【実施報告】広島県立教育センター・JICA中国連携「国際教育-『相互理解、多様性の受容につなぐ授業づくり』講座」

2018年8月28日

教師海外研修に参加した教員の発表

日時:2018年8月1日(水)、8月2日(木)
9:30~16:45
場所:JICA中国 306講義室
主催:広島県立教育センター
協力:JICA中国

訪日観光客が急増し、日本に暮らす外国の方も増えている現在、異文化を知り、多様な価値観を認め合うことは国内でも重要な課題となっています。世界のどこであってもグローバルに活躍できる児童生徒を育成するため、広島県立教育センターがJICA中国と連携して実施する本研修も8年目をむかえました。今年も「グローバル人材の育成に向けて、ESD(持続可能な開発のための教育)に基づく国際教育について理解し、児童生徒の主体的な学びにつながる参加型学習を生かした授業づくりの実践的指導力を身に付ける」ことを主なねらいとし、特に9月以降の具体的な授業実践を視野に入れたプログラムで行われました。今年は私立を含む広島県内の小、中、高、特別支援学校に勤務される38名もの先生方がご参加下さいました。

1日目には、広島県におけるグローバル人材育成について、姉妹校交流や海外留学などの具体的事例を含めて教育委員会の先生からご講義がありました。また、教育センターの方からはESDの概念や特徴、各教科や学校現場での活動がESDの理念とどのように結びつくのか、アクティビティもまじえた解説がありました。午後には在外日本人学校での勤務経験のある先生や、2016年度教師海外研修に参加された先生から、派遣国の事情や現地での体験、また在外経験を帰国後に日本の学校現場でどう活かし、国際教育を展開しているか、事例を交えて発表がありました。

国内で考える異文化理解-多様性の受容を自分事にするために-

「バーンガ」で異文化を体験中

SDGsを身近に考える

JICA中国の職員も2日間にわたり、異文化理解や多文化共生をテーマにしたワークショップを行いました。実際に授業の中で活用しやすいよう、本研修ではなるべく1時限以内で実践できるアクティビティを紹介しました。

相手の文化を尊重し、対話を通じて理解し合うことはとても重要です。しかし、頭で考える理想と、実際に当事者としてその場に立った時の感情が一致するとは限りません。「バーンガ」というカードゲームや、つい先日まで熱戦を繰り広げていたサッカーワールドカップを事例に「理想の日本代表チームをつくろう」*といったアクティビティを通して、民族、国籍、アイデンティティとはなにかを考えていきました。また、東広島市の学校の取組を取り上げた実際の新聞記事を使い、外国にルーツを持つ子どもの宗教や文化に対する学校現場での配慮について、参加者の実体験もまじえて意見交換を行いました。

後半は、国連が定めた「持続可能な開発のための目標(SDGs)」について考えました。身近な街の風景写真をもとに、身の回りにある課題を探す作業を通じて、世界をよりよくするための国際社会で共通の目標を、遠い国の話ではなく「自分事」として捉えていきました。

研修の最後は各自が本研修で紹介された教材や手法、テーマを組み込み、今後の実践を見据えた具体的な授業計画を作成するとともに、グループ内で共有し、充実した2日間の講座が終了しました。

これからもJICA中国は、教育現場で活躍される先生方へのサポートを通じて、グローバルな視野を持った子どもたちの育成に尽力していきます。

*「ワールドカップ」を含む教材集「Global Express(グローバル・エクスプレス)」は、時事問題を開発教育の視点から扱い、学ぶためのメディア・リテラシー教材で特定非営利活動法人 開発教育協会(DEAR)発行の著作物です。詳細は以下をご参照ください。