安定した電力供給を実現するために

課題別研修「ガスタービン・石炭火力発電のメンテナンス技術向上(A)」

2018年8月23日

安定した電力供給を実現するために

PT(浸透探傷試験)の実習風

振動調整の実習の様子

原爆ドームの前にて集合写真

近年、都市化、工業化が進展している途上国では、経済成長に伴う電力需要が急増し、既存の電力設備のメンテナンスが望まれています。JICA中国では5月28日(月)から7月18日(水)まで約7週間、山口県、広島県、兵庫県、神奈川県、東京で「火力発電所の運用管理、メンテナンス部門で指導的立場にある技術者に研修実施機関として一般社団法人 海外電力調査会(JEPIC)、(株)パワー・エンジニアリング・アンド・トレーニングサービス(PET)の協力の
もと技術研修を実施しました。

本研修には、タンザニア(1)、モザンビーク(2)、ミャンマー(1)、バングラデシュ(1)から5名の現地の発電所に勤務する研修員が参加しました。研修の始めでは、山口県宇部市にあるPETのもとで様々な研修を行いました。例えば、素材や製品を破壊せずに,きずの有無や大きさ等の状態を調べる「非破壊検査技術」やボイラ・タービン設備の高温高圧下で使用される金属材料の劣化メカニズムおよび余寿命の評価・判定する「余寿命診断技術」について講義や実施研修を通して学びました。また、山口県柳井市の中国電力(株)柳井発電所では、ガスタービン・コンバインドサイクル発電設備の構造や機能,高温部品の適切な保守管理について知識を習得しました。講義にて学んだ内容を発電所やメーカ工場で実際に視察することでより理解を深めることができました。

研修中盤では、山口県から広島県に移動し、中国電力本社や三菱日立パワーシステムズ(株)呉工場を視察しました。中でも、最新技術であるIGCC(石炭ガス化複合発電)の実証試験を行っている大崎クールジェン(株)では、火力発電に関する最新技術の概要について学びました。

休日には、広島平和記念公園と広島平和記念資料館に見学し、広島における原爆の実相と復興に関する歴史について学び、日本理解を深めました。

研修後半では、兵庫県高砂市三菱日立パワーシステムズ(株)高砂工場においてガスタービン製造技術やメーカーで実施している補修サービスについて学びました。また、今回、初めて視察させていただいた吸気冷却装置メーカーである(株)いけうち大阪本社では、比較的低コストで効率向上や高温期の出力確保に効果のある吸気冷却装置について理解を深めました。東京に移動してからは、最新鋭のIGCC火力発電(石炭ガス化複合発電)にて商用運転を行っている常磐共同火力(株)勿来発電所では、IGCCの概要や特徴について学びました。最後に横浜において、今まで学んできたことを自国でどのように活かすか、アクションプランとしてまとめ発表をしました。研修員からは日本の発電所の行き届いた管理体制および安全な環境に感心をしめし、自国に戻ってから研修中に得た知識を自国及び自身が所属する発電所に役立てていきたいと感想を述べました。本研修での学びが自国での安定した電力供給の実現に寄与すればと思います。