インターンによる「広島平和学習」レポート

JICA中国では、広島大学国際協力研究科博士課程の片山美弥さんを8月1日から約2週間、インターンとして受け入れています。以下、片山さんの研修同行レポートです。

2018年8月23日

2018年8月15日(水)

現在、「エネルギーの高効率利用と省エネの推進(D)」コースにて中南米からの研修員12名がJICA中国で研修を受けています。今回は、ヒロシマの真実、復興と平和構築への取り組みについて理解することで、世界の平和推進へ意識を深めることを目的とした「広島平和学習」に参加しました。それでは、広島平和学習とはどのようなものだったのか、研修の様子を紹介します。

広島平和記念資料館

広島平和記念資料館内にて

8月15日、偶然にもこの日は「終戦記念日」でした。広島平和記念資料館へ向かうバスの車内でそれを聞いた研修員たちは、きっとまた特別な気持ちで資料館へ足を運んだことと思います。館内では音声ガイドに耳を傾けながら真剣に被爆者の遺品や写真、資料を読み込んでいる姿が印象的でした。2017年にリニューアルオープンした東館ですが、被爆の惨状や戦争の悲惨さを訴えるとともに、広島の被爆前後の歩みや、復興への道筋もしっかりと示されており、アルゼンチンからの研修員は「広島がここまで美しく、緑に溢れていること、会社やマンションが普通に建っていることに驚いた。」と話してくれました。
昨年度、JICA中国で研修を受けた研修員のうち約300名がこちらの「平和学習プログラム」に参加し、資料館を訪れていますが、多くの研修員の母国ではまだまだ紛争が続き、国が荒れていたり、紛争後の復興を目指している国もあるとJICA職員から聞きました。そのため、先ほどの研修員のお話のように、世界では広島はまだ復興できていないと思っている人も多く、訪れてみて初めて、現状を知る外国人も多くいるとのことです。復興政策以外にも、ただただ胸を打たれ、落ち込む研修員も多く、口々に「本当に戦争は悲しい。言葉にならない。」「母国で、きちんと平和について伝えなければ」と話してくれました。

平和都市ヒロシマの歩み

ヒロシマの復興の歩みを学びました

続いて「平和都市ヒロシマの歩み」という講義を通して、広島の復興の特徴と過程を学ぶことが出来ました。私は、広島県の出身ですが、インフラの応急復旧の素早い対応について初めて耳にしました。水道や電気、交通や金融などが少なくとも被爆から2日~5日以内には再開され、「復興」という強い目標に向け、団結し、献身を惜しまなかった当時の市民の強い信念を研修員とともに感じました。
そして、「破壊は終わりではなかったこと」「平和を希求する姿勢を貫くことの大切さ」「問われているのは、市民1人の1人の主体性」などが伝えられ、母国の復興、開発、発展に活かせることは何か。平和で安定した国際社会の実現のために貢献できることは何か。ということを、私を含め研修員1人1人が改めて深く考える大変有意義な講義となりました。

広島平和記念公園 散策

原爆ドームとおりづるタワー

最後に広島平和記念公園を散策しました。園内にある「原爆死没者慰霊碑」、「原爆の子の像」、「原爆ドーム」と順番に見て回る中で、「平和の灯」が印象に残ったという研修員がいました。こちらの建立の目的は「水を求めてやまなかった犠牲者を慰め、核兵器廃絶と世界恒久平和を希求するため。」であり、この火は、1964(昭和39)年8月1日点火されて以来ずっと燃え続けており、「核兵器が地球上から姿を消す日まで燃やし続けよう」という反核悲願の象徴となっている。という説明に感動したと話してくれました。
また一緒に歩いていると、複数の研修員から「爆心地はどこ?資料館で見たけど、原爆ドームではないよね?そこに行きたい。」という声を聞き、しっかりと「ヒロシマ」に興味を持ち、学んでくれている姿を見て、私自身も今後とも、平和を発信、平和のために行動できる人間になりたいと思いました。平和の尊さ、大切さを研修員が帰国後、周りの人に共有してくれることを願いながら、平和公園をあとにしました。