【JICAだより】フィジーから現地レポートをお届けします

2016年8月26日

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26年度1次隊 フィジー 美術
青年海外協力隊 
榎 砂千可さん(広島県江田島市)
2015年8月30日(日)中国新聞SELECT掲載
※中国新聞社の許諾を得ています

感謝の気持ち肌で実感

カトリック教会の学校近くのバス停。週末、帰宅する子供たちに笑顔が広がる

南太平洋のフィジーに昨年7月着任し、子どもたちの図工指導に取り組んでいる。活動地はフィジー諸島でビティレブに次ぐ第2の島であるバヌアレブ。中央部のランバサという町にある国の教育事務所を拠点に、島内の小学校を巡回指導している。

教育現場では、画材などはまだ十分ではなく、2セットの色鉛筆を40人で共有するなどしている。実際の授業では紙を切り貼りしてシャツを作ったり、紙の上に浜辺の砂をまいて海を描いたり。子どもたちは感受性豊か。人々は身の回りにあるさまざまなシーンで感謝を忘れず、元気に暮らしている。

最近訪れたカトリック教会の小学校でその感謝の気持ちを肌で感じた。この学校では100人ほどのうち90人が家族と離れ寮に住む。指導の後、自ら洗濯などをする子どもたちや保護者を手伝おうとすると、一人の先生が「あなたはそこに座っていて。私たちはここにあなたがいるだけでうれしい」と言う。食事は保護者が交代で担当しているが、洗濯はまだ幼い1年生も自分でする。

カトリック教会の学校はこの地域で一カ所。子どもたちはバスなどで週末、家で家族と過ごし月曜日の朝に戻る。3〜4時間かけ、歩いて来る子どももいる。未舗装の道は、風が吹けば砂が舞い、所々は赤土でよく滑る。この道のりを歩くのかと思うと気が遠くなるが、子どもたちは粗末なサンダルや裸足で今日も元気いっぱい山を越えていく。