【JICAだより】ケニアから現地レポートをお届けします

2016年7月19日

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25年度1次隊 ケニア 村落開発普及員
青年海外協力隊
永瀬光さん(島根県松江市)
2015年6月7日(日)中国新聞SELECT掲載
※中国新聞社の許諾を得ています

農業の担い手 指導に力

堆肥舎を建てた若者と並ぶ永瀬さん(右)

首都ナイロビから北西約110キロ、直通バスで約3時間走ると緑に覆われた農村が見えてくる。砂漠、サバンナ、ジャングルといったアフリカのイメージとはかけ離れた光景だ。3千メートル級の山が連なるアバデア山脈の麓にあるエンジニア地区。標高約2500メートルの高原地帯が広がる。地方政府が管轄する農務官事務所に配属され、地元農家の生活と営農指導、加えて収入向上策を検討している。

農家の多くは1エーカー(約40アール)にも満たない土地を耕す。ジャガイモ、キャベツ、ニンジンなどを栽培する傍ら、乳牛から得られる現金収入で暮らしている。電気も水道も普及していない。農業に関する基礎的な知識も持たない農家が多く、生産性も低い。その中で「技術を向上させもっとお金を稼ぎたい」と悪戦苦闘する就農2年目の30歳の若者に出会った。「栽培技術などの改善により利益が出ることを実践して皆に見せよう、それが将来の発展に貢献する」と心に決めた。そして、この若者とほぼ毎日農作業を重ねている。

若者は唯一持つ電化製品であるラジオから農業に関する情報を入手し、独学で栽培を勉強していた。彼の畑の一角で有機肥料を手作りし、新規商品作物候補としてブロッコリーを栽培し始めて1年半が過ぎた。最近、町内で販売を始め、わずかだが現金収入につながってきた。若者にはこの国の新しい担い手、地域の将来のリーダーとしての活躍にも期待したい。