【学校訪問レポート】神石高原町立神石小学校 [広島県]

2016年12月27日

神石高原町立神石小学校への学校訪問

開発途上国から来広中のJICA研修員15名が、12月6日に神石高原町立神石小学校を訪問しました。研修員の出身国は、イラク、ウガンダ、エチオピア、ブラジル、ブルキナファソ、ブルンジ、マラウイ、モザンビーク、リベリア、ルワンダの10カ国で、日本に来て道路維持管理について学んでいます。研修員は、日本の学校を訪問するのは初めてです。出発前は「子どもは外国人に慣れていないでしょう?怖がられたらどうしよう。」と心配している研修員もいました。 しかし、迎えてくれた子どもたちのパワーがそんな研修員の心配を吹き飛ばしてしまうほど楽しく充実した一日となりました。

子どもたちのパワーに驚き

子どもたちと「猛獣狩りに行こうよ」ゲームを楽しむ研修員たち。

学校に到着してすぐに教頭先生から「子どもたちは、とても楽しみにしています。」とお言葉をいただき、不安げな研修員も少し安心したようです。とはいえ、子ども達に会うまではまだまだ緊張した面持ちで待機していました。

その頃、全校児童58人が、研修員の歓迎の会をするために広い教室で待っていてくれました。研修員が一人ずつ教室に入るたびに、子どもたちから大きな声で「ハロー!」と声が掛かりました。子どもたちの大きな「ハロー!」の挨拶と笑顔を見て、研修員も一気に緊張がとけ、笑顔になりました。

校長先生と児童会代表の挨拶の後、今度は研修員の番です。一人ずつ自己紹介をしました。「ハロー。マイ・ネーム・イズ…」と名前と国を言う度に、子どもたちが大きな声で「○○さん!」と研修員の名前を呼んでくれました。自分の名前を日本の子どもたちが笑顔で呼びかけてくれることに研修員は感動し、大喜びでした。

自己紹介に続いて、児童と研修員が一緒になって「猛獣狩りに行こうよ」というゲームをしました。音楽に合わせ踊りながら「猛獣狩りに行こうよ、猛獣なんて怖くない♪」と歌い、最後に叫んだ動物の文字数でグループを作ります(例:「トラ」なら2人組)。研修員も、歌詞は分からなくても、子どもたちに混ざって大きく踊り、歌い、自分から児童の手を取って積極的に参加していました。学校に到着した時は寒がっていた研修員ですが、子どもたちの元気な動きと大きな声に圧倒されながらも、汗だくになりながら、負けじと大きな声を出していました。このゲームであっという間にお互い打ち解けて、研修員と子どもたちは、手をつないだり、ハグをしたり。教室中が楽しそうな声と笑顔でいっぱいになりました。

研修員、初めての給食

箸の使い方を教えてもらっている、ブルンジ出身の研修員。

ゲームの後は、各教室に分かれての給食体験です。研修員に、「今日、一緒に給食食べる?」と話しかける1年生の女の子。通訳を挟んで、「一緒に食べるよ。」と研修員が答えると、女の子は満面の笑顔になり、「一緒に行こう!」と言って、研修員の手を引いて教室に案内していました。

この日のメニューは、ご飯、筑前煮、野菜のピーナッツ和え、ふりかけ、牛乳です。この中で、研修員から一番多く「これは何?」と質問があがった食べ物はふりかけ。研修員には青い小袋に入ったふりかけが何か分からず、まずは子どもたちがご飯にかける様子を観察しています。茶色の粉状の食べ物を見て、「これは塩?」と聞く研修員。子どもたちは「魚粉のふりかけ」だと魚の絵を指差したりして、一生懸命説明していました。箸を使って食事をするのも、研修員には初めての体験。子どもたちに教えてもらいながら、挑戦していました。

一緒に遊ぼう!

「もう疲れた〜」と言いながらも、子どもたちに囲まれて、とても嬉しそうなルワンダの研修員

みんなサッカーに夢中。ボールが1つあれば、言葉は通じなくても、すぐ友達に。

一緒にサッカーをしてますます仲良くなった子どもたちは、研修員に肩車やおんぶをおねだり

給食の前から、研修員たちに「給食を食べ終わったら、一緒に遊ぼう!」と話しかけていた子どもたち。昼休憩になると、一緒に遊ぶのが待ちきれない子どもたちから「早く!早く!」と急かされながら、子どもたちと手をつなぎ、女性研修員は体育館へ、男性研修員はグランドへ向かいました。

体育館では、女性研修員は子どもと追いかけっこをして遊びました。走っても走っても、全く疲れない子どもたちを相手に、研修員は汗だくで息も上がっています。「ちょっと休ませて〜」と言って座り込んだ研修員の周りに、また子どもたちが集まってきます。 

グランドでは、ブランコで遊ぶ女の子グループと、サッカーをする男の子グループがいました。サッカーは、研修員チームVS子どもチームの対戦です。人数は子どもたちの方が多いですが、背も高く体も大きい研修員は、開始早々に1点取ってしまいます。それを見て、「すごい!すごい!」と大興奮の男の子たち。普段ほとんど運動をしないという研修員は、転んで泥だらけになりながらも楽しそうな笑顔を見せていました。

「僕たちと同い年だ!!」

お手玉に挑戦中のエチオピアとリベリア出身の研修員。「難しい!」

すごろくをするリベリア出身の研修員。「家のリビングで自分の子どもと遊んでいる気分だよ!」

12歳の男の子2人に立ってもらい、「僕の息子の背はこのくらいかな」と話すマラウイの研修員。

休憩時間の後は、低学年・中学年・高学年で3部屋に分かれて、研修員が母国の紹介をしたり、児童が日本文化の紹介をする時間です。

低学年のクラスでは、イラク出身の研修員が地図を見せながら、「日本はここです。イラクはここです。」と言うと、「日本よりちょっと下のほうだ!」、「日本と近い!」と、すぐに子どもたちから声が上がります。お国紹介の後は、こま遊びやお手玉をして、一緒に遊びました。

中学年のクラスでは、研修員が自分の子どもの写真を紹介していました。ウガンダ出身の研修員が「これは僕の息子で、9歳です。」と言うと、「同い年だ!」、「私も9歳!」と子どもたちから元気に手が上がりました。また、ブルンジ出身の研修員が、「She is 2 years old.(彼女は2歳です。)」と娘を紹介すると、通訳が入る前に、「2歳だってー!」という子どもたち。直接研修員が話す言葉を理解でき、うれしさもひとしお。お国紹介の後は、4グループに分かれて、折り紙やすごろく、ドミノ倒しにめんこ遊びを楽しみました。

高学年のクラスでも、研修員が子どもの写真を紹介していました。マラウイ出身の研修員が12歳の息子を紹介すると、子どもたちから「かっこいい!」と声が上がります。また、「 『こんにちは』は『サラーム』、『ありがとう』は『アムセグナッロ』です。」とエチオピア出身の研修員が自国の言葉を紹介すると、子どもたちも大きな声で「サラーム!」、「アムセグナッロ!」と繰り返していました。子どもたちからは習字を教えてもらい、素敵な作品が出来上がりました。

名残惜しいお別れ

集合写真のプレゼントに喜ぶルワンダの研修員たち

最後まで子どもたちに囲まれる研修員たち。「みんな、とってもかわいい。離れがたいよ!」

子どもたちの姿が見えなくなるまで、ずっと手を振り続ける研修員。「日本滞在中で、最高の1日だったよ。」

楽しい時間はあっという間で、もうお別れの会の時間です。教頭先生から、「Did you have a good time?(楽しんでいただけましたか?)」と聞かれ、研修員たちは口々に大きな声で、「イエス!!」、「Of course!(もちろん)」、「It’s the best.(最高でした)」と答えていました。

最後に、子どもたちから2つプレゼントがありました。1つめは合唱。声を揃えて、大きな声で歌う姿に研修員たちはみんな感動していました。2つめは歓迎の会で撮った全員の集合写真です。「これは宝物だよ!」と研修員は嬉しそうに受け取っていました。

そして、バスに乗り込む直前まで、研修員にサインをもらったり、握手をしたり、ハグをしたりと、研修員のそばを離れなかった子どもたち。研修員はこの学校訪問がとても楽しかったようで、帰りのバスの中でもずっと、子どもからもらったメッセージカードや折り紙や書道の作品を自慢しあったりしていました。また、子どもたちの合唱の動画を見ながら、歌詞は分からなくても、みんなで「ラ〜ラ〜ラ〜」と歌ったりしていました。
「子どもたちの笑顔が忘れられない。」、「子どもたちは、僕たちを怖がるどころか、長年知っている友達のように接してくれた。日本の子どもたちに感動したよ。」と話していた研修員たち。自分たちを暖かく迎えてくれた神石小学校の子ども達のことを研修員はこの先も忘れることはないでしょう。