみんなで記念撮影!

現在、日本語研修を修了した研修員は、専門知識・技術を習得するために、各技術研修コースに分かれて、以下の専門分野・研修実施先のもと、約5ヵ月から7ヵ月間にわたる研修を開始しています。
彼らの日本での学びや経験を、今後、日本とメキシコの相互の発展・理解へと繋げ、日本とメキシコの架け橋になってくれることを期待しております。

<中部地域>
「全社的品質管理・生産性向上」14名 ・・・中部産業連盟
<北陸地域>
「コンピューター」2名・・・金沢工業大学
「予防医学」1名・・・金沢大学
<関西地域>
「日本のデザインと伝統技術」5名・・・京都工芸繊維大学
「知的財産権」2名・・・大阪工業大学
「情報科学・エンジニアリング」5名・・・立命館大学(草津)

※「日墨戦略的グローバル・パートナーシップ研修計画」について
国際社会の平和及び安全、経済問題、気候変動、核軍縮・不拡散、経済成長の推進等の地球規模の課題に対処するための「戦略的グローバル・パートナーシップ」強化に向けた若手人材育成を目的に、日本・メキシコ双方の学生・技術者を対象に研修・研究を積む機会を提供するものとして、1971年から開始された両国の交流プログラム「日墨交流計画」を課題解決のために発展させたもの。