インターンによる「広島平和学習」レポート

2017年3月23日

JICA中国では、タイから広島大学工学研究科博士課程に留学中のパークサン・ナッタシャーさんを3月6日から約3週間、インターンとして受け入れています。
以下、ナッタシャーさんの研修同行レポートです。

私がレポートします!

JICA横浜所管の長期研修員25名はアジア・アフリカ12カ国から来日し、横浜周辺の大学院へ通っています。今回、3月16日から2泊3日の日程で、世界の平和推進へ意識を深めることを目的とした「広島平和学習」に参加しました。広島平和学習はどのようなものだったか、研修の様子を紹介します。

2017年3月16日(木)

広島平和記念資料館内部

ヒロシマの復興の歩みを学びました

原爆ドームとおりづるタワー

【広島平和記念資料館】
新幹線で広島駅に到着後、まず向かったのは広島平和記念資料館です。資料館に入る前に音声ガイドとお土産のハガキを受け取りました。このハガキは折り鶴再生紙を使用して作られているそうです。世界平和に寄与すると共に環境にも良い価値のあるお土産です。
資料館の中は被爆者の遺品や写真や資料などが展示されていました。研修員は見学しながら「戦争はひどくて、気が重くなった。」と話していました。展示されている遺品が本物だと知り、驚いた研修員もいました。残念ながら、改修工事が行われており、一部の展示は見れませんでした。資料館では、第二次世界大戦の歴史や原爆投下により被爆した広島について学びました。

【平和都市ヒロシマの歩み】
次に小林洋子先生(ひろしま通訳・ガイド協会会員)による「平和都市ヒロシマの歩み」という講義を受けました。被曝した広島がどのように復興していったのかを聞かせてもらいました。戦争後の広島は短い間に水道と電気が再開されました。それから、路面電車も運転開始し、銀行も営業を再開し、通帳がなくても預金の引き出しができたそうです。
広島だけではなく、日本全国、他国も広島の復興を支援し、広島は「軍都」から「平和都市」へ転換しました。起こった悲劇を忘れないことで、世界恒久平和に寄与することが研修員に伝わりました。
研修員には「Hiroshima’s Revival」(企画・発行:中国放送)というマンガも配られました。広島の人々は廃墟からどのように立ち上がったのか、このマンガでも伝えられています。

【広島平和記念公園 散策】
この日の最後に広島平和記念公園を散策しました。園内にある「原爆死没者慰霊碑」は、広島市を平和都市として再建することを祈念して建てられました。屋根の部分は被爆者の霊を雨露から守りたいという気持ちを表しているそうです。ここから見通すと原爆ドームが見えます。「原爆ドーム」はユネスコの世界遺産で登録され、世界中によく知られています。ここで研修員は記念写真を撮りました。
「原爆の子の像」は佐々木禎子さんをはじめ、原爆で亡くなった子供たちのために慰霊碑として建てられました。佐々木禎子さんは2歳の時に被爆しました。10年後突然白血病になり、入院しました。「鶴を1000羽折ると病気が治る」と信じて一生懸命折りました。しかし、治らず亡くなりました。そこから、千羽鶴が平和のシンボルになっています。
広島平和記念公園は、世界の恒久平和を願って爆心地に近いこの場所にあるそうです。

2017年3月17日(金)

人気の車「ロードスター」と一緒に

初めてのお好み焼きに笑顔で挑戦

水本先生の講座ではたくさん質問が挙がりました

縮景園の池のほとりで

【マツダミュージアム】
二日目は朝からマツダミュージアムに向かいました。「マツダ」は広島で生まれた世界的に有名な自動車のメーカーです。
ミュージアムには、マツダの昔から現在までの様々な車のモデルが並んでいます。ここは人気があり、研修員たちは車に乗ってみて、たくさんの写真を撮りました。
マツダと広島の復興はどのような関係があるかというと、復興を支えるためにマツダは市民用三輪トラックの生産を続けました。戦後復興についてはマツダのショートムービーで紹介されました。
続いて、マツダの技術やデザインや車づくりのプロセスを紹介してもらいました。そして、車づくりはどのようなのか、実際に工場で見学できました。1日1000台も生産されているそうです。

【お好み焼き体験】
広島といえば「お好み焼き」が名物です。この機会に、研修員にお好み焼き体験をしてもらいました。広島のお好み焼きの特徴は麺が入ることと、重ね焼きにすることです。
戦後は食べ物が少なくて、アメリカに配給してもらった小麦粉(メリケン粉)を使って、お好みのものを入れて焼いていたことから、「お好み焼き」になりました。
まず、衛生のためヘアキャップをかぶって、エプロンを着ました。そして、鉄板でお好み焼き作りをスタート。初めて作るお好み焼きに、研修員は楽しみながらも、全員ちゃんと完成させました。特にこの日は豚肉やみりんなどが入っていないソースでお好み焼きを作って宗教に関わらず、だれでも食べることができました。帰りに、研修員はお好み焼きソースを一本ずついただきました。

【広島と平和 核兵器の非人道性と戦争の非人道性】
続いて、第二次世界大戦の時に何が起こっていたか、水本和実先生(広島市立大学平和研究所副所長)に「広島と平和 核兵器の非人道性と戦争の非人道性」というテーマで話をしてもらいました。
はじめに、アイスブレイクとして水本先生が研修員に質問しました。
「平和とはあなたにとっては何ですか」
「平和の反対の言葉は何ですか」
答えは色々でした。
「各人の経験により、平和の定義が違う」と水本先生に説明してもらいました。
そして、広島の歴史と平和構築についての講義があり、講義の後に研修員が熱心に質問しました。「軍都だったので他の国からみた広島は平和都市とは言えないと思いますが、そうではないのですか?」と質問がありました。答えは「完全に転換するのは大変なことだが、段々平和へのメッセージが世界に広がっていきます。」でした。終わる前に水本先生が平和に関する歌を紹介して歌ってくれました。本当に興味深い講義でした。

【縮景園】
最後に縮景園に行きました。縮景園は広島市内にある美しい日本庭園です。第二次世界大戦の原爆で焼失しましたが、その後すぐに復旧されました。この日はボランティアガイドさんが縮景園を紹介してくれました。中はとても広くて美しい日本庭園でした。庭園の中心に大きい池があり、コイがたくさんいました。ガイドさんが餌を持ってきてくれて、研修員たちがコイに餌をあげて楽しんでいるようでした。それに、この時期は梅が咲いていて、綺麗でした。

研修に同行して

この2日間広島平和学習に同行し、いろいろと勉強になりました。自分は広島で住んでいるので、出来るだけ研修員を案内できるように準備しました。まず、「Hiroshima’s Revival」をよく読んで、まだ知らない広島のことがたくさん出て来ました。読みながら、感動したり驚いたりしました。
当日も研修員と共に体験をすることで、平和についての意識が高まり、本当に良かったです。私も研修員も学んだことを広げて世界平和に少しでも寄与したいと思います。