【教師海外研修 授業実践訪問 第2回】岡山大学教育学部附属小学校[岡山県]

2012年11月22日

 JICA中国では開発教育支援事業の一環として、毎年「教師海外研修」を実施しています。
今年度は8月6日(月)〜8月14日(火)の9日間、ベトナムに訪問しました。

 本プログラムは、小・中・高等学校及び特別支援校において開発教育/国際理解教育教員に取り組む教員の皆さんを開発途上国に派遣し、途上国の現状や文化、国際協力の現場などを視察していただき、その成果を授業・教育活動に活かしていただくことを目的として実施しています。

まずはゲームの説明をします。

メモをとりながら話を聞きます。

10月30日(火曜)、岡山大学教育学部附属小学校の北原和明教諭が小学4年生約30名を対象にスポーツを通して人と交流する楽しさについて体感する授業を実践されました。

児童の皆さんは、前週に「貿易ゲーム(※)」を通して世界の貿易を疑似体験し、南北格差や経済のグローバル化がもたらす問題を考え、互いが協力することでみんなにとってよりよい貿易ができる、よりよい世界になるのではないかということを学びました。

※貿易ゲームとは…紙(資源)や道具(技術)を不平等に与えられた複数のグループ(国家)の間で、できるだけ多くの富を築くことを競い、世界の貿易を疑似体験することで不均衡な世界の貿易システムやこれからの国際協力のあり方を考えるワークショップです。

そして今週は、不公平な道具や人数配分されたグループでどれだけ楽しめるか、どうすれば楽しめるか体験を通して考えることを目的に実践されました。
この授業は、スポーツ(sport)の語源が「気晴らし」や「楽しみ」「遊ぶ」などを意味する「disport」が変化した言葉であることから、子どもたち自身が工夫することで楽しさが倍増するということを実感的に学んでほしいという願いから北原教諭自身が考案されたものです。

ゲームについて

工夫しながら楽しみます。

(1)くじ引きをひき、人数もバラバラのグループを編成する。
(2)割り当てられた場所でグループメンバーと決められた道具のみで遊ぶ(約15分間)。
(3)集合し、ゲームの「楽しさ」を評価する。
  「楽しさ」は参加者各人が楽しいと感じたら3点、ふつうは2点、つまらないは1点として評価する。
(4)2回目はグループ外の人とも工夫して遊ぶ(約15分間)
(5)2回目の「楽しさ」評価
(6)振り返り
   なぜ1回目より2回目の「楽しさ」評価が高くなったのか、全体で意見交換

・共通点として、各グループに1つ、ダー・カウ(※)と呼ばれるベトナム独特のスポーツで使う羽を配布した。

※ダー・カウ(đá câu)とは…ダー・カウはサッカーのリフティングや日本古来の蹴鞠などのように、ボールを蹴飛ばして遊ぶものです。ただし、このダー・カウはボールではなく、軽い重りがついた羽根を使います。今回児童は、初めてダー・カウを使うということで「手を使ってもよい」という設定でゲームをしました。

ダー・カウの羽(長さ約15cm)

1回目のゲームでは戸惑った様子が見られた児童のみなさんでしたが、2回目のゲームではグループ外の友達とも情報交換しながら活発に動き、楽しそうな笑い声があちらこちらから聞こえてきました。
振り返りの時間、「楽しさ」評価が上がった2回目の結果について、児童からは「みんなで協力したから」、「みんなでアイデアを出したりした方がおもしろい」、「大勢の方が楽しい」という意見が出ました。
「如何に楽しむか」に注目し、どうすれば「みんなが楽しく遊べるか」を考えることは、児童にとって身近で理解しやすいトピックスであったようです。
最後に北原教諭はベトナム現地研修でのスポーツ交流を例に挙げ、言葉の壁を越えて楽しめるスポーツの良さを児童に話されていました。児童のみなさんも教諭のベトナムでの経験を興味深く聞き入っており、スポーツがつなぐ世界について考えるきっかけになったのではないでしょうか。