【教師海外研修 授業実践】岡山県立津山高等学校

2015年12月25日

「ラオス」を通じて世界のエネルギーを考える

常井仁美教諭

JICA教師海外研修では様々な国を訪問しますが、どの国を訪れても一番大事なのは「その国『を』学ぶ」ではなく「その国『で』学ぶ」という視点です。2015年12月18日(金)、岡山県立津山高等学校の常井仁美教諭は地理の授業の中でラオスを事例として取り上げ、世界のエネルギー問題を生徒に考えさせました。

最初にラオスの生活が分かる写真を生徒に見せました。炭で魚を焼いているところや未舗装の道路に電線が並ぶ町の様子、村にあるパラボナアンテナ、カフェなどの写真をスライド形式で映写します。何気ないラオスの日常ばかりですが、すべて様々なエネルギー資源を使った場面です。これらの写真から想像し、ラオスのエネルギー使用状況と最も近いタイプの国はどこか、をグループごとに考えました。
1グループのみがブラジルと答えた他はすべて中国という回答がそろいました。

ラオスで見つけた地図を
教材として使います

教師海外研修で訪問する国は「開発途上国」とされる地域なので、その後の授業実践では多少なりとも経済格差や貧困といった単語が出てきます。それだけに注目してしまうと「途上国はかわいそう」といった感想を抱いてしまいがちですが、エネルギー問題からみるラオスはとても活気あふれる元気な国でした。
各家庭への電気普及率をしめす電化率はラオスで87.6%と、周辺国であるカンボジア・ミャンマー・ベトナムと比較しても非常に高く、2020年までに95%を目指しています。電気の産出方法はメコン川による水力発電がほぼ100%に近く、将来的には国の産業として「東南アジアのバッテリー」を目指すという政策もあるとのこと。現在もすでに隣国タイへ送電しており、今後は中国、カンボジア、ベトナム、シンガポールなどへの送電計画もあるそうです。
地理は当たり前ですが、どの単元でも世界のことに触れる機会がある教科です。今回の常井教諭の授業では「ラオス『を』学ぶ」のではなく「ラオス『で』世界のエネルギーを学ぶ」ことができました。常井教諭が現地で見聞きし、体感したラオスの現状を通じて世界の諸問題を考える授業は、きっとこれからも続いていくことでしょう。