大学生インターンによる留学生インタビューその1 ケニア編

2018年9月18日

三重大学大学院生物資源学研究科で研修中のアレックスさん(ケニア出身)にインタビューを行いました。アレックスさんは「アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(ABEイニシアティブ)※注1」で来日しています。担当したのは、名古屋市立大学5年の平井聖司さんと三重大学3年の折戸瑞希さんです。

来日経緯と研究内容

アレックスさんはケニアのキスム出身で2017年にABE イニシアティブのプログラムを通して来日されました。三重大学大学院生物資源学研究科で環境科学と技術について研究しています。

なぜ日本を選んだのか

アレックスさんお手製のケニア資料

日本のテクノロジーに興味があり、また日本人の仕事に対する高い意識も好きで、募集があった時には迷わずプログラムに申し込んだそうです。また先進国である日本の技術を学んで開発途上国であるケニアに持ち帰れば、母国の発展に貢献でき、さらに日本とアフリカが良い関係を築けると考えています。

日本の良いところ悪いところ

夏の湿度が高すぎてジメジメするところが嫌いと話していました。しかし、日本人はフレンドリーで親切で、どこの国から来たかなど、その人のバックグラウンドに興味を示し、意欲的に学ぶ姿勢が好きだそうです。また日本食が大好きでよく食べに行くそうです。

ケニアはどんな国

多国籍なランチ

首都のナイロビは高層ビルが立ち並び、街のすぐ近くに国立公園があり、高層ビルと自然が融合する世界にも類を見ない都市です。ケニアの主な収入源は農業と観光業であり、インド洋側にあるモンバサという街は綺麗なビーチが並ぶリゾート地であり、観光に最適で、多くの観光客が訪れます。ナイロビからモンバサへの交通手段も近年整備されており、安全に移動することができるようになってきています。農業は小麦やお茶、コーヒー、トウモロコシなどの生産が盛んです。アレックスさんが住んでいた地域には大きな湖があるので、魚がよく捕れ、主食として魚をよく食べていたそうです。またトウモロコシの粉でできた白いパンのようなウガリも昼と夜によく食べられています。アレックスさんはルオ族に属しており、サッカーや釣りが好きなのが特徴のひとつだそうで、また政治に関心を持っている人も多く、政治関係の役職に立候補する人も多くいるそうです。

ケニアの現在の課題

アレックスさんによると、裕福な人々が住む地区とスラム街はエリアが分かれており、スラム街に住む貧困家庭に生まれた子は、十分な教育を受けることができず、いい仕事にもつけないため貧困から抜け出せない負のスパイラルを招いているとのことでした。現在、政府はそれを打開するために無料の教育プログラムを提供したり、スラム街に新しいアパートを建てて、住環境の整備を行うなどの解決に乗り出しているそうです。

帰国後のビジョン

ケニアはサバンナが国土の半分を占め、残り半分は林が生い茂っています。エネルギーとして使える資源も少なく、国全体を発展させるために十分な技術力も足りていません。アレックスさんは数年働いてお金を貯めてから、エネルギー源が少ないケニアで、日本で学んだ知識を活かし、唯一の資源である太陽光を用いてソーラーパネルとそのエネルギーを使用したグリーンハウスの会社を自ら立ち上げるのが夢だそうで、希望に満ち溢れた表情で語ってくれました。

インタビューを終えた感想

向かって左から折戸、アレックスさん、平井

名古屋市立大学薬学部5年平井聖司:
今までケニアの人と直接話したことはなく、どんな話をすべきなのかどういう国民性をもった人なのか少し心配でしたが、話し始めるとフレンドリーで、アレックスさんからもいろいろ質問をしてくださり、楽しくインタビューできました。また自分の国を紹介する為に、ケニアについてまとめた冊子を自ら作成し、幅広くいろいろな事を教えてくださり、よく理解することができました。アレックスさんを見ていると、改めて自分も地球の裏側まで行き勉学に励みたいという気持ちが強くなりました。

三重大学人文学部3年折戸瑞希:
留学生の方とお話しをする機会が身近にないので、とても貴重な経験をさせていただきました。英語での長時間にわたる会話は緊張しましたが、外国の方とコミュニケーションを図ることは楽しく、英語に対する意欲を更に高めることができました。私がインタビューをさせていただいている中で、一番強く思ったことが、アレックスさんのケニアに対する母国愛です。将来日本で学んだことをケニアに還元しようとする姿勢から、ケニアに対する愛が伝わってきました。ケニアのことについて話をしてくれている最中の表情がとても嬉しそうで、もっと自分の国を知って欲しいという想いが強く伝わってきました。帰国後のビジョンもしっかりと見据えられていて、その高い志を私も見習わなくてはいけないと思いました。


(注1)アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(ABEイニシアティブ)概要:
アフリカの民間セクターや公的部門における人材育成、アフリカ各国が日本の優れた技術や日本企業への認識の深化、5年間で1000人のアフリカの若者に対し、日本の大学や大学院での教育に加え、日本企業でのインターンシップの機会を提供するもの。詳しくは下記関連リンクをご参照ください。