子どもたちの好奇心を形に!(山陰中央新報社 記者 佐野卓矢)

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山陰中央新報社
記者 佐野卓矢

「アフリカは貧しい。でも、かわいそうなだけじゃない」青年海外協力隊員の一人から聴いた言葉が、初めてのアフリカの印象だった。

11月末から12月上旬まで約2週間、アフリカ大陸のブルキナファソ、タンザニアの二カ国を訪問し、山陰両県(鳥取県、島根県)出身の青年海外協力隊員を取材。隊員の活動を通して、貧困や砂漠化といったアフリカが直面する厳しい現実を伝えることができればと考えていたが、取材の中で最も印象的だったのは日本以上に生き生きとした子どもの姿。うらやましいと感じるものがたくさんあった。

ブルキナファソの地方の小学校では、鳥取県出身の植林隊員堀内和香子さんの環境教育の授業を見学。「木がなくなるとどうなりますか?」、堀内さんの質問に次々と手が挙がる。「環境が壊れます」「人は生きられません」元気な声が教室中に響き渡った。質問を終えようとしても、まだ身を乗り出して手を下げようとしない。

日本の学校では、子どもの興味をいかに引きつけようか苦闘する先生の話を聞くが、ここでは勉強が楽しくてしょうがない様子。休み時間にカメラをむけると、児童たちの群集ができ、前列の少女はうれしそうに自慢のノートを開いて見せてくれた。カメラをしまっても、児童たちが続々とついてくる。外国からの訪問者の行動一つに寄せられる目は、好奇心に満ちていた。

別の町では、国際ボランティアデー(12月5日)の奉仕活動に参加。役所の大人たちと紙くずやビニール袋を拾っていると、近くの小学校から児童数人が加わってきた。周囲がきれいになっていくのが気持ちいいのか拾う姿は楽しげで、最後には両手一杯になった「ゴミ」を誇らしげに見せてくれた。

あふれんばかりの子どもの好奇心。しかし、この好奇心に、現地の教育は十分に応えられていない。二人で一冊の教科書を使うなど教材不足は深刻。ゴミ拾いをした児童が通う小学校の校庭はゴミだらけで、ゴミ拾いや清掃は教えられていないようだった。大人社会では、教育の優先順位は高くなく、電化製品を持っていても子どもを学校に通わせていない家もあると聞いた。

5月に横浜市で開催される第四回アフリカ開発会議(TCAD IV)のテーマは「元気なアフリカを目指して:希望と機会の大陸」。アフリカで会った子どもたちの笑顔には、希望があふれていた。しかし、この希望を形にする「機会」がない。国レベルの支援も重要だが、草の根でできるサポートもあるはず。アフリカで見たことを一人でも多くの人に伝えていくこともその一歩だと思う。「自分に何ができるのか」真剣に考えている。

山陰中央新報

灼熱の地を開く 〜アフリカ支援の山陰人〜

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堀内隊員の授業で、さかんに手を挙げる児童たち

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自慢のノートを見せてくれた少女

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テンコドコ市で、子どもたち共に奉仕活動をする記者(ブルキナファソ)

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三人で一冊の教科書を使う児童

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カメラを向けると駆け寄ってくる子どもたち