【JICAだより】タイから現地レポートをお届けします

2017年10月1日

【画像】二井田 弘男さん(広島県東広島市身)
平成27(2015)年度3次隊 シニア海外ボランティア
派遣国:タイ 職種:工作機械

2017年10月1日(日)中国新聞SELECT掲載
※中国新聞社の承諾を得ています

モノづくりの人材育成

工場で技術者から、ステアリングの実機テストの説明を受ける学生たち

自動車メーカーの生産技術部門で30年以上働いた私の配属先は、首都バンコクにある泰日工業大学だ。日本への元留学生が泰日友好と泰産業界の人材育成を目的として1973年に設立した日本からタイへの技術移転を目的とする団体が母体となり、2007年に設立された。

日本型のモノづくり実践教育を導入し、卒業生の多くは日系製造業へ就職する。しかし現地日系企業からは、製品のベースとなる各部品の公差設計が弱く、さらなる実践力の教育を嘱望されていた。

折しも、日・ASEAN(東南アジア諸国連合)経済協力委員会から「現地の高度人材育成のための現地大学等への講座設置等に基金拠出」が提示された。私は工学部の先生方とこの基金を活用し、産業界から要望の強い設計開発と自動化技術分野に実践知識を持った学生を輩出するための、新教育プログラムを提案。実現にこぎ着けた。

理論学習とリンクし、企業の技術者が講義。工場では実機テストの具体的な説明をする。学生は基金活用による機材でのPBL(課題解決型学習)やプレゼンで実践力を養う。

学内で、製品が比較的簡単に設計・製作・評価でき、日本の中小企業が技を競っている。「コマ大戦」を開催した。いわゆるケンカゴマだ。参加者を集めるため、日系企業から景品を募った結果、参加者は予想以上となった。今後は少し理論を含んだプレゼンを近郊技術校でもしてモノづくりを広めていきたい。