【施設訪問レポート】「異文化」「格差」から考える世界−広島県立御調高等学校−

2016年4月26日

2016年4月22日金曜日、広島県立御調高等学校から2年生62名がJICA中国を訪問してくれました。
国際協力活動の必要性やJICA事業を紹介する講義や、青年海外協力隊の体験談、世界の問題を考えるワークショップ体感まで、さまざまなプログラムを通して、世界の「今」を知ってもらいました。

なぜ国際協力が必要なのか

体育館での講義の様子

「この国旗、どこの国のものか分かりますか?」
最初に示された国旗は、星条旗やトリコロールなど、いずれも見慣れたものばかり。高校生にとっては簡単な問いに「アメリカ」「フランス」「イギリス」「ドイツ」とすらすら答えてくれた皆さんでしたが、その後示された国旗の数々には首をかしげる人ばかりでした。それらは「開発途上国」とされる国々のもので、このことからも私たちがいかに「世界」を先進国の視点から見ているかが分かります。最初の講義では、私たちの生活がどれだけ途上国を含めた全世界とつながっているか、なぜ国内にも多くの問題がある中で国際協力を行うのか、などを知ってもらいました。

異文化を知ろう−青年海外協力隊体験談−

さて、これは何でしょう?

松原勇作さんは、青年海外協力隊員としてスリランカに派遣されました。「スリランカ」と聞いて、場所や首都名、産業、国の概要がすぐに思い浮かぶ人がどのくらいいるでしょう?きっと大人でもほとんどいないのではないでしょうか。しかし、日本という国が戦後復興し、経済大国の道を歩むことができたのは、実はスリランカという国の存在があったから。松原さんは、そんな歴史的つながりをとても分かりやすく解説。現地の食文化や習慣などはクイズ形式で紹介してくれました。
また、青年海外協力隊へ参加した理由、ソーシャルワーカーとして感じたこと、現地の人とかかわる中で得られた感動など、写真を使って楽しく話してくれました。

ちょっとブレイク−エスニック料理と民族衣装・楽器体験−

民族楽器を体験!

どんなに楽しくてためになる話も、ずっと聞き続けるだけではちょっと疲れてしまいます。午前中のプログラムの後は、2グループに分かれてエスニック料理バイキングと民族衣装・民族楽器をそれぞれを堪能。
エスニックランチでは、レストラン「ラコルト」に豚肉料理がない理由、「HALAL」と書かれたメニューの意味などを学び、頭と舌で世界の文化を知ってもらいました。
また、多くの民族楽器に触れ、実際に民族衣装を試着できるのも施設訪問プログラムの楽しみのひとつ。国際色豊かなJICA中国ならではの時間を、生徒の皆さんに笑いながら過ごしてもらえたようです。

体感する世界の格差と不平等

「貿易ゲーム」実践中

午後は、ワークショップ「貿易ゲーム」*を、2グループに分かれて行いました。ゲームを通じて、先進国や途上国、後発途上国の状況や、グローバル経済のひずみと格差、そしてそれらが人々にもたらす感情といったものをリアルに体験していただきました。ゲームとしての悔しさ、空しさ、不条理さ、優越感や罪悪感といった様々な感情を抱く一方で、現実社会で私たち日本人を取り巻く環境、途上国が置かれている現状を、頭ではなく心の部分で、わずかであっても実感してもらえたのではないでしょうか。

*「貿易ゲーム」:「貿易」を中心に、世界経済の動きを擬似体験することによって、そこに存在するさまざまな問題について学び、その解決の道について考えることを目的としたシミュレーションゲーム。今回活用した「新・貿易ゲーム」は、オリジナル版『貿易ゲーム(THE TRADING GAME)』の制作・発行者であるクリスチャン・エイド(Christian Aid/イギリスの開発NGO)より、その著作権および版権の使用に関して協力を得て2001年に開発教育協会と(財)神奈川県国際交流協会が共同で制作したものです。

今回のJICA中国訪問が御調高校の皆さんにとって、世界について、日本について、そして自分自身についてわずかでも考えるきっかけになっていれば、訪問前よりほんの少しでも「世界っていろいろ面白い」と感じていただけたのなら、こんなに嬉しいことはありません。