【JICAだより】南アフリカ共和国から現地レポートをお届けします

2016年7月2日

藤井さん



26年度4次隊 南アフリカ共和国 数学教育
シニア海外ボランティア
藤井祐一さん(山口県山口市)
2016年5月22日(日)中国新聞SELECT掲載
※中国新聞社の許諾を得ています

視覚に訴える授業を展開。数学教育を改善

藤井さんの作った教材を電子黒板に映し、図形を教える現地の先生

私は昨年の3月下旬から、南アフリカ共和国の北東部ヘイジービューという地域で国際協力機構(JICA)のシニアボランティアとして、数学教育の活動に携わっている。任務は数学の先生の指導であり、地域の5つの小学校を巡回し、小学4年生から中学1年生の授業の改善に取り組んでいる。 
アパルトヘイト(人種隔離)政策時代にまともな教育を受けられなかった黒人層は、親としても、教師としても、次の世代を教育するという点において大きな困難を抱えている。国の経済発展に伴って、求められる労働力需要が肉体労働から技術力へと重心を移しつつある中で、教育の格差が黒人青少年の社会進出を妨げ、格差拡大の要因になっていることは否めない。
この国の教育課程では、小学4年生からは各教科とも専任の先生が英語で教えることになっているが、普段使わない英語での授業に子どもたちは少なからず苦闘している。そのため私は視覚に訴える授業の展開やそのための教具の開発に力を入れている。また、最近導入されつつある電子黒板に対応できるコンテンツの開発にも期待が寄せられている。
経済の均衡ある発展とそれを支える労働力の育成がこの国の主要な課題であり、理数教育の向上はその解決に欠かせないと考えている。数学の特徴である論理的思考という共通点に依拠しながら、現地の先生たちと力を合わせて、この国の数学教育改善に少しでも寄与したい。