【学校訪問レポート】広島県立西条農業高等学校[広島県]

2016年9月5日

JICA中国に滞在中の「乾燥地における持続的農業のための土地・水資源の適正管理」コースの研修員9名が、7月28日、広島県立西条農業高校を訪問しました。研修員の出身国は、アフガニスタン、ブルキナファソ、イラク、ニジェール、パレスチナ、南スーダン、スーダンの7カ国です。農業に関する研修を受けている研修員にとって、農業高校の見学はとても興味深かったようで、生徒や先生と、英語とジェスチャーで会話をしながら、楽しく交流しました。

ドキドキしながらの自己紹介

「とても小さいので、後でインターネットで探してみて」と、パレスチナの場所を説明する研修員

学校に到着し、まずは会議室で代表の生徒5名と教員に挨拶。研修員は、「自分の国をぜひ紹介したい」と自国の地図・国旗・あいさつ(こんにちはとありがとう)をまとめた資料を持参して、自己紹介をしました。
 「ここがアフガニスタンです。これがアフガニスタンの国旗です。“こんにちは”は、サラームで、ありがとうはマナナです。」と研修員が緊張しつつ英語で紹介。生徒は真剣な表情でそれを聞き、研修員と一緒に「サラーム!」、「マナナ!」と挨拶の練習をしました。
 他にも、「サラームアレクン!」、「シュクラン!」(イラク)や、「マダン!」、「ティナテ!」(南スーダン)など、色々な国の挨拶を学びました。

日本の農業に興味津々!

かかっている袋を外して、興味深そうに中のブドウをチェックしているアフガニスタンの研修員

自己紹介の後は、園芸科の実習に移りました。ぶどう畑、茄子畑、収穫後の畑の片付けなどを見学しました。研修員は日本の農業の方法に興味津々で、聞きたいことがいっぱいです。引率スタッフや英語科の先生の手が空くのを待てないようで、言葉が通じなくても、ジェスチャーや単語で先生や生徒に、どんどん質問していました。
「どうしてぶどうに袋をかけているの?」
「これだけの敷地でぶどう栽培をするために、1日に何リットルの水を使用しているの?」
 また、鳥よけネットや熱湯による土の除菌は研修員の国にはないようで、何人もの研修員が、「あれは何のためのもの?」と質問していました。草よけのマルチシートは使っている国もあり、「あの黒いシートは何?」と聞いている研修員もいれば、「マルチシートは、僕の国でも使っているよ!」と言っている研修員もいました。
茄子畑では、スーダンの研修員から茄子の値段について質問がありました。日本とスーダンでは、茄子の値段が3倍ほど違う(スーダンの値段は日本の1/3)とのこと。生徒も研修員も物価の違いに驚いていました。
研修員との会話から日本との違いや共通点を生徒は学びました。「アフリカでも日本に近い農業をしている所が多いことが分かった」、「外国の農業を少し知ることができた」という感想があり、生徒と研修員の両者に良い刺激になりました。

農作業はお手のもの

生徒と協力して、ネットを巻き取っているブルキナファソの研修員

スコップで土を掘り返す作業が、かなり板についている南スーダンの研修員

研修員は、母国で農業に関わっており、実際の農作業も手馴れています。生徒と一緒にネットを回収したり、マルチをはがしたりしたのですが、手つき・腰つきがプロそのもので、生徒からは、「おぉぉ〜!」と歓声が上がっていました。
 一緒に汗をかきながら作業をして体を動かすことで、言葉はなかなかスムーズには通じなくても、あっという間に研修員と生徒の距離が近づいていました。高校生から、「暑い!」という日本語を教えてもらって、研修員も一緒になって、みんなで「暑い!」、「暑い!」と言い合いながらの作業。暑い日にもかかわらず、同じ言葉をみんなで言いながら楽しそうに作業を進めていました。

「スイカ、おいしい!!」

日本のトマト、おいしい!

夏の暑さの中での作業の終わりには、とっておきのご褒美を学校が用意してくれていました。学校の畑で取れたスイカです!瑞々しいスイカをどんどん食べていく研修員と生徒。大きな箱いっぱいに入っていたスイカは、あっという間に空になりました。研修員は生徒に「スイカ」と「おいしい」という日本語を教えてもらい、みんなで「スイカ、おいしいー!!!」と叫んでいました。
 会議室に戻った後は、生徒が英語で学校紹介を行いました。研修員からは「この素晴らしい学校に通うための学費はどのくらい?」、「7つの学科のうち、一番人気のある学科は?」、「この学校で研究した結果は、農家に技術提供しているのですか?」など、たくさんの質問が上がっていました。
 最後に、採れたてトマトをおみやげにいただき、学校を後にしました。研修員はとても楽しかったようで、帰りのバスの中でもずっと、生徒と一緒に行った作業について話をしていました。日本の学校を見学し、日本の高校生と心を通わせる。今回の経験は研修員の日本滞在の中でも忘れられない思い出の一つになったようです。