青年海外協力隊活動から学んだこと−フィリピンの陶芸を通して−

【画像】森木 由加里

鳥取県国際協力推進員 
森木 由加里

フィリピンでの陶磁器活動

2007年1月から2009年1月までフィリピンのネグロス島にて、陶磁器隊員として活動していました。私のオフィスは陶芸の研究・開発機関に位置付けられており、私は4代目の隊員として派遣されました。陶磁器ボランティアの歴史がある為、現地の陶工達は粘土の調合やロクロ指導などの技術をすでに習得しており、私は次の段階である釉薬(コーティング)の技術指導を行いました。またフィリピンの焼き物についてですが、地方の島々ではテラコッタと呼ばれる800度程度で焼く素焼きがほとんどです。その為、作品もレンガ・植木鉢・甕(かめ)という日常用品程度のもので、お店で売られているコーティングされてある焼き物は、全て輸入物という状況でした。

島の資源を利用して

ネグロス島では良質の粘土が採取でき、自然がとても豊かです。その為、窯焚きの薪にはマンゴーの木とココナッツの殻を使用し、地産地消を心掛けました。粘土も赤土と白土の混じった耐火性の高いものだという事が実験していく中で分かり、今後の可能性を強く感じた2年間でした。現地の陶工達と一緒に思い思いに作品をたくさん作り、願いを込めて窯の中に作品を並べて蓋をしました。まだ、焼成していない段階から、私も含めみんな気分は盛り上がっていました。やはり、ここまで至るまでの準備段階の作業が大変だったからこその喜びでした。

2年間の活動から見えてきたもの

そして、いよいよ「窯焚き」です。3日間続けて現地の陶工達と経験した窯焚きは、1番の思い出であり充実した疲労感も心地よいものでした。窯焚き後の窯出しでは、みんな一喜一憂し陶芸の難しさを体感していたようにも感じました。
最後に窯出しされた作品を使って、私の送別会でフィリピンの料理を盛り付けてみました。作品を作るだけではなく、実際に使ってみることでまた別の喜びが溢れていました。
島の資源を使い陶器を作れた経験は、現地の人達の自信と誇りに繋がったように思います。気がつけば周囲からたくさんの笑顔に包まれて、幸せな2年間でした。

鳥取県国際協力推進員として

2010年3月1日より鳥取の国際協力推進員として業務に携わっています。ふるさと鳥取で、協力隊活動から得ることが出来た経験や思いを伝えていきながら、少しでも世界と国際協力が身近に感じられるような情報を発信していきたいと思っています。

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穴窯 焼成

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展示会