【教師海外研修 授業実践】岡山県玉野市立日比中学校

2017年10月13日

スリランカでのエピソード、あなたならどうする?

井本亜希先生

授業の様子

玉野市立日比中学校で英語を教える井本亜希先生は、今年の夏、JICA教師海外研修でスリランカを訪問し、そこで学んだこと、感じたこと、考えたことを生徒たちに伝える授業を行いました。9月29日(金)はその授業の4回目、これまでに話を聞いたスリランカについて、2年生の生徒たち自身が考える内容です。

最初に、実際にスリランカに行った先生方が現地で目にした映像を生徒に見せました。大雨が降る中、花束を手に持った少年が道路を横切り、スピードを出して走る私たちのバスを追いかけてきます。カーブの強い道で何度も少年の前を素通りしても、傘もささず、びしょ濡れになった彼は何度もバスを追いかけてきました。
「みなさんなら、車を止めて花束を買いますか?買いませんか?」。

井本先生は、花売りの少年と同じような年齢の生徒たちに問いかけました。

大切なのは、考え続けること

効果的な支援を考える

このエピソードのあと、井本先生は現地で知ったスリランカの教育事情について話しました。学歴重視の社会であること、進路や進学する学校が小学生のうちにほぼ決まってしまうシステム、一方で教育無償化が進み、成人も含めて識字率がとても高いことなどが上げられました。

これらの情報をふまえ、井本先生が提示した「スリランカの教育をさらに良くするための、効果的な支援方法」から最も良いと思われるものを生徒一人一人が選び、グループごとに順位づけもしていきました。
選択肢には「現地で活動するNGOに寄付をする」「現地の事をより詳しく知るため、国の状況を調べる」「フェアトレード商品を購入する」などがあり、生徒からは「NGOに寄付しても、団体が目的に沿った使い方をするか分からないのでは?」「現地のことが分からなければ、何もできないから、調べて知ることは大事ではないか」「寄付など与えるだけの行為では日本へのメリットがない、フェアトレード商品を購入すれば、国内の消費にも役立てる」など、多様な考えや意見が活発に飛び交っていました。

たくさんのことを考え、感じたスリランカ研修から、限られた時間の中で生徒に何を伝え、考えさせればよいのか、井本先生は直前まで迷ったと言います。そんな中で、今回の授業で生徒に伝えたかったこと、それは「答えが一つではない問題を考え続ける時間を大切にしてほしい。恥ずかしくても自分自身の想いを他の人に話してほしい。そして自分にできることから何かを始めてみよう。世界じゃなくても、外国じゃなくても、きっと岡山で、玉野市で、学校でできることがある。『Think Globally, Act Locally』を意識して行動していってほしい」ということでした。

行ったことのないスリランカという国を想像し、未知なテーマについて考え、感じたことを同級生に話すことができる日比中学校の2年生は、井本先生の想いをきっと深く受け止めてくれたことでしょう。