【実施報告】2013年度 高校生国際協力体験プログラム

2013年8月14日

【画像】7月27日と28日の2日間、JICA中国にて国際協力や海外に興味を持つ高校生を対象に、国際協力や青年海外協力隊について学び、共に考え、実際に様々な体験をしてもらいました。
今回は、鳥取、岡山、広島、山口の中国地方の4県から、計11校46名の参加者がありました。

チョコレートでつながる世界と私 −フェアトレードについて知ろう−

みんなでお昼ごはん

カカオの取引中

気付いたことは何ですか?

1日目、参加者全員での自己紹介やお昼ごはんで打ち解けたあと、8つのチームに別れてワークショップを行いました。

今回のワークショップは「チョコレートでつながる世界と私」。高校生にも人気のある食べ物「チョコレート」を通じて、高校生にもできる国際協力について考えようというテーマで実施しました。

まず、チョコレートに関する身近なクイズからチョコレートの歴史を知ってもらい、世界や日本でどのくらいチョコレートが消費されているか学びました。次に、チョコレートができるまでの過程をみんなで考えてもらいました。その後、カカオ農家と取引業者になりきって、実際にカカオの取引ゲームをグループ同士で行い、開発途上国と先進校の貿易の在り方について体験してもらいました。取引をしていく中で、生徒たちは「情報」の重要性や「貿易の不公平さ」について気付いている様子でした。

また取引終了後のふりかえりの時間では、取引金額や取引後の感想などを各班に発表してもらいました。農家と業者という2つの立場の違いを体験することで、互いの立場に立った感想が多く聞かれ「フェアトレード」を行う意義についての理解も深まったようでした。

日頃、よく目にするチョコレートが国際協力に通じること、普段の生活を少し変えたり、今より少しでも「知ろう」とすることでできる国際協力のかたちがあることに気付いてもらえるワークショップとなったのではないでしょうか。

ザンビアJICA事務所とのテレビ会議

テレビ会議の様子

続いて、現在ザンビアに派遣中の青年海外協力隊員2名とのテレビ会議を実施しました。高校生が現地の文化や隊員の活動内容、なぜ協力隊を目指したのかなどなど、幅広いテーマごとに班で考えた質問を直接聞くことができました。

日本とは違う文化・違う生活環境の中で、現地の人たちと共に汗を流す協力隊員の生の声に、高校生は驚きの連続。事後アンケートにはこれがきっかけで青年海外協力隊になりたいという声もありました。将来の進路を考え始める高校生のみなさんへ、良い刺激となったようです。

懇親会&JICAスタッフとトークセッション

缶積みゲーム。最高記録は13缶!

スタッフの派遣国の料理を味わった後は、お楽しみの懇親会が実施されました。缶積みゲームでは、班の仲間が協力し合ってゲームにも熱が入り、大盛り上がりでした。まだ出会って1日しか経っていないのに、みんなすっかり打ち解けた様子でした。

その後、各ブースに分かれてスタッフとのトークセッションを開催。自由参加でしたが、自然と人の輪ができ、質問のある高校生や先生方とスタッフが個人的に話せるいい機会となりました。

なりきり青年海外協力隊

なりきり青年海外協力隊

今年度は、過去のプログラムを踏襲しつつも、これまで特定の1ヵ国を対象としたものから、今回メインで担当した青年海外協力隊経験者のスタッフ6人が、自分たちの派遣された6ヵ国(マラウイ、トンガ、ザンビア、ベリーズ、モロッコ、キルギス)を舞台に、実際に現地で取り組んだ活動を体験するという内容で実施しました。
つまり、今回高校生たちが体験したのは、まさに青年海外協力隊員が現地で取り組む活動そのもの。各国が抱える課題を職種別に分け、現地の人々からの「要請内容」に合わせて、課題解決を目的とした具体的な活動を展開することが、今回の取り組み内容となりました。

要請内容紹介@キルギス

活動内容の話し合い

活動内容を発表中!

例えばマラウイの要請であれば、マンゴーの産地で付加価値を付けたドライマンゴーの商品化に成功した農民グループを対象に、ビニール袋に入れてあるだけのドライマンゴーの売り上げを伸ばすため、そのパッケージのラベル案を2パターン考え、プレゼンテーションするという活動を実施。実はこの活動、マラウイに協力隊として派遣されたJICAスタッフの1人が実際に現地の農民グループとともに手掛けた「地域における現金収入向上に向けた活動」の一部です。

ザンビアからの要請であれば「数学教育」の課題改善のため、数学教育隊員に扮し、実際にマイナスの入った計算方法の授業をするという活動、ベリーズでは体育隊員として体育の授業中の怪我を予防するための準備運動を考え、音楽に合わせ実際に取り組むといった活動内容になりました。これ以外にもトンガの「ゴミのポイ捨て予防の啓発活動(環境教育)」、モロッコの「手洗いや歯みがきの啓発活動(公衆衛生)」、キルギスの「野菜を中心とした料理の新メニューの提案(栄養士)」の活動がグループごとに展開されました。

高校生たちは、各国の課題を解決しようと真剣に取り組んでいました。その中でも、我々大人がハッとする発想力やデザインセンスなど、まさに高校生一人一人の個性や才能を感じることも出来ました。

また、活動発表として必ず一人一回、自分のグループを代表して取り組んだ活動をプレゼンテーションし、自分の発表以外は、他のグループの活動を順番に全て見て、コメントをするという設定にしました。普段プレゼンテーションをする機会の少ない高校生にとって、発表の難しさだけでなく、グループを代表して自分たちの取り組みを「しっかりと相手に伝える」という責任感も感じてくれたように思います。

プレゼンテーションの後、グループごとに他の参加者から寄せられた意見や自分たちの発表の振り返りをまとめて、それぞれ5分間で発表し、各グループを担当したスタッフから、協力隊員時代に直面した実際の状況(現実に困難だったことや現地の人々の心境など)を参加者に伝え、9:30から14:45まで長時間に亘り取り組んだ「なりきり協力隊」の活動は無事に終了しました。

集合写真

これらのプログラム以外にも、青年海外協力隊体験談や隊員の訓練プログラムを模した朝礼・ラジオ体操、エスニック料理などなど、国際協力に関連するプログラムを体験しました。

今回のプログラムが、何らかの形で高校生のみなさんの将来に少しでもつながって欲しい。これが私たちスタッフの願いです。