【イベント報告】「わたしの心のシリア〜あの頃と、今」を開催

2017年3月27日

シリアの難民問題を知る、考える。

【画像】2011年に勃発したシリアでの政府と反政府勢力の武力衝突から6年。今もなお紛争が続くシリアでは、多くの人々が故郷を追われています。シリア全体で486万人が国外に、630万人が国内で避難し、1,350万人が人道支援を必要としている今、私たちにできることは「まず、知ること」、そして「考える」ことです。

「シリア」と聞くと「爆撃によって破壊された街」「難民」といったイメージを思い浮かべる方も少なくないかもしれません。しかし、シリアはかつて平和な家族の暮らしがあり、学び舎があり、美しい自然と文化遺産のある豊かな国でした。 

今回のイベントは、シリアのことを「まずは知る」きっかけになればと思い開催しました。

シリアを逃れた人たちの想い

幅広い年齢層の参加がありました

イベントには、宇部市近郊を中心に遠くは福岡県から60人を超える参加がありました。
   
今なお、ふるさと・シリアに帰りたいと願う人々の姿を描いたドキュメンタリー映画「目を閉じれば、いつもそこに〜故郷・私が愛したシリア〜」の上映では、シリアを逃れた人々が長い歴史と精神が宿る美しかった故郷の風景を語り、「ふたたび家族と共に暮らしたい」「故郷シリアに帰りたい」と話します。彼らの誰一人として初めから「難民」だったわけではなく、数年前まではシリアで家族と大好きな家で暮らし、友だちと笑い合う日常があったのだという当たり前のことが心に突き刺さりました。
またこの映画には、かつてシリアで活動し、今はシリア支援団体サダーカの代表としてヨルダンでシリア難民の支援を行う青年海外協力隊OB・田村さんの姿も映っています。青年海外協力隊として活動していた頃訪れたシリアの小さな村で、「(日本人から見たら本当に質素な暮らしなのに)愛する家族と、美しい故郷。この村にはすべてが揃っている。」と笑う老人に出逢ったという田村さん。報道ではなかなか知ることのできない「シリア」がありました。

当日は、実際にシリアで暮らし活動された青年海外協力隊OBの木村さん、そしてシリア難民が多く暮らすヨルダンで活動された青年海外協力隊OBの森谷さんのトークショーも行い、「シリアの人たちの愛する故郷への想いを知り、本当に胸が詰まる思いだった。」「日本人の私に出来ることは何だろうか。」と多くの声が寄せられました。

「私たちがすぐに状況を変えられるわけではないけれど、まずは今日知ったことを誰かに伝えようと思う。」という参加者の言葉を聞き、「遠い世界のことを伝えること」もJICAの大きな使命だと改めて強く感じた一日でした。

「世界のみんなのピース展」「わたしの心のシリア展」も同時開催中

「世界のみんなのピース展」

会場となった宇部市立図書館では、1階展示室で3月15日(水)から4月2日(日)まで「世界のみんなのピース展」と「わたしの心のシリア展」も開催しています。

「世界のみんなのピース展」は、一昨年(2015年)の青年海外協力隊事業50周年と戦後70周年を記念する企画として、長崎県JICAデスクが展示した写真を借りたもの。世界21ヵ国で活動するJICAボランティア31人の協力のもと、派遣国の同僚や友人に「あなたにとって平和とは何ですか?(What’s Your Peace?)」という質問の答えを紙に書いてもらい、それを持って撮影した写真を集めました。一枚一枚の写真には、それぞれの国、地域が抱える過酷な歴史や厳しい現実を超えて、一人一人の人間の内にある「平和」を求める心の輝きが込められています。
また、「わたしの心のシリア展」はシリアに派遣されていた青年海外協力隊OBによって写された平和だった頃のシリアの日常を知ることのできる写真展です。砂漠を往くラクダの群れ、子どもたちの笑顔、大家族の日常…。日々の当たり前の幸せにあふれたシリアの姿がそこにはあります。

「平和とは何か?」その答えの多様性や普遍性について皆が考え、語り合うきっかけになればと思い開催していますので、ぜひお立ち寄りください。

世界のことを、山口から。

これからも山口県JICAデスクでは「世界のことを、山口から考える」「山口から世界とつながる」ことのできるようなイベントを企画していきたいと思っています。
世界はつながっている。まずは「知ること」、そして「理解しようとすること」、「考えること」から。
今後のイベントにも、ご期待ください!