【実施報告】まつえでセミナーを開催しました

2016年9月6日

JICAは”途上国も日本も元気にする国際協力”を目指しています。
「JICAを上手に活用してもらい、中国地方の地域創生に役立ちたい!」という思いから、2016年8月24日、松江市で「〜地域の国際協力、企業の海外展開を応援します!〜地域創生のためのJICA活用法inまつえ」を開催しました。
本セミナーでは、JICA中国が管轄する中国5県(岡山・広島・山口・島根・鳥取)の中で、実際にJICAの支援メニューを活用している自治体や企業からの事例発表とJICAの事業や取り組みについての紹介をしました。

JICA発の「地域創生」とは?

たくさんの来場がありました

JICA中国 所長より、JICAの役割と取り組み、島根県とJICA中国の関わり、地方自治体やNGO、中小企業を対象とした事業を紹介。これらの事業は日本も元気に出来る取り組みであること、途上国と日本の“双方にメリット”がある事業であることを強調しました。
JICA中国では3つの仮説をもとに事業を展開しています。それは、(1)自治体や中小企業が持っている技術・知見・ノウハウは開発途上国にも役立つ(2)特に少子高齢化や人口減などの日本が先行して抱える課題は、地方自治体に多く技術・知見・ノウハウが蓄積している(3)それらの知見・技術・ノウハウを用い途上国と共有することは、地方の国際化や地域活性化にも貢献するという仮説です。この仮説をもとに企画された支援メニューを、自治体や中小企業が活用することの意義を参加者に明示しました。
続いて、JICA本部国際協力人材部より、地域活性化に必要なグローバル人材の確保方法について、JICAで運営している人材マッチングサイト「PARTNER」の具体的活用例を紹介しました。

どうやってJICAを活用するの?

JICAを上手に活用している広島県商工労働局の発表

JICAを上手に活用して、地域の活性化に取り組む事例として、広島県商工労働局に発表をしてもらいました。「商工労働で地域活性?」と思われるかもしれませんが、地域の中小企業の海外展開を地方自治体が支援することで、その利益が地元に返ってくるというストーリーはよく語られています。JICAには中小企業が対象の支援もあれば、地方自治体が企業集合体の代表として利用できる支援もあり、これを地方自治体の方々に知ってもらうことも本セミナーの目的の一つでありました。

広島県商工労働局では、広島県の成長戦略の一つとして、特に環境浄化ビジネスに着目して、環境問題が深刻化するアジア地域へ事業展開する中小企業を支援しています。その取り組みの一つとして、経産省やJETRO、JICA等の支援を複合的に受けながら、中小企業の海外展開の促進に取り組んでいます。。現在はJICAの「草の根技術協力事業」に採択され、広島県企業の海外展開の足掛かりを作る段階と位置付け、次の段階で「中小企業海外展開支援事業」を用いて本格的な企業の海外展開に繋げる予定であることなど、海外ビジネス推進のためのロードマップを発表しました。

広島県がベトナムでの環境ビジネスを推進するにあたり、先方自治体との協定締結や現地調査を重ねてきましたが、最終的には事業の採算性が合わないと判断したとの発表に、参加者から具体的な理由について知りたいとの質問が挙がりました。それに対し、日本と社会環境やビジネス環境の違う途上国で、日本では予測できなかった事が起こることもあり、今回の事例では「安全な水」に対価を払う社会環境がベトナムでは育っていないということが判明したため、事業化は見送ることになった、と説明がありました。

私が利用できるJICAの支援は何?

第二部は分科会形式で開催。分科会「中小企業の海外展開支援事業」の様子

分科会「国際協力事業と地域創生」の様子

第二部では、主に「中小企業の海外展開支援事業」と「国際協力事業と地域創生」に分かれて、セッションを行い、セミナー参加者には、より興味のあるJICA支援策を選んで参加してもらいました。

「中小企業の海外展開支援事業」セッションでは、現在JICAの支援を受けながらベトナムでビジネス展開の調査を行っているテクノプロジェクトが発表しました。JICAを活用するにあたって社内での意思決定のプロセスや、実際にプロジェクトが始まってからの苦労、現地の方々とのコミュニケーションなどの話に、参加者から、「自分も同じ苦労をした」「実際に海外展開することになれば同じような苦労をするだろうことが分かって良かった」等の声がありました。

「国際協力事業と地域創生」では、途上国からの研修員の研修先の一つである島根県地域国際交流協会連合会および海士町役場、最後に青年海外協力隊OVより事例発表がありました。島根県地域国際交流協会連合会からは、途上国からの研修員を受け入れることにより、自分にはない価値観や考え方に触れることで新しい発見があり、知的な拡がりを感じる、との話がありました。海士町役場からは、人口減少や少子高齢化などの課題を抱えながらもJICAと関わりを持つことで離島に人の流れを作り、外国人の生の感想からインバウンドにつながるアイディアを得ることができるなど、地方創生と観光という両方のアプローチからの意義が語られました。最後に、青年海外協力隊OVからは、隊員としての活動中にできなかったことが帰国後の課題になり、日本での就職の際に役に立ったと、隊員活動を終えて帰国してから、就職に至るまでの経験談が語られました。

途上国も日本も元気にするODAとは? 〜セミナーを終えて〜

当日の会場では、JICA事業のパネル展も開催

当日は、島根県内を始め、鳥取、広島、岡山などから、約60名の参加者があり、島根県、鳥取県内の地方自治体をはじめ、中小企業、大学関係者、国際センターなど、行政機関、団体、一般の方まで幅広い層の方々にお集まりいただきました。また、新聞社からも2社取材を受け、セミナー開催について広く報告することができました。特に、第二部では、すでにJICAの支援制度を利用している団体から多くの事例を出してもらい、意見交換することで、参加者のみなさんが少しでもJICAについて知っていただくきっかけになったのではないかと思います。
 
 今後も、私たちJICA中国の重要な役割の一つである「地方を元気にする」ために、「途上国も中国地方も元気にする」をモットーにセミナーを開催していきたいと思います。

(記:総務課橘)