【教師海外研修 授業実践訪問 第1回】備前市立片上小学校[岡山県]

2012年11月8日

 JICA中国では開発教育支援事業の一環として、毎年「教師海外研修」を行っており、今年度は8月6日(月)〜8月14日(火)の9日間の日程で行われました。

 これは、小学校、中学校、高等学校及び特別支援校において開発教育/国際理解教育教員に取り組む教員の皆さんを開発途上国に派遣し、途上国の現状や文化、国際協力の現場などを実際に視察・体験していただき、その研修成果を授業・教育活動に活かしていただくことを目的としたプログラムです。

【画像】 10月24日(火曜)に、今年度参加者のトップバッターとして備前市立片上小学校の大森洋介先生が小学6年生を対象に「世界の果てまでイッテV in ベトナム」と題した授業をされるということで、早速その授業実践を訪問しました。

まずは大森先生の宝物を紹介

【画像】「今日はベトナムで買った先生の宝物を持ってきました・・・」

 新聞紙で包装された大きな物体を大森先生が取り出すと、児童は興味津々。
「絵だ!」「写真だ!」と中身を当てようとします。先生が新聞紙をはがすと、中から出てきたのは、ベトナムの女性が農作業をする姿を表した刺繍。ベトナムの文化を知る入口として、バッチリ生徒の心をつかんでいました。

写真を通してベトナムを知ろう

 総合的な学習の時間を使って行われた「世界の果てまでイッテV in ベトナム」。一連の連続講座としてベトナムの成果を実践されていますが、今回は大森先生がベトナムで取られた写真を通してベトナムの文化や生活、歴史について児童に知ってもらう内容でした。

 1クラスを6グループに分け、それぞれのグループごとにベトナムの食文化、交通事情、ベトナム戦争、日本の国際協力事業などのテーマで分類した写真を配ります。その後、写真を見て気づいたことを児童は発表しました。

「車とバイクがひしめいている」
「道路に信号が無い」
「飛行機から枯葉剤を撒いている」

 ・・・などなど、児童は、写真から数多くの気づきを得ていました。時には「ベトナムの麺(フォー)は日本のラーメンに比べて油が少ない」といった面白い意見も。これも、多文化を理解するための立派な気づきです。

 各グループで写真の気づきなどを話し合っている児童の姿がとても楽しそうだったことが非常に印象的でした。

 その後、児童たちは今回の授業で気付いたことのいくつかについて、より深く調べるための計画を練っていました。調べた結果については次回の授業で発表されるそうです。

JICA職員へ質問コーナー

 その後、授業に訪問したJICA職員に児童から質問するコーナーを開催。

「なぜJICA職員になったの?」
「仕事でやりがいを感じるのはどんな時?」
「今まで世界何か国に行ったことがあるの?」

・・・などなど、予定した時間では答えられないほど様々な質問が寄せられました。
小学6年生となると、将来について少しずつ考え始める時期。そんな時期に、選択肢のひとつを示せてあげられていれば良いな、と思っています。

授業以外にも研修成果を披露

 今回訪問した授業以外にも、大森先生は精力的に研修成果を周囲に伝えています。例えば、学校の廊下にブースを設置し、ベトナムで撮影した写真やベトナムに関する書籍、JICAの各種パンフレットを並べ、担当するクラス以外の児童にも興味を持ってもらえるような工夫をされています。また、ベトナムから帰国直後に同僚の先生方に帰国報告を実施したり、今回の一連の授業実践を研究成果として取りまとめたりするなど、児童のみならず他の教員の方々へも成果を伝える活動を行われています。

今後の大森先生のご活躍がとても楽しみです。

片上小学校の児童から届いた手紙を紹介します(一部抜粋)

・私は今回JICAのことや、ベトナムのことについてたくさん学びました。この勉強に向きあっていくうちに、楽しく学べることができ、他の国の事が、たくさん学ぶことができました。ありがとうございました!

・ベトナムから世界のことまで、色々勉強になりました。例えば、交通事情、文化や食べ物などのことがよくわかりました。

・私は、最初ベトナムはとても暗い国かと思っていたけど、とても明るい子どもたちがいてびっくりしました。