【海外研修 派遣前研修】スリランカ「を」学び、スリランカ「で」考えるため

2018年7月6日

スリランカのイメージを全員で共有

前田 芳広さんの講義

2018年6月23日(土)、今年度の教師海外研修に参加される中国地方在職の8名の先生を対象に、JICA中国で派遣前研修を行いました。

校種や地域、担当教科など幅広く多様な先生方がご参加下さいましたが、スリランカ訪問は全員初めて。そこで、現時点で思い浮かぶスリランカのイメージを書き出し、参加者間で共有しました。「仏教の信仰心が篤い」「多民族」といった国の特長から「長く続いた内戦」という現在のスリランカにも影響を及ぼしている歴史的な内容、「紅茶」「暑そう」といった日常的な印象まで、幅広いイメージが出されました。

これらのイメージが実際にスリランカを訪問することでどのように変わるのか、または変わらないのか、参加者自身の変容を見るための素材として、また、現地でスリランカの人々と交流する中で彼らの生活や価値観をどのように捉え、どのような形で児童や生徒に還元できるのかを意識するための材料として、この時間に作成した成果物をスリランカに持参し、現地での学びを深めていく予定です。

また、2年間スリランカに派遣された元青年海外協力隊員の前田芳広さんからも話を伺いました。スリランカの歴史や文化についての解説とともに、ご自身の青年海外協力隊としての活動内容もお話下さいました。実体験に基づくスリランカの説明は、参加者にとって未知のスリランカのイメージを少し身近なものにしてくれました。

日本の子どもと世界をつなぐため、教師ができること

山中 信幸先生の講義

「ボルネオボックス」を体験する参加者

また、この研修では2名の講師の方にお越し頂きました。川崎医療福祉大学の山中信幸教授からは、日本の国際化を考えるワークショップを通じて、開発教育・国際教育に効果的な参加型の手法について教えて頂きました。教師海外研修に参加する先生方は帰国後、各自の所属校で授業実践を行いますが、そこで求められるのはスリランカの写真を見せ、国の概要を伝えることではありません。海外研修での知見を学校現場にどう落とし込めばよいのか、スリランカ「を」教えるのではなく、スリランカのエピソード「で」何を子どもたちに伝えるのか、そのための手法を先生方は参加者として体感しながら習得されていました。

また、ボルネオ保全トラスト・ジャパン理事である荒川共生さんからは、現地の人々との交流時に役立つ「カルチャーボックス」について、その意義や具体的な準備について教えて頂きました。私たちが海外に行ったり外国の人と接するとき、相手の文化や習慣を尊重し、関心を持つあまり、異文化を聞き、知りたいという一方通行に陥りがちです。その状態を荒川さんは「経験の搾取」と表現され、本来の交流とはお互いが学びあうことであり、他の文化を知ることは自分の文化を知ること、という異文化理解の大前提をあらためて教えて下さいました。その具体的な道具として、荒川さん自身が作った「ボルネオボックス」をご紹介下さり、参加の先生方は今回スリランカの人々に日本文化を紹介する「ジャパニーズボックス」の中身を考えていきました。日本文化を紹介、というと伝統玩具や和柄の小物、といった発想になりがちですが、私たちが普段の生活で使う物にこそ、今の日本が象徴されています。当たり前過ぎて気づかない自分の日常を見つめ直すことから、異文化理解を考える、そんな貴重な時間になりました。

さて、先生方が持参する「ジャパニーズボックス」の中身とそれを見たスリランカの人々の反応は?!現地研修の報告をご期待ください!

午前10時から午後6時半まで、たくさんの情報が詰まったこの研修は、先生方にとっても大変だったと思いますが、一人一人が熱心に積極的に参加して下さり、とても有意義な時間となりました。
次回参加の先生方とお会いするのは8月7日(火)、スリランカ出発の前日となります。それまで現地での各訪問先でどんなことを見て知りたいか、それが帰国後の授業実践にどうつながるか、児童・生徒に何を伝えたいのか、などを自身で問い続けてもらい、10日間のスリランカ海外研修へ赴く予定です。

お問い合わせ

JICA中国 市民参加協力課(担当:新川)
 TEL:082-421-6305
 FAX:082-420-8082
 E-mail:jicacic-coordinator1@jica.go.jp