大学生インターンによる留学生インタビューその2 パラオ編

2018年10月3日

名古屋大学大学院の国際開発研究科で研修中のイブさん(パラオ出身)にインタビューを行いました。イブさんは、「太平洋島嶼国リーダー教育支援プログラム※注1」で来日しています。担当したのは、名古屋大学3年の西尾直樹さんと名城大学2年の森川明香さんです。

パラオの資源を次の世代へ

熱心に語ってくれるイブさん

イブさんは2017年に来日し、日本では経済発展政策とその管理について研究しています。あまり資源のないパラオにとって、サンゴ礁や生き物が豊富な海は国の経済を支えるとても重要な観光資源です。パラオが継続的に発展する為に、次世代までそれらの観光資源を残すことができるような“持続可能な観光の実現”に向けて国を挙げて取り組んでいます。その取り組みに携わる一人として、現在は大学で講義を受け学ぶとともに、来年からは自分のテーマに沿って研究を進めていきたいと考えています。また、日本の大学に来たからこそできた貴重な経験は、世界各地からの留学生と交流し、お互いの課題やその解決方法を共有する機会を得られたことだと話してくれました。帰国後のビジョンについては、財政に携わる行政官として、未来の世代からの借りものであるパラオの自然の保護と観光業の更なる発展の両立に向けて取り組んでいきたいそうです。

パラオと日本

パラオと日本の友好の橋

パラオは太平洋のミクロネシア地域に浮かぶ小さな島国で、ダイビングのために日本からも多くの観光客が訪れています。日本との関係はそれだけではありません。戦争等の名残で、ペリリュー島に旧日本軍の戦車や大砲が当時のまま残されていたり、人々の生活の中には日本語が残っています。例えば、とても疲れた時には「頭さめてる」と言うそうで、「大丈夫」という言葉もよく使うと教えてくれました。また、パラオにはODA(政府開発援助)の無償資金協力によって「日本・パラオ友好の橋※注2」が造られ、イブさんは日本語で「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えてくれました。

日本に来てみて

イブさんは、日本に来てから長野にスキーをしに行き、人生で初めて雪を見ました。パラオには雨季と乾季の二つの季節しかないため、四季のある日本の気候には驚いています。特に日本の夏はパラオと大きく違っていて、パラオももちろん夏は暑いですが、日本の夏はそれ以上に蒸し暑いと感じました。それにも関わらず、以前電車に乗った時に、イブさんは汗だくだったのに、周りの日本人はとても爽やかに見えて、どうしてだろうと不思議に思ったそうです。留学中に様々な場所に訪れたいと思っていて、近々三重の伊勢に行くと話してくれました。そして同じく留学をしている友人から、北海道は涼しいと聞いたので、今は北海道にも行ってみたいと思っています。

インタビューを終えて

向かって左から西尾、イブさん、森川

名古屋大学法学部法律・政治学科3年 西尾直樹
イブさんとのインタビューを通して、今まで自分が知らなかったパラオの事情を知ることができたとともに、様々な分野で日本とパラオの結びつきが強いということが分かりました。現地では日本語を話す方がたくさんいるだけでなく、同じ言葉でも日本とは違う意味で使われているフレーズがあるということを知り、とても面白いと感じました。また、イブさんは明確な目標やビジョンをもって、研究に取り組んでおり、日本での経験や大学での学びがとても役に立っていること、日本での思い出や今後訪れたい場所について生き生きと語ってくださり、私自身もうれしく思いました。

名城大学外国語学部国際英語学科2年 森川明香
今まで国旗と名前くらいしか知らなかったパラオを、イブさんの話を通して知ることが出来ました。その時に驚いたことは州によって旗がある事で、様々な島が集まって一つの国になっているパラオだからこそではないかなと思いました。そして、パラオでは日本語の単語が会話で使われたり、JICAの事業によって作られた橋があったり、日本との関係が見えるものがあると知って親近感が湧きました。パラオの観光事業の持続可能な発展という志を持って日本で勉強しているイブさんの話には、パラオに対する温かい気持ちが滲み出ていました。また話しているイブさんの表情はとても明るく、パラオの素敵な未来を想像しているような印象を受け、私の心に響くものが沢山ありました。イブさんとお話してインタビューができた時間は私にとって心を温かくさせてくれる貴重なものとなったと思います。

注1)太平洋島嶼国リーダー教育支援プログラム(Pacific-LEADS):
選抜された大洋州諸国の行政官等を外国人留学生として日本に受入れ、本邦大学の修士課程などでの教育に加え、省庁や地方自治体等において実務研修(インターンシップ)の機会を提供するもの。詳しくは下記関連リンクをご参照ください。