パネル展「Our Home」連動特別イベント 覗いてみようゴリラの世界

2019年8月6日

パネル展「Our Home」最終日7月7日(日)に特別連動イベントを開催!

第1部、第2部ともに満員御礼でのイベントとなりました

3月7日~7月7日まで実施していた生物多様性をテーマとしたパネル展「Our Home」の最終日に、特別連動イベント「覗いてみようゴリラの世界」を開催しました。
この特別イベントは2部制で行い、第1部ではゴリラに関してのクイズ・解説を通じて、よりゴリラについて知ってもらうことを目的とした内容としました。第2部では生物多様性保全に繋がる活動を実施しているJICA草の根技術協力事業の実施団体による事業報告やゴリラや生物多様性の関係者によるパネルディスカッションを通じて、より具体的な生物多様性保全についての理解促進を目的として実施しました。
今回のイベントでは第1部・第2部ともに京都大学総長の山極壽一氏、東山動植物園の伊東英樹氏、一般社団法人エコロジックの方々にご協力いただき実施いたしました。

第1部「イケメンゴリラ・シャバーニの秘密」

第1部 シャバー二の家族について説明を行う東山動植物園の伊東氏

第1部では東山動植物園の人気イケメンゴリラ・シャバーニについて、同動植物園にてゴリラ飼育を担当されている伊東英樹氏から普段は知ることのできないシャバーニの事をお話しいただきました、シャバーニが日常行う少し変わった行動として紹介されたのは、なんとあの大きなシャバーニが足を踏み外し、落ちはしないかと心配になるほど細いロープの上を絶妙なバランスを取り綱渡りをする姿でした。また、一般社団法人エコロジックの安藤智恵子氏よりアフリカにあるガボンでの経験をもとにシャバーニと同種の野生ゴリラについての行動や習性などのご説明いただきました。「ゴリラの毎日行う行動は何でしょう」というクイズがありましたが、皆さんはわかりますか? ゴリラは毎日自分の寝るベッドを作るそうです、木の上、地面の比較的やわらかいところなど、良い寝心地を求めてベッドづくりを行うそうです。
第1部の最後には世界的にもゴリラ研究で著名な京都大学総長の山極壽一氏よりゴリラを保護する理由についてお話しいただきました。ゴリラは人間に近い動物として、ゴリラの事を知ることは我々人間のこれからを知ることにも繋がるというご説明を頂きました。
45分という短い時間でしたがクイズを交えながら、楽しくゴリラについて知ることのできる第一部でした。

第2部「緑の国ガボン野生生物保全とエコツーリズムシンポジウム」

第2部 パネルディスカッションの様子

第2部「緑の国ガボン野生生物保全とエコツーリズムシンポジウム」

第2部ではより具体的な生物多様保全について知っていただくことを目的に
京都大学総長の山極壽一氏より「ゴリラの生態と保全」についてのご講演から始まりました、一般の方でもわかりやすいように動画や写真を交えて、ゴリラの生態についてお話しいただきました。その後に一般社団法人エコロジックの安藤氏よりアフリカのガボンにてエコツーリズムを通じた生物多様性の保全、現地住民の生計向上に関する事業についての報告を頂きました。エコツーリズムという方法を用いて現地の住民の収入向上や環境保全に貢献している内容は生物多様性保全を促進する具体的な方法の一つとして大変参考になりました。そして、第2部の最後にはイベントの締めくくりとして、京都大学山極氏、東山動植物園伊東氏、一般社団法人エコロジック代表理事新谷氏、関連分野のJICA職員によるパネルディスカッションを実施しました。「種の保存」をはじめとする動物園が果たす役割、自然への畏敬の念を踏まえ、持続可能的にエコツーリズムを実施ししていくことが自然との共生、生物多様性の保全に繋がるなど、各分野における専門的な意見を交えたパネルディスカッションは、このイベントだからこそ聞ける大変貴重なお話しでした。
パネルディスカッションのなかで京都大学山極氏がお話しされていた、生物多様性の保全が国連が掲げている持続可能な目標(SDGs)の達成に繋がるというお話しは、我々人間が住みよい環境や資源を求め開発する一方で自然環境への負荷、そこに住む生物への影響を考えるべきであるということを再認識することができ、そしてそれは今後私たちが地球のためにどのようなことをしていくことが重要なのかということがメッセージとして伝わってきました。

わかりやすくご説明いただいた講師の方々のおかげで生物多様性について多くの事を学べるイベントとなりました。今後もなごや地球ひろばでは様々なイベントを実施してまいりますので、皆様のお越しを心よりお待ちしております。